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『グレイ・ミッション』あらすじ感想と評価考察。英米のエリートが法で裁けぬ巨悪に戦いを挑むバディ・アクション【すべての映画はアクションから始まる59】

  • Writer :
  • 松平光冬

連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』第59回

日本公開を控える新作から、カルト的に評価された知る人ぞ知る旧作といったアクション映画を時おり網羅して、ピックアップする連載コラム『すべての映画はアクションから始まる』。

第57回は、2026年8月21日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開の『グレイ・ミッション』

『スナッチ』(2000)、『コードネーム U.N.C.L.E.』(2015)のガイ・リッチー監督・脚本、ヘンリー・カヴィル、ジェイク・ギレンホールダブル主演で贈るバディアクションです。

【連載コラム】『すべての映画はアクションから始まる』記事一覧はこちら

映画『グレイ・ミッション』の作品情報


(C)2026 HACIEDA PRODUCTIONS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

【日本公開】
2026年(イギリス・アメリカ映画)

【原題】
In the Grey

【製作・監督・脚本】
ガイ・リッチー

【共同製作】
ジョン・フリードバーグ、アイバン・アトキンソン

【製作総指揮】
オルガ・フィリプク、ジョシュ・ハリス、テディ・シュワルツマン、マイケル・ハイムラー、ジル・シルフェン、リュウェリン・ラドリー

【撮影】
エド・ワイルド

【編集】
マーティン・ウォルシュ

【衣装】
スザンナ・マストロヤンニ

【音楽】
クリス・ベンステッド

【キャスト】
ヘンリー・カヴィル、ジェイク・ギレンホール、エイザ・ゴンザレス、ロザムンド・パイク

【作品概要】
「シャーロック・ホームズ」シリーズ(2009~11)のガイ・リッチーが製作・監督・脚本を手がけたアクション。アメリカ海軍とイギリス海兵隊のエリートがタッグを組み、法で裁けぬ巨悪に戦いを挑む姿を描きます。

リッチー監督作『コードネーム U.N.C.L.E.』、『アンジェントルメン』(2025)のヘンリー・カヴィルと、同じくリッチー監督作『コヴェナント 約束の救出』(2024)のジェイク・ギレンホールがダブル主演。

共演に、『アンジェントルメン』のエイザ・ゴンザレス、『プライベート・ウォー』(2019)のロザムンド・パイク。

映画『グレイ・ミッション』のあらすじ

(C)2026 HACIEDA PRODUCTIONS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

裏社会専門のエージェントコンビである、元イギリス海兵隊のシドと、元アメリカ海軍のブロンコ。彼らは敏腕弁護士レイチェルに雇われ、投資銀行が貸し付けた10億ドルを奪って姿を消した独裁者サラザールから、すべてを奪い返す任務に挑むことに。

法も正義も通用しない“グレイゾーン”に潜り込んだ2人は、盗聴や潜入、資産差し押さえなど手段を選ばないやり方で、独裁者の巨大帝国を内側から崩壊させていきます。しかし任務成功目前で、レイチェルがサラザールに捕まってしまいます。

金とレイチェル奪還のため、シドとブロンコはサラザールの支配下にある孤島へと乗り込んでいきます…。

ガイ・リッチー十八番のバディアクション

(C)2026 HACIEDA PRODUCTIONS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

長編デビュー作の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)に始まり、『スナッチ』、『アラジン』(2019)、2020年代以降も『キャッシュトラック』(2021)、『オペレーション・フォーチュン』(2023)、『コヴェナント 約束の救出』、『アンジェントルメン』と、2年に1本、時には1年に2本という驚異的ペースで新作を発表するガイ・リッチー監督。

リッチーといえば、クールでスタイリッシュ、軽妙なユーモア、そしてスリリングな作風が特徴ですが、さらに言うと、バディアクション・ムービーの名手でもあります。

探偵と医師コンビの「シャーロック・ホームズ」シリーズや、アメリカCIAとソ連KGBコンビの『コードネーム U.N.C.L.E.』など、経歴も性格も異なる者同士がバディを組む作品に定評がある彼が2026年に放つ本作『グレイ・ミッション』は、元イギリス海兵隊(SBS)と元アメリカ海軍(Navy SEALs)の2人のエキスパートが主人公。

冷静沈着で戦術に長けたSBSのシドと、並外れた戦闘能力を誇るNavy SEALsのブロンコ。イギリスとアメリカ、知性と本能、法と暴力を象徴する2人の対比による化学反応が見ものの、まさにリッチーの十八番といえる内容です。

キャスト陣も、シド役のヘンリー・カヴィルにブロンコ役のジェイク・ギレンホール、加えてシドとブロンコを雇う弁護士レイチェル役のエイザ・ゴンザレスと、過去にリッチー作品に参加した俳優が集結。

リッチー特有の即興演出を知り尽くす面々だからこその、息の合ったミッションが繰り広げられます。

“グレイゾーン”の実態と“脱出アクション”の再定義


(C)2026 HACIEDA PRODUCTIONS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

『グレイ・ミッション』では、リッチーが長年興味を抱いていたという“金融の闇”“実務的な強制力”に焦点を当てています。

国際金融の裏側で密かに行われる資産隠匿、名義のすり替え、政治的圧力、そして国家レベルの駆け引きといった未知の領域を描くべく、リッチーは国際法の現場で働く弁護士たちから、合法と非合法の境界線が曖昧になる“グレイゾーン”の実態を徹底的にリサーチし、脚本に起こしました。

もう一つリッチーがこだわったのが、“脱出アクション”の再定義。クライマックスでの孤島からの脱出は、複数のルートを巡る緻密なシークエンスを構築。「10分以内に島から人を救い出す方法をいくつ考えられるか。それが楽しかった」と語るように、本作のアクションの核となっています。

(C)2026 HACIEDA PRODUCTIONS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

投資銀行から10億ドルを奪って姿を消した独裁者サラザールから全額を奪還するという、あまりにもグレイなミッションに挑み、成功寸前までいったシドとブロンコ。

ところが、報復としてレイチェルをさらわれた2人は、サラザールの支配下にある孤島に乗り込んでいきます。

成功率0%、1秒の判断ミスが死に直結する極限状況の中、リミッターを解除し、仲間を救うための最後の戦いに挑む英米のエキスパートたち。

リッチーの新境地となるダイナミズム巨編、ぜひともご堪能下さい。

次回の『すべての映画はアクションから始まる』もお楽しみに。

【連載コラム】『すべての映画はアクションから始まる』記事一覧はこちら

松平光冬プロフィール

テレビ番組の放送作家・企画リサーチャーとしてドキュメンタリー番組やバラエティを中心に担当。『ガイアの夜明け』『ルビコンの決断』『クイズ雑学王』などに携わる。

ウェブニュースのライターとしても活動し、『fumufumu news(フムニュー)』等で執筆。Cinemarcheでは新作レビューの他、連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』『すべてはアクションから始まる』を担当。(@PUJ920219



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