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Entry 2018/11/11
Update

映画『ソフィーの選択』ネタバレ感想。メリル・ストリープ代表作にして初のアカデミー主演女優賞作品

  • Writer :
  • もりのちこ

作家志望のスティンゴは、終戦から2年後の1947年、ニューヨーク市ブルックリンで、美しい女性ソフィーとその彼氏ネイサンと出会います。

次第に仲良くなる3人。

しかし、ソフィーとネイサンには、ナチス・ドイツ軍のホロコーストによる辛い経験がありました。その過去は彼女たちを苦しめ続けます。

ソフィーがしてきた人生の選択とは…。そして3人が下した未来の選択とは?

メリル・ストリープがアカデミー主演女優賞を初受賞した映画『ソフィーの選択』をご紹介します。

映画『ソフィーの選択』の作品情報

【公開】
1982年(アメリカ映画)

【原作】
ウイリアム・スタイロンの同名小説

【監督】
アラン・J・パクラ

【キャスト】
メリル・ストリープ、ケビン・クライン、ピーター・マクニコル、リタ・カリン、スティーブ・D・ニューマン、ジョシュ・モステル、ジョセフ・ソマー、グレン・ターケン、ロビン・バートレット、ジョン・ロスマン、デビッド・ウォール

【作品概要】
ウィリアム・スタイロンが1979年に著書し、米国で印刷、文学、作曲に与えられる最も権威のある賞、ピュリツァー賞を受賞した同名小説の映画化。

南部から出てきた作家志望のスティンゴと、美しいポーランド人女性・ソフィーとその恋人ネイサン、彼ら3人の愛と友情を描いた物語です。

この映画で、メリル・ストリープはアカデミー主演女優賞を初受賞しています。

映画『ソフィーの選択』のあらすじとネタバレ


第二次世界大戦が終結した2年後。

1947年のニューヨーク市ブルックリンで、南部から出てきた作家志望のスティンゴ(ピーター・マクニコル)と、美しいポーランド女性・ソフィー(メリル・ストリープ)、ソフィーの彼・ネイサン(ケビン・クライン)の3人は出会います。

南部から作家志望で引っ越してきたスティンゴは、外から聞こえてくる男女の喧嘩する声に、様子を見に向かいます。そこには、ソフィーを罵り怒鳴るネイサンがいました。ネイサンは、スティンゴにも「お前が田舎者か」と絡み、飛び出していきます。

最初の出会いこそ酷いものでしたが、お詫びに呼ばれた朝食会でスティンゴは、ユーモアがあり魅力的な2人に惹かれていきます。

スティンゴが聞いた2人の馴れ初めはこうでした。

ポーランド人のソフィーはナチスにより強制収容所に入れられた経験があり、腕には囚人番号の烙印が押されていました。

当時のことは多く語らないソフィーでしたが、大学教授だった父親はユダヤ人を助けようとしていた文明人で、その父と助手だった夫が、ドイツ軍に拉致され処刑されたこと、自分も強制収容所に入れられこと、その後の人生はつらくキリスト教にもかかわらず自死を考えたこと。ソフィーの人生が語られます。

ネイサンは、ユダヤ人でした。製剤会社に勤める生物学者で、強制収容所から解放されて渡米したソフィーが疲労の末、貧血で倒れていた所を救った命の恩人でした。

ソフィーとネイサンはとても強い愛情で結ばれているようでしたが、どこか危うさがありました。ある日スティンゴは、2人が寄り添い「僕たちは死ぬんだ」と言い合っているのを目撃します。

どこか堕落的で、しかしその反面、今を生きていることを楽しむ2人の姿にスティンゴは、宿命的な魅力を感じずにはいられませんでした。

ある日、庭でランチをするスティンゴとソフィーのもとに、感極まった様子のネイサンが駆けつけます。「時代を超えた医学的な発見をしたんだ。今夜はお祝いパーティーだ」と言い残し、仕事に戻ります。

その夜パーティーの用意をするスティンゴとソフィー。玄関からネイサンの帰ってきた音が聞こえます。シャンパンを開け、ネイサンを迎え入れます。

しかし、帰ってきたネイサンは一変、2人に怒り始めます。ソフィーの浮気を疑い罵るネイサン。止めに入るスティンゴにも、お前の作品は駄作だと怒鳴り散らします。

次の日スティンゴは、帰ってこないソフィーを心配し、彼女の知り合いのいるという大学へ向かいます。そこでスティンゴは、ソフィーの父についての真実を知ることになります。

以下、『ソフィーの選択』ネタバレ・結末の記載がございます。『ソフィーの選択』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
嘘をつかれていたことにショックを受けたスティンゴは、戻ったソフィーに訪ねます。「なんで嘘を?」「独りぼっちになるのが怖かったから。」ソフィーの口から真実が語られます。

