Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

平成仮面ライダーシリーズのキャスト評価。ベテラン俳優陣を考察|邦画特撮大全15

  • Writer :
  • 森谷秀

連載コラム「邦画特撮大全」第15章

きたろう、升毅、津田寛治、石田太郎、下條アトム、本田博太郎、石丸謙二郎、金山一彦、木下ほうか、石橋蓮司、寺田農、宇梶剛士、鶴見辰吾、小倉久寛、片岡鶴太郎、堀内正美、竹中直人、勝野洋、西村和彦、野村宏伸、生瀬勝久……。

この方々は2時間ドラマで犯人役を頻繁に演じている俳優という訳ではありません。

実は平成仮面ライダーシリーズにレギュラー・準レギュラーで出演していた俳優たちなのです。こう並べてみると錚々たる顔ぶれですね。

これまで3回に亘って仮面ライダーを演じたイケメン俳優について紹介していきました。イケメンが3回も続いたので、今回は平成仮面ライダーシリーズ“ベテラン俳優”を紹介していきます。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら

ベテラン俳優の役割

特撮作品は予算やスケジュールなどの問題から、若手俳優が中心的にキャスティングされます。

ベテラン俳優は演技経験の少ない若手俳優を支えるため、ワンポイントでキャスティングされています。

他の特撮作品でもこうしたキャスティングはされており、例えばウルトラマンシリーズでは隊長役、戦隊シリーズでは司令官役のように、それぞれベテラン俳優が配役されているのです。

しかし仮面ライダーには防衛隊の隊長や司令官が登場しません。そのためベテラン俳優の方々は基本的にレギュラー出演者が集まる場所に登場します。

例えば現在放送中の『仮面ライダージオウ』。主人公のソウゴとゲイツ、ツクヨミは、生瀬勝久演じる主人公の大叔父・常盤順一郎が経営する時計店に居候しています。

また喫茶店という設定も多く登場します。

『仮面ライダークウガ』第01話

『仮面ライダークウガ』『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー剣(ブレイド)』『仮面ライダービルド』などの作品には喫茶店が登場し、オーナー役がそれぞれきたろう、角替和枝、山口香緒里、前川泰之。

変身前の仮面ライダーたちが喫茶店に、間借り若しくは居候しているという点も共通しています。『ビルド』は若干事情が違いますが、このようにベテラン俳優のほとんどは変身前の日常生活のシーンに登場しているのです。

『仮面ライダーW』第01話

また主人公の前に立ちはだかる敵役をベテラン俳優が演じることも多いです。

『仮面ライダーW』(2010)に出演したのは、アニメ映画『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐の声などでも知られる寺田農。寺田が演じる園咲流兵衛/テラードーパントは、表向きは博物館の館長ですが、裏では怪人を作り出している張本人です。

『仮面ライダードライブ』(2014)には堀内正美が真影壮一役でシリーズ中盤に登場します。その正体は怪人フリーズロイミュードで、国家防衛局長官という立場と自身の能力を使い警察内部の情報を操っていました。

上記の作品で仮面ライダーシリーズに初出演となった寺田農と堀内正美。

2人は元々実相寺昭雄作品の常連で、『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』など特撮作品には既に出演経験がありました。その独特な風貌と存在感を“ウルトラマン”でも“仮面ライダー”でも十二分に発揮しています。

過去の出演者が再出演

『仮面ライダービルド』第01話

特撮作品はレギュラー・ゲストともに、過去に特撮作品に出演経験のある俳優をキャスティングする事が多々あります。

近年の平成ライダーで言えば『仮面ライダービルド』に難波重三郎役で出演していた浜田晃。

浜田晃というと、「必殺」シリーズや『水戸黄門』『暴れん坊将軍』など時代劇や刑事ドラマの悪役で有名です。特撮ファンには『仮面ライダーストロンガー』の一つ目タイタン役で有名です。

『仮面ライダー555』第01話

また『仮面ライダー555』(2002)に出演していたのが中康次。中の代表作はドラマ『宮本武蔵』(1984)の役所広司演じる宮本武蔵のライバル・佐々木小次郎役、映画『戦国自衛隊』(1979)、『スケバン刑事』(1985)の斉藤由貴演じる麻宮サキを支える神恭一郎役などです。

