映画『あの試合』は第39回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門で上映!
1986年のFIFAサッカーワールドカップ(W杯)のアルゼンチン対イングランド戦に着目したドキュメンタリー『あの試合』が、第39回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門として上映されました。
マラドーナの“神の手”ゴール、“5人抜き”ゴールで知られる、伝説的試合を多角的視点で描きます。
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映画『あの試合』の作品情報

©2026 TIFF
【日本上映】
2026年(アルゼンチン・スペイン合作映画)
【原題】
El Partido(英題:The Match)
【監督・脚本】
フアン・カブラル、サンティアゴ・フランコ
【製作】
フリエタ・フェルナンデス・カスタニーノ、フェルナンダ・ペレス、ジョナタン・モンロイグ
【原作】
アンドレス・ブルゴ
【撮影】
パブロ・ガジェゴ
【編集】
ルーカス・コッポレッキア、セバスティアン・ファサネッリ、フアン・パブロ・スカリオーネ、マウロ・カポロッシ
【キャスト】
ゲーリー・リネカー、ホルヘ・バルダーノ、オスカル・ルジェリ、ピーター・シルトン、ジョン・バーンズ、リカルド・ジュスティ、フリオ・オラルティコエチェア
【作品概要】
1986年のメキシコで行われたW杯準々決勝・アルゼンチン対イングランド戦にフィーチャリングしたドキュメンタリー。
『マラドーナ!―永遠のサッカー少年“ディエゴ”が話すのを聞いた』などを上梓したスポーツジャーナリスト、アンドレス・ブルゴのノンフィクションを映画化しました。
第79回カンヌ国際映画祭の「カンヌ・プレミア」部門で上映され、日本では2026年の第39回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で、第23回ラテンビート映画祭IN TIFFとの共催で上映されました。
映画『あの試合』のあらすじ

©2026 TIFF
ディエゴ・マラドーナの“神の手”ゴール、“5人抜き”ゴールで知られる、1986年メキシコW杯準々決勝・アルゼンチン対イングランド戦。
両国には、長い歴史と対立の関係がありました。
大量のアーカイブ映像を使用するとともに、当時のイングランド代表選手だったゲーリー・リネカー、マラドーナの同僚だったホルヘ・バルダーノなど、両チームの元選手たちが登場。歴史に残る試合の因果関係を検証・考察します。
100年以上前から始まっていた「アルゼンチン対イングランド」
「W杯史上において印象深い試合は?」と問われた際、1986年6月22日のメキシコ大会準々決勝のアルゼンチン対イングランド戦が挙がることに異議を唱える人は、おそらく皆無でしょう。
当時25歳のアルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナが、“神の手”と、60メートルを疾走して5人を抜いて決めた2得点は、後世に語り継がれる偉業と言えます。
本作『あの試合』は、その伝説的試合を振り返るドキュメンタリーですが、面白いのは両国の因果関係を、100年以上も前から検証・考察していく構成となっている点にあります。

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1982年4月2日、南大西洋のイギリス領フォークランド諸島(スペイン語名:マルビナス諸島)の領有を巡ってイギリスとアルゼンチンの間で起きた、いわゆる「フォークランド紛争」。
元々は、1833年からアルゼンチンが島の領有権を主張していたことが火種となっていましたが、フォークランド諸島に侵攻したアルゼンチンに対し、イギリスは海軍を派遣して奪還。以降、両国の関係は悪化の一途をたどることに。
とりわけサッカーにおいて両国はフォークランド紛争よりも前に緊張関係にあり、1966年のW杯イングランド大会準々決勝では2人が退場。
「ウェンブリーの戦争」と呼ばれるほど荒れたこの試合で審判を務めたケネス・アストンは、これをきっかけにイエローカードとレッドカードを考案したほどです(優勝はイングランド)。
「サッカーに政治は関係ない」のか

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そうした過去の因縁を踏まえつつ、ゲーリー・リネカー