ソフィーの父と夫は、ナチス信奉者で、反ユダヤ主義者でした。父のユダヤ人全滅の演説を聞き恐ろしくなったソフィーは、ワルシャワに逃げ愛人と暮らします。しかし、彼の姉が抵抗軍だったことで捕らえられ、2人の子供と一緒に、アウシュヴィッツ強制収容所へと連行されてしまいます。

2人の子どものうち、息子は強制労働収容所に、娘は焼却炉へと。あまりにも悲惨な出来事でした。

一気に話したソフィーは疲れ果て、スティンゴの腕の中で休みます。

独りぼっちになったソフィーは、今のユダヤ人のネイサンとの幸せを壊したくない一心で、嘘を付き通していました。

ネイサンがソフィーの元へ戻ってきました。ソフィーにプロポーズをするネイサン。やっと2人の明るい未来の扉が開こうとしています。

そんなある日、スティンゴの元にネイサンの兄から連絡がはいります。ネイサンの兄を訪ねるスティンゴ。そこで衝撃的な事実を聞かされることになります。

ネイサンは、妄想性分裂症でした。

精神障害者のネイサンは生物学者ではなく、図書館で簡単な仕事をしていました。兄いわく、麻薬の心配もあるので定期的に様子を知らせて欲しいと、お願いされるスティンゴ。

その矢先、事件は起きました。

加速するネイサンの妄想。ソフィーとスティンゴの仲を疑うようになったネイサンは、銃を持ちだし2人を脅します。

スティンゴは、ネイサンからソフィーをかばい一緒に逃げます。今後のことを迷うソフィーにスティンゴは、「2人で故郷の南部で農場をやろう。結婚してほしい」と告白します。

ソフィーは真っすぐに思いを伝えてくれるスティンゴに、一度は答えようとします。しかし、ソフィーは、自分は幸せにはなれない。なってはいけない。と思っていました。

その理由は、ソフィーのこれまでの人生の選択にありました。スティンゴにすべてを告白するソフィー。

それは、ソフィーが2人の子供と共にアウシュヴィッツ強制収容所へ連行された時でした。

ドイツ軍将校に声をかけられたソフィーは、子供たちを救おうとドイツ語で身の潔白を訴えます。

しかし、将校は「2人のうち、どちらを生かすか選べ。さもないと2人とも焼却炉行きだ」と、ソフィーにもっとも悲惨な選択を迫ります。

連れ去られる子供たち。ソフィーは追い込まれ、残酷な選択をします。

「連れていくのは娘にして下さい。」

自分だけ生き残ってしまった罪悪感と自分の下した選択でソフィーは、生きながらも苦しんでいました。

朝、スティンゴが目を覚ますと、隣にソフィーはいません。「あなたは幸せになれる人。幸せになって」と置手紙を残して消えたソフィー。

スティンゴはソフィーを探して、アパートへ戻ります。そこには、たくさんの人だかりと警察車両が止まっていました。

震える体を押さえながらアパートの部屋を覗くスティンゴ。そこにはベッドで抱き合うように死んでいるネイサンとソフィーの姿がありました。

2人はまるで眠っているかのように穏やかな顔をしていました。

映画『ソフィーの選択』の感想と評価

人生は選択の繰り返しです。

ソフィーの場合は、残酷すぎる選択が、その後の彼女の人生を苦しめ、命そのものを奪ってしまいました。

戦争という悲惨な出来事がもたらした負の連鎖。それでもこれは、戦争のほんの一遍に過ぎないのではないでしょうか?

戦争映画とは違って、戦争の場面は直接描かれていないにも関わらず、悲しみが深く伝わってくる映画です。

人種や宗教の違いで迫害を受け、人生の辛い選択を強いられてきたソフィーが、最後に死を選んだことは残念な結末です。

しかし、痛みや穢れから逃れ、もう選択を迫られることがない世界へ旅立った穏やかな死に顔が印象的でした。

ストーリーはどこか物悲しく、詩的で抒情的です。

映画の途中に散りばめられた、美しい詩の一篇やキラキラ輝く自然が、生と死を隔てているかのように胸のざわめきを連れてきます。

まとめ

米国の文学に与えられる最も権威のある賞、ピュリツァー賞を受賞した、ウィリアム・スタイロンの同名小説を映画化した『ソフィーの選択』を紹介しました。

タイトルにもあるように、ソフィーの選択した人生を描いた物語です。

生きるために、非道な選択を強いられてきた女性の深い悲しみを、メリル・ストリープが物憂げな演技で魅了します。

メリル・ストリープはこれまで、アカデミー賞に21回ノミネート、3回受賞を果たしている偉大な女優です。

そんな彼女が、初の主演女優賞を受賞した作品『ソフィーの選択』、ぜひご覧ください。

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