『555』で中が演じた役は花形/ゴートオルフェノク。物語の鍵を握る人物でした。

それ以前に中は『五星戦隊ダイレンジャー』(1993)にダイレンジャーの司令・道士嘉挧を演じていたのです。『555』のメイン監督・田﨑竜太は『ダイレンジャー』に助監督として参加していたので、その時の印象でキャスティングしたのではないでしょうか。

特撮作品の芸人枠 

『仮面ライダーフォーゼ』第01話

『仮面ライダーフォーゼ』(2012)の田中卓志(アンガールズ)、『仮面ライダー鎧武』(2014)の山口智充、『仮面ライダーエグゼイド』(2016)の博多華丸などお笑い芸人が“仮面ライダーシリーズ”に出演するのが近年多くなっています。

その真打ちともいうべきなのが、『仮面ライダードライブ』の片岡鶴太郎と『仮面ライダーゴースト』の竹中直人でしょう。

現在は2人とも俳優活動が主な中心ですが、かつてはコメディアンとしてバラエティ番組で腕を振るっていました。両者とも時折持ちネタを本編中に入れていました。

さらに記事冒頭で紹介した映画『仮面ライダー×仮面ライダーゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』(2015)には、なんと片岡と竹中の2人だけのシーンがあります。

このシーンで片岡は浦辺粂子、岡本太郎、坂上二郎、竹中直人は丹波哲郎と松田優作のモノマネを披露。良い子を置いてけぼりにした名場面でした。

次回の邦画特撮大全は…

次回の邦画特撮大全は、特撮作品に出演する声優について紹介します。

お楽しみに。

【連載コラム】『邦画特撮大全』記事一覧はこちら

関連記事

連載コラム

『世界残酷物語』ネタバレ感想と内容解説。モンド映画のヤコペッティを考察深堀り|未体験ゾーンの映画たち2021見破録21

連載コラム「未体験ゾーンの映画たち2021見破録」第21回 過去に世界を席巻した、悪名高い映画まで紹介する「未体験ゾーンの映画たち2021見破録」。第21回は伝説のドキュメンタリー(?)映画『世界残酷 …

連載コラム

映画『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』あらすじ感想と評価解説。結末は想像を絶する異世界バトルアクション爆誕|すべての映画はアクションから始まる28

連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』第28回 日本公開を控える新作から、カルト的に評価された知る人ぞ知る旧作といったアクション映画を時おり網羅してピックアップする連載コラム、『すべての映画 …

連載コラム

映画『1976』あらすじ感想と評価考察。独裁政権が支配する社会の恐怖を主婦の目線で描く問題作|TIFF東京国際映画祭2022-6

第35回東京国際映画祭『1976』 2022年にて35回目を迎える東京国際映画祭。コンペティション部門に1970年代、軍事政権によって支配されたチリの姿を描いた映画が登場しました。 タイトルは『197 …

連載コラム

【ネタバレ】フューリアス ワン|あらすじ感想評価とラスト結末解説。おすすめアクションで潜入捜査官は謎のドラッグの正体を追う【B級映画 ザ・虎の穴ロードショー86】

連載コラム「B級映画 ザ・虎の穴ロードショー」第86回 深夜テレビの放送や、レンタルビデオ店で目にする機会があったB級映画たち。現在では、新作・旧作含めたB級映画の数々を、動画配信U-NEXTで鑑賞す …

連載コラム

映画『不実な女と官能詩人』感想とレビュー評価。実在した人物の驚くべき物語と新しい女性の姿|銀幕の月光遊戯 46

連載コラム「銀幕の月光遊戯」第46回 映画『不実な女と官能詩人』が、2019年11月1日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネリーブル梅田にてロードショー公開されます。 彼女が恋に落ちたのは、 …

Cinemago|想像力の海へ、シネマダイビング。
ACT1|次の物語は、人からはじまる。
Cinemagoオンラインショップ|DVD・鑑賞チケット・オリジナルグッズ
『血を吸うスマトラオオコンニャク』
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学