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激戦ハートオブファイト|動画無料視聴方法とあらすじネタバレの感想

  • Writer :
  • 山田苺

現在U-NEXTにて特集が組まれている香港の名匠ダンテ・ラム監督。

これまでハードなアクションにへヴィーなストーリーや人物の過去を作り上げてきた彼ですが、なんと2015年に公開された作品は、熱血スポ根。

今までの作風から突然、バッドエンドの予感なんてこれっぽっちも感じさせないストーリーに、「監督、気でも狂ったか・・・」と思わざるを得ないですが、ちゃんと理由があったそうです。

1.映画『激戦 ハート・オブ・ファイト』の作品情報


(C)2013 Bona Entertainment Company Limited All Rights Reserved.

【公開】
2015年(香港映画)

【原題】
激戦 Unbeatable

【監督】
ダンテ・ラム

【キャスト】
ニック・チョン、エディ・ポン、メイ・ティン、ワン・バオチャン、クリスタル・リー、アンディ・オン、ジャック・カオ、フィリップ・キョン、ウィル・リュー

【作品概要】
これまで刑事ものやクライムサスペンスを中心に撮っていた監督としては異例のスポーツもの。

3人の登場人物が、それぞれが抱える出来事や過去を一掃するためのごとく、総合格闘技で優勝を目指す、熱い格闘アクション映画となっています。

今作では借金を抱え、今は落ちぶれた元ボクシング王者ファイが、父親の会社が倒産し、荒れ狂う父と借金を背負った青年スーチーが出会い、香港の総合格闘技で賞金を稼ごうと師弟関係を結び、無謀ともいえるプ過酷な闘いに、賞金とプライドをかけて挑みます。

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2.映画『激戦 ハート・オブ・ファイト』のあらすじとネタバレ


(C)2013 Bona Entertainment Company Limited All Rights Reserved.

父が大富豪にも拘らず、そのお金を一銭も使うことなく放浪の旅を続けていたスーチーですが、父親の会社が倒産し、多額の負債を残して失踪したことで、彼の人生は一変します。

幼い娘と、赤ん坊の息子を一人で育てるクアンは、酒びたりで夜って寝てしまった際に、息子が風呂に落ちて亡くなります。

賭け事に夢中でその日暮らしをするファイは、借金を平気で踏み倒して逃げ回る毎日を送っていました。

ファイは過去にボクシングを経験しており、昔の仲間とMMAと呼ばれる総合格闘技を観戦します。

仲間はファイの借金の話を聞くと、住居も用意するから、自分が経営しているジムで働いて返せばいいと提案します。

スーチーは父の借金を少しでも返済するため、工事現場で過酷な肉体労働を続けます。

ファイの勤めることになったジムでは、中年女性しか参加しないようなエクササイズがあり、そこで指導するあまりやる気の沸いてこない仕事を任されます。

しかし、その他にファイにはボクシングジムの清掃や準備と言った仕事も任されました。

スーチーは飲み屋に訪れると、そこには失踪していた父親が自棄酒をして暴れまわっていました。

なんとか父を解放すると、店内のテレビでMMAの試合のCMが流れます。大会優勝者には破格の賞金が渡されると目にしたスーチーは、ジムに通ってMMAで優勝を目指します。

ファイは自分の住居に向かいますが、小学生のシウタンと、その母クアンと同居する形になります。

ひとしきりシウタンからこの家のルールを聞きますが、風呂は使わずシャワーで済まし、決して浴槽は開けるなとファイは言われます。

スーチーは早速ジムには行って、MMAを習いますが、素人ではとても難しい競技だと知ります。

それを横目にジムの清掃をしていたファイは、スーチーに次から使えるアドバイスをしてやります。

クアンはシウタンの帰りをバス停の傍で待っています。

彼女の目の前にある木は、まだ息子が生きていた頃に一緒に種を埋め育ったものでした。

雷の音がすると、クアンはヘッドホンをつけ、雨は降っていないのに傘を差します。

しかしクアンとシウタンが帰る頃には大雨で、家は雨漏りで水びたしになってしまいます。

するとファンはバケツにたまった雨水を、ふたを開けて浴槽に流しだします。

浴槽を見たクアンはまるで発狂したかのように叫びだしてしまい、ファイは家を追い出されます。

夜になり、シウタンがファイに、過去にクアンは夫に逃げられた反動で酒びたりになり、よって寝た間に幼い息子が風呂に溺れて死んでしまったことを話します。

ファイはシウタンに、これからはちゃんと家のルールを守ると約束します。

皆が帰ったボクシングジムで、ファイは過去の自分の栄光を思い出します。

チャンピョンになったにも関わらず八百長に手を出したファイは、当時の師匠に破門され、どんどん落ちぶれてしまいました。

その悔しさをサンドバッグにぶつけると、その様子をスーチーに見られます。

彼は自分にMMAを教えて欲しいと頼み込みますが、ファイは断ります。

ファイがジムで働いているときに、シウタンから帰りが遅くなるので、待っているクアンを迎えに行って欲しいと頼まれます。

するとクアンは暴風雨の中、必死に思い出の木が折れないのを守っていたのです。

ファンも手伝い、家に帰ると初めてクアンが口を聞いてくれました。

しかしクアンのヘッドホンを壊して待ったファイは、こっそりヘッドホンと、店で流れていた誰の曲とも分からないCDを買います。

スーチーは再び酒場で荒れ果てている父を解放しますが、何の責任も負わずに放浪していたスーチーを激しく責め、仕舞いには暴力まで振るいます。

その様子を見ていたファイは、父をおとなしくさせるためにボディーブローを一発決め、スーチーと一緒に運び出します。

スーチーは再度、ファイに師匠になってほしいと申し込みます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『激戦 ハート・オブ・ファイト』ネタバレ・結末の記載がございます。『激戦 ハート・オブ・ファイト』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
事情を知ったファイは、スーチーに指導をすることに。

