ゴールデンウィークに映画を観に行くなら、緊張感たっぷりの『ノー・エスケープ自由への国境』はいかがでしょうか。
アルフォンソ・キュアロン監督のSF脱出劇『ゼロ・グラビティ』は米アカデミー監督賞を受賞。その共同脚本を担当を務めた息子ホナス・キュアロンの待望の映画監督デビュー作品です。
CONTENTS
1.映画『ノー・エスケープ 自由への国境』の作品情報
【公開】
2017年(フランス・メキシコ合作映画)
【監督】
ホナス・キュアロン
【キャスト】
ガエル・ガルシア・ベルナル、ジェフリー・ディーン・モーガン、アロンドラ・イダルゴ
【作品概要】
『ゼロ・グラビティ』で父アルフォンソ・キュアロンと共同脚本を手掛けた息子ホナス・キュアロンが監督を務める作品。
アメリカへの不法入国を試みるメキシコ移民たちが謎の襲撃者に狙われ極限状態に追い込まれる姿を描いたサバイバル・サスペンス映画。
『バベル』のガエル・ガルシア・ベルナルが主演を務め、テレビドラマ『ウォーキング・デッド』のジェフリー・ディーン・モーガンが共演を果たしています。
2.映画『ノー・エスケープ 自由への国境』のあらすじ
メキシコとアメリカの間に広がる砂漠の国境地帯、夜明けの静けさもあってか、どこまでも広がる果てしない荒地は、まるで人々の侵入を拒むかのようだった。
モイセスら15人は自由の国アメリカを目指して、トラックに乗せられ揺られています。
各自それぞれの思いはあっても目的は一つ、彼らの目的はアメリカへの不法入国でした。
しかし、不法入国を商売とする男たちの用意したトラックは、エンジントラブルをエ起こしてしまう…。
不法入国を試みた彼らが選択をできることはなく、徒歩で砂漠の国境を抜けて、アメリカ入国することになりました。
各自はトラックの荷台をおりて、水やリュックを手に歩いていきます。
やがて、不法移民の集団は、足の速いグループと遅いグループの2つの集団に別れてしまいます。
モイセスは体力的に弱い男や女性を気遣いながら足の遅いグループの一員となっていました。
その時、突如として先を急いで歩いていたグループに銃弾が撃ち込まれ、先頭を歩いていた1人が犠牲になってしまいます。
何が起きたか分からず、にただただ逃げ惑う彼ら。だが、身の危険を感じた各人はそれぞれの方向に必死に走り逃げます。
遠くからその様子を見つめる謎の狙撃者。彼のスコープに標準のあった標的に淡々と弾丸は撃ち込まれていきます。
モイセスたちは遅れていた高台の場所からも、地獄絵図のような光景ははっきりと見えて震えるばかりでした。
まるで次々に人間狩りをする狙撃者、簡単に命を奪われる落としてしまう不法移民の仲間たち。
乾いた銃声が轟く中、狙撃者は的確に遠くから撃ち抜くことのみを楽んでいます。あっという間に先にいたグループの全てのメンバーは亡き者にされてしまいました。
モイセスたちは自分たちにも身の危険がることを感じ、来た道を走って引き返します。
しかし、狙撃者はそれを見落としてはいませんでした。何よりも彼が大切にする猟犬トラッカーがモイセスたちを見つけていたからです。
走り逃げるモイセスを追いかける狙撃者と猟犬。どこまでもどこまでもシツコく追いかけてくる彼らは、不法入国者のモイセスたちの命を奪うため追いかけていきます。
摂氏50度の極限状況の中で喉を潤す水の確保はなく、戦うための武器も手にしないモイセス。
通信手段すらも持たないモイセスたちは、荒れた大地を必死に走るだけしか選択はなかった。
だが、猟犬トラッカーの追いかける足の速さは、灼熱の砂漠の何よりも恐ろしい光景となって追い込んで来ます。
そして、謎の狙撃者もスコープの照準をモイセスの仲間たちに合わせて、銃弾を打ち込んでいき命を奪っていく…。
いよいよ、生き残ったのはモイセスと女性のみ。恐ろしい猟犬トラッカーと狙撃者は人間狩りは追いかける手を緩めません。
モイセスたちに未への逃走を無事に生き残りことができるのか…。
3.息子ホナス・キュアロン監督が『ゼロ・グラビティ』の生みの親⁈
ホナス・キュアロン監督が『ノー・エスケープ』のアイデアが浮かんで映画として完成するまでに8年の歳月が経ちました。
