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Entry 2022/06/13
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映画『TELL ME ~hideと見た景色』あらすじ感想と解説評価。キャストの今井翼がファンに贈る‟兄の遺した音楽”|映画という星空を知るひとよ104

  • Writer :
  • 星野しげみ

連載コラム『映画という星空を知るひとよ』第104回

「X JAPAN」のギタリスト、またソロアーティストとして、その名を馳せたロック界のカリスマhide。1998年5月の彼の急逝を惜しむ声が後を絶ちません。

彼をなつかしむファンの声に応えるかのように、実弟・松本裕士の視点で描かれるhide急逝後の物語『TELL ME ~hideと見た景色~』が公開されます。

本作の監督は『今日も嫌がらせ弁当』(2019)『僕と彼女とラリーと』(2021)の塚本連平が務め、映画初主演となる今井翼が裕士を演じます。

I.N.A.役をhideのドキュメンタリー「JUNK STORY」でナレーションを務めた塚本高史、hide役は俳優としても活躍するロックギタリストのJUONと、そうそうたるメンバーが顔を揃えました。

映画『TELL ME ~hideと見た景色~』は2022年7月8日(金)全国公開です。

【連載コラム】『映画という星空を知るひとよ』一覧はこちら

映画『TELL ME ~hideと見た景色~』の作品情報


(C)2022「TELLME」製作委員会

【公開】
2022年(日本映画)

【原作】
松本裕士:『兄弟 追憶のhide 』(講談社文庫刊)

【監督】
塚本連平

【出演】
今井翼、塚本高史、JUON、津田健次郎、細田善彦、川野直輝、SHINGO☆、笠原織人、くぼゆうき、片岡麻沙斗、朝倉伸二、山下容莉枝、田島令子

【作品概要】
映画『TELL ME ~hideと見た景色~』は、1998年に亡くなった「X JAPAN」ギタリストのhideの遺した音楽を、世に届けるため奮闘する弟・松本裕士と仲間たちの姿を描いたドラマです。

hideのマネージャーである弟の松本裕士の著書『兄弟 追憶のhide 』(講談社文庫刊)をもとに、『今日も嫌がらせ弁当』(2019)『僕と彼女とラリーと』(2021)の塚本連平監督が手がけました。

本作で松本裕士を演じるのは、映画初主演となる今井翼。hide役を俳優としても活躍するロックギタリストのJUONが演じます。

映画『TELL ME ~hideと見た景色~』のあらすじ


(C)2022「TELLME」製作委員会

1998年5月2日、X JAPANのギタリストとして、またソロアーティスト(hide with Spread Beaver/zilch)として活躍していた、日本を代表するロックミュージシャンhideが急逝しました。

葬儀には約5万人が訪れ、日本中が早すぎる別れに涙し社会現象に……。

hideのマネージャーを務める弟・松本裕士(ひろし)は、兄hideと過ごした子供時代から今までの日々を思い返していました。

制作途中だったアルバム、そして既に決定していた全国ツアー、hideの音楽を世に届けたい……。

兄の意志を継いだ裕士は、hideと2人で楽曲を制作していたhideの共同プロデューサーI.N.A.ら仲間たちとともに動き出します。

hide本人不在という異例の状況下で奮闘する裕士とI.N.A.でしたが、彼らの前にさまざまな困難が立ちはだかります…。

映画『TELL ME ~hideと見た景色~』の感想と評価


(C)2022「TELLME」製作委員会

「X JAPAN」と言えば、誰もが一度は耳にしたことがある日本のビジュアル系ロックバンドです。そのギタリストhideが、1998年5月2日に急逝し、大きな波紋を呼びました。

彼の死因も謎めいていて、バンドのメンバーはじめ残された関係者たちは大きなショックを受けます。中でも一番の痛手を受けたのは、hideのマネージャーであり実弟の松本裕士でした。

両親からは「あなたが側にいてなんでこうなるの!」となじられ、自分でももっとhideの側にいてたらよかったという後悔に明け暮れます。

二人っきりの兄弟でしたから、思い出すのは兄のhideと過ごした幼い頃のことばかり。

ちょっぴり太り気味だけれど優秀なhideに頭が上がらない裕士は、いつも家族からhideと比較されていました。

それは大人になっても変わりません。挙句の果てに、hideのマネージャーまでさせられ、裕士は兄に対する屈折した思いを抱いていました。

ですが、hideが急逝した後、例えようのない兄への思慕と彼のやり残したことを実行する使命感に捉われます。

制作途中だったアルバム、全国ツアーの企画など、全てが兄であるhideが居てこそ成り立つもので、hideがいなくなれば不可能と思われました。

けれども、裕士はhideの音楽をファンに届けたいと切に思い、彼の熱意は次第に関係者たちを動かします。

そこには、hideの残した素晴らしい音楽が大きな役割を果たしていると言えます。

主人公の裕士を演じるのは映画初主演となる今井翼。実在する人物を演じるプレッシャーや葛藤も体験しながら、演じ切ったと言います。

また、hideを演じるロックギタリストのJUON、hideの共同プロデューサーI.N.A.役の塚本高史と、メインキャストの好演も光ります。

まとめ


(C)2022「TELLME」製作委員会

「X JAPANのギタリスト」で若くして亡くなったhide。映画『TELL ME ~hideと見た景色~』はそのhideが遺した音楽を、世に届けるため奮闘する弟たちの軌跡を描き出しました。

hideが急逝した後残された者たちは、なんとかして彼の音楽をみんなの耳の届けたいと思いました。

さてそれにはどうすればいいのか……。思い悩む裕士の前は難問が山積み状態です。

そこへ、世間の誹謗中傷も加わり、大きな壁となって立ちはだかります。そんな中、裕士を支えたのは幼い頃の兄との思い出でした。

いつの間にか固く結ばれた兄弟の絆が、hide亡き後の物語に大きな感動を添えたのは言うまでもありません。

hideの在りし日はもちろん、hide亡き今の時代でも、hideの音楽が聴く者に語り掛けます

彼からのメッセージとも言える音楽演奏シーンも盛り込まれ、ファンならずとも見逃したくない作品です。

映画『TELL ME ~hideと見た景色~』は2022年7月8日(金)全国公開です。

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星野しげみプロフィール

滋賀県出身の元陸上自衛官。現役時代にはイベントPRなど広報の仕事に携わる。退職後、専業主婦を経て以前から好きだった「書くこと」を追求。2020年よりCinemarcheでの記事執筆・編集業を開始し現在に至る。

時間を見つけて勤しむ読書は年間100冊前後。好きな小説が映画化されるとすぐに観に行き、映像となった活字の世界を楽しむ。

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