そこからは猛特訓の日々を送ります。

ファイも日々に生きがいを見出したことあり、クアンやシウタンとの関係も良くなり、初めはいやいやだったエクササイズのインストラクターもノリノリで行えるほどに。

ここでスーチーに技を指導してもらうべく、現役のコーチに頼み込みます。

すると、コーチは自分とファイが試合をして、ファイが勝ったら指導を引き受けると条件を出します。

ファイはぎりぎり勝利することが出来ますが、肩を脱臼してしまいます。

心配するスーチーをよそに、ファイは自力で脱臼を治し、若い頃からの慢性だといいます。

早速指導に入りますが大会まで時間がないので、まずは寝技を徹底的に教え込みます。

しかし実戦はファイが引き受けることになり、しぶしぶ引き受けた挙句、寝技の姿勢の関係でファイはスーチーとキスまでしてしまうハメに・・・

そして大会当日。挑戦者は2ラウンド持ちこたえればその時点で勝利となるので、スーチーの粘り強さで勝敗が別れてきます。

スーチーも果敢に攻めますが、経験の浅い彼は防戦一方に。しかし持ち前の忍耐力と体力で、2ラウンド持ちこたえ勝利します。

よろこぶ2人ですが、テレビ中継に映ったファイを見た借金取りが、クアンの居場所を見つけて押し入ってきます。

その際、娘を守るためにクアンは一味の一人を刺してしまい、シウタンは巻き込まれた弾みで階段から転落。重傷を負います。

シウタンの一命は取り留めたものの、クアンの精神はまた病んでしまいます。

次の試合でも、スーチーはなんとか勝利を収めますが、試合の最中に方に違和感を覚えるように。

クアンは精神に問題がないか、テストを受けることになりますが、結果は不合格。

シウタンは施設に送られるか、父親が引き取るかの選択になります。

ファイは自分が引き取りたいとなのりでますが、前科のあるファイにそれは不可能でした。

自分を捨てた男がシウタンを引き取ると知ると、クアンは大暴れをしそのまま施設行きになってしまいます。

次の試合で、ファイはシウタンの見舞いに行ったことで参加できず、スーチーは苦戦を強いられます。

さらに違和感のあった肩が試合中に折れるだけでなく、バックドロップを決められた際、首を骨折。敗戦だけでなく、復帰すら絶望的となってしまいます。

自分も含め周りの人間がことごとくまたどん底に落ちてしまったことを受け、ファイはある決断をします。

それはファイ自身がMMAの試合に出場し、勝利することでした。

ファイは自身の、そして周りの人たちの負け犬人生から抜け出すために、孤独な特訓に打ち込みます。

そして試合当日。年齢さも明らかに離れた相手は、スーチーを打ち負かした選手でした。

ファイも果敢に攻めますが、スーチーも喰らったバックドロップを受けそうになります。

しかし寸でのところでゴングが鳴り、ファイは何とか持ちこたえます。次に同じ技を仕掛けられた際も、見事なカウンターで切り抜けます。

防戦を虐げられるファイは完全にフェンスに押さえ込まれます。

すると、ファイは自ら肩を脱臼させると、押さえつける相手をすり抜け、強烈なアッパーを食らわし拳ひとつで勝利を収めました。

試合を見ていたシウタンは、ファイの姿に勇気付けられ、心を改めた父親と生活していくことを決意します。

しばらくして、ファイは香港から出て行くために、借金が返済できるほどの大金をMMAで自分に賭けて稼いでいました。

クアンは施設に入りましたが、ファイが見舞いに来てくれることで穏やかな日々を過ごします。

スーチーは無事回復し、再びファイに指導を申し込みます。

しかし相変わらず寝技をするときキスしてしまう癖は治っていないのでした・・・。

3.映画『激戦 ハート・オブ・ファイト』の感想と評価


(C)2013 Bona Entertainment Company Limited All Rights Reserved.

なんということでしょう・・・

およそ少女を謝って射殺してしまう男が主人公だったり、しかたなくスパイとして活動をさせられたらとんでもない目にあったりする男が主人公の作品を撮ってきた監督が作った作品とは思えない熱血っぷり、コメディー要素もちょこちょこあり、かつ異文化を取り入れています(『サウンド・オブ・サイレンス』が劇中で流れます)

何より、弟子の仇を落ち目の師匠が取るという展開がシンプルだけど凄くグッとくる展開でたまりません。

正直ボクシングのルールなんて全く分からなくても(そもそもこの大会はMMAであってボクシングではない)、充分見ごたえがあります。

これまで紹介したダンテ・ラム作品はハードすぎて胸焼けするなんて人も見れる。というより、あまりにもハッピーエンド過ぎてそれはそれで胸焼けするんじゃないかっていうあたり、ダンテ・ラムの新境地が切り開かれたと感じました。

まとめ


(C)2013 Bona Entertainment Company Limited All Rights Reserved.

ちなみにどうしてこのような作風が出来たかというと・・・

検閲の厳しい中国で、意外にも現代アクションが取れたことで他の監督も同じジャンルを取り出したことで、急に別のジャンルが撮りたくなったという監督の心境が大きかったようです。

そもそも監督自身もムエタイをやっていてガタイが凄いらしいので、今作の説得力がまさかの監督のフィジカルで証明されるという。

監督自身格闘技が好きということなので、今後は哀愁漂うスポーツものを見てみたいです。

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