シノプシス初稿を執筆して父アルフォソンに読んでもらい、様々なアドバイスのフィードバックしてもらったりとしているうちに、父アルフォソンも脱出劇の映画を撮りたいと言い出したそうです。
つまり、脱出劇の設定を砂漠から宇宙に置き換えたのが、父親アルフォンソ・キュアロン監督の『ゼロ・グラビティ』となり、アカデミー監督賞など7部門受賞作にまでなったということです。
親子アルフォンソとホナス共々、映画的な豊かな才能があるのでしょうが、こんなところにネタバレが潜んでそうな匂いがしますね。
さらには、脚本家出身のホナス監督は、「映画を物語としてとらえている。初めは脚本家として何度も書き直して、撮影が始まっても俳優やスタッフたちと新たに色々なことに気づいて、また書き直す。」と語るほど、物語のためらな推敲に余念がありません。
この物語を紡ぐ撮影現場を経て、映画の仕上げとなるポスプロに入るとホナス監督は、「物語を書き換える最後のチャンスとなる編集作業も、自分にとってとても大事だ」と物語への執着に余念がありません。
さらにはこんな逸話もありました。
ホナス・キュアロン監督は、父プロデューサーのアルフォンソに助言を求めて聞き入れはしたものの、とても拘りを主張したのが猟犬の出演です。
ホナス監督は父アルフォンソと叔父カルロスに撮影が困難な犬の部分はなくした方がいいとアドバスを受けますが、最終的には聞き入れませんでした。
それは彼が最も重要なキャラクターの1つだと考えていたからです。それこそがサムの飼い犬トラッカーなのです。
劇中では、モイセスたちを追いつめる恐怖の存在として描かれる犬。ホナス監督は出演させる犬を、色々な場所に出向き探し歩いたそうです。
しかし、結局は演技指導の訓練を受けた犬は使用せず、警備訓練を受けた犬を見つけて出演の選択をしました。
そこでもまた、犬を観察した経過に感じたアイデアを活かし、実際に犬と会ってからも脚本のアイデアを書き直したそうです。
物語の面白さを追求して手を抜かないホナス監督の姿勢は素晴らしいですよね。
さて、今回の『ノー・エスケープ』のネタバレは「犬」がポイントなのです!
それを次の章でネタバレヒントとして解説していきましょう。
4.短編映画『Aningaaq』のイヌイット犬に注目だ!
『ゼロ・グラビティ』のスピンオフ作品にネタバレを発見!
『ゼロ・グラビティ』のスピンオフ作品の後半シーンと、『ノー・エスケープ』とあることが密接にリンクしています。
白銀の雪と氷に閉ざされた極寒のグリーンランド。イヌイットのアニンガは謎の無線をキャッチします。
「ヒューストン、こちらライアン・ストーン。聞こえますか?」と繰り返すその声の主は、宇宙で事故に合い無線で助けを求める宇宙飛行士ライアンでした。
『ゼロ・グラビティ』の本編では、イヌイットのアニンガ側の様子は一切描かれずいました。
しかし、孤独な宇宙で独りきりのライアンが、世界で唯一この世界の片隅で繋がっていた瞬間を印象的に描いたのが、スピンオフ短編映画『Aningaaq』。
それらの一部始終をアニンガの視点から見ることが出来る作品で、映画ファンにとっては、オマケ的なお宝映像ですよね。
また、ビジュアルセンスも抜群で、宇宙空間の闇と対比させるように白い極寒の世界グリーンランドにした場面設定もお見事。
『ゼロ・グラビティ』と『Aningaaq』のどちらも人間の生きる生命への執着と、強靭な意志の尊さを両面から1つの世界観として融合させる別の切り口で見せたのです。
さて、そんなこの短編映画。犬がどのような要素として登場したか?それが『ノー・エスケープ』のサムの飼い犬とネタバレで繋がっています。
もう、わかりましたよね。正確に見せてはいませんが、あの銃声は?犬は…?ネタバレのヒントですよ!
それこそが『ノー・エスケープ』のモイセスが生き残る唯一の道なのです。
まとめ
『ノー・エスケープ 自由への国境』は2017年5月5日から全国公開順次公開されます。
東京の5月5日上映館はTOHOシネマズシャンテ、シネマート新宿、TOHOシネマズ西新井。
また、同日の愛知上映館はTOHOシネマズ名古屋ベイシティ、センチュリーシネマにて上映、大阪は大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんばにて上映です。
ぜひ、お見逃しなく!