朝倉あき主演の映画『四月の永い夢』は、5月12日より新宿武蔵野館ほか全国で順次ロードショー。最年少
第39回モスクワ国際映画祭にてダブル受賞を果たした本作の演出を務めたのは、東京国際映画祭2年連続入選を果たした中川龍太郎監督。
国内外の映画祭で話題を集めた本作のキャストに、主演の朝倉あさのほかに、三浦貴大、川崎ゆり子、高橋惠子、志賀廣太郎も出演。
実力の演出を示した中川龍太郎監督と、存在感のある演技を見せたキャストに注目は必至!
CONTENTS
映画『四月の永い夢』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【脚本・監督】
中川龍太郎
【キャスト】
朝倉あき、三浦貴大、川崎ゆり子、高橋由美子、青柳文子、森次晃嗣、志賀廣太郎、高橋惠子
【作品概要】
『走れ、絶望に追いつかれない速さで】で知られる中川龍太郎監督が自ら脚本を手がけ、第39回モスクワ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評連盟特別表彰のW受賞したヒューマンドラマ作品。
ヒロイン初海役に高畑勲作品『かぐや姫の物語】でかぐや姫の声優を務めた朝倉あき、初海に恋する志熊役を三浦貴大が演じています。
朝倉あさのプロフィール
朝倉あき(あさくらあき)は、1991年9月23日に神奈川県生まれの俳優。日出高等学校を卒業。
2006年に第6回東宝シンデレラオーディションに応募すると、最終選考まで残り、受賞は逃すが東宝芸能に所属します。
2007年に、NHKBShi『わたしが子どもだったころ「女優・斉藤由貴」』で、女優デビューを果たし、2008年に松岡錠司監督作の『歓喜の歌』でスクリーンデビューを果たします。
2010年にドラマ『とめはねっ! 鈴里高校書道部』でテレビドラマを初主演を果たし、同年に連続テレビ小説『てっぱん』で朝の連続テレビ小説に初出演し、ヒロインの親友役を演じました。
映画『かぐや姫の物語』(2013)
2013年には、高畑勲監督の映画『かぐや姫の物語』で、ヒロインのかぐや姫の声優に抜擢。
そのほか舞台やラジオなどにも活動の幅を広げています。
朝倉あきは映画に興味を持たれたファンに、このようなメッセージを贈っています。
「新たな作品に臨むときに、その監督の見る世界を同じように見ることができたらいいのにといつも思いますが、今回ほど強くもどかしく感じたことはありません。
それほどまでに中川監督の映画には、誰しもが抱きながら誰も描いたことのないような、痛いほどに鋭く、そして優しい世界が広がっています。そんな世界を是非、多くの方に観て頂きたいです」
朝倉あきが女優として、もどかしいまでに役に挑んだ本作。
今後さらなる女優に成長するだろう前に、まずは第39回モスクワ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰のダブル受賞を果たし、ロシア人を魅了した朝倉の演技に注目ですね!
中川龍太郎監督のプロフィール
初監督作品『Calling』(2012)
中川龍太郎(なかがわりゅうたろう)は、1990年1月29日に神奈川県で生まれた、映画監督。
詩人としても活動し、2007年の17歳のときに詩集「詩集 雪に至る都」を出版し、やなせたかし主催の「詩とファンタジー」年間優秀賞受賞します。
2012年に中川が初監督を務めた映画『Calling』は、ボストン国際映画祭で最優秀撮影賞受賞。
また同年の映画『雨粒の小さな歴史』は、ニューヨーク市国際映画祭に入選を果たします。
『愛の小さな歴史』(2014)
2014年の作品『愛の小さな歴史』は、東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に正式出品され、2015年作品『走れ、絶望に追いつかれない速さで』と、2年連続を果たします。
本作『四月の永い夢』は、第39回モスクワ国際映画祭コンペディション部門に正式出品されると、国際映画批評家連盟賞、ロシア映画批評家連盟特別表彰をダブルで受賞の快挙。そのほかにも第19回台北映画祭、第10回バンガロール国際映画祭でも正式出品されました。
映画『四月の永い夢』のあらすじ
3年前に働いた中学校の音楽教師を辞めた、27歳の滝本初海。
彼女は近所のそば屋でアルバイト従業員として働き、生計を立てていました。
ある日、初海に1通の手紙が届きます。
3年前の春、亡くなった恋人が初海に向けて書き遺したものでした。
この舞い込んだ手紙をきっかけに、繰り返されるだけの初海の日々に変化の兆しが生じ…。
映画『四月の永い夢』の感想と評価
言葉を持つ詩人の強み中川龍太郎
映画監督としてだけでなく、若干17歳で詩集「詩集 雪に至る都」を出版した詩人としての一面を見せる中川龍太郎。
言葉に思いを込める表現力が、これまでの映画作品の映像にも十分に発揮されて魅力を見せてきました。
詩人から映画監督になった日本人を振り返れば、誰もが知る歌人の寺山修司や「ガガガ」詩人であった園子温の2人が挙げられるでしょう。
この2人も世界的に活躍を見せたことで知られますが、中川龍太郎監督は本作『四月の永い夢』が凄い!
世界四大映画祭モスクワの快挙
モスクワ国際映画祭は、あなたもご存知の映画祭であろう、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアに並ぶ、“世界四大映画祭”のひとつと称されます。
モスクワで2年に度開催される映画祭には、過去に日本人の各賞受賞者もおり、映画監督で言えば、吉村公三郎、新藤兼人、浦山桐郎、羽仁進、山本薩夫、黒澤明、今井正、小栗康平といった、かつて日本映画の繁栄を支えた錚々たる重鎮の監督がいます。
映画祭当時に弱冠27歳の中川龍太郎監督は、最優秀作品賞を逃すものの、やはり見事な快挙と言えるでしょう。
中川龍太郎監督は、受賞会見でこのように語っています。
「今の日本は表では平和に見えるが、同時に生きている実感を持ちづらい社会。そんな中で、悲しみややりきれなさを抱えながらも、どのように次のステージへ向かっていけるのかということを静かなトーンで描きたかった」
“生きている実感を持ちづらい社会”という日本で中川監督に、映画ファンとして期待することは大きのではないでしょうか。
完成されたパッケージの商業的な映画を制作する大切さもあるが、記者会見で中川監督の述べた日本人の抱える「悲しみややりきれなさ」という、今を映画に焼き付けることは、次に繋がる一過性ではない確実な表現なのです。
女優朝倉あきが演じた恋人を亡くしたひとりの女性初海。
彼女の喪失感、そして過去の心の棘から解放されていく様子を、派手でなく、誠実に見つめた詩人で映画監督の中川龍太郎監督の若き才能に要注目です!
『四月の永い夢』の冒頭映像
本作の公開する劇場は
【北海道地区】
北海道 札幌シアターキノ 6/9(土)〜
【東北地区】
宮城 フォーラム仙台 7/27(金)〜
【関東地区】
埼玉 イオンシネマ大井 6/23(土)〜
千葉 千葉劇場 7/14(土)〜
東京 新宿武蔵野館 5/12(土)〜
東京 立川シネマシティ 5/12(土)〜
神奈川 シネマジャック/ベティ 5/12(土)〜
栃木 宇都宮ヒカリ座 8/25(土)
栃木 Bold”>小山シネマロブレ 7/21(土)
【中部地区】
富山 JMAX THEATERとやま 5/12(土)〜
石川 シネモンド 6/16(土)〜
静岡 静岡シネギャラリー 6/9(土)〜
愛知 伏見ミリオン座 6/2(土)〜
三重 伊勢進富座本館 6/23(土)〜
【近畿地区】
京都 出町座 5/12(土)〜
大阪 シネ・ヌーヴォ 5/12(土)〜
兵庫 神戸元町映画館 5/12(土)〜
【中国・四国地区】
岡山 シネマクレール丸の内 086-231-0019 7/7(土)
香川 ホール・ソレイユ 087-861-3366 7/14(土)
【九州・沖縄地区】
福岡 KBCシネマ 6/16(土)〜
宮崎 宮崎キネマ館 6/30(土)〜
鹿児島 天文館シネマパラダイス 7/7(土)〜
*上記の劇場は5月8日現在ものです。作品の特性上、セカンド上映や順次公開される映画館が拡大されることも予想されます。お近くの劇場をお探しの際は、必ず公式ホームページでご確認ください。、
まとめ
本作『四月の永い夢』の冒頭は、「世界が真っ白になる夢を見た」という初海のモノローグから始まります。
中川龍太郎監督は、映画の冒頭について、撮影当時の現場をこのように振り返っています。
「春の霞が立ち込める中、桜と菜の花に囲まれた世界にぽつりひとり、喪服を着た女性が立ってこちらを見ている。そのイメージが浮かび上がったときに今回の映画を撮ることが自分の中で決まりました。撮影したのは2年前の春真っ盛り。撮影した午前中だけ見事に光が差しました。あの日に吹いた風を、是非劇場の暗闇の中で多くの方と共有できたらこんなに幸せなことはありません」
あなたは中川龍太郎監督の見つめた“この日の風”、そして朝倉あきの“真っ白にある夢”という心の表情に、どのような「言葉(詩)」を見つけますか。
モスクワ映画祭でW受賞の快挙に輝いた、映画『四月の永い夢』は、5月12日より新宿武蔵野館ほか全国で順次ロードショー。
ぜひ、女優朝倉あき、中川龍太郎監督の若き才能を、お見逃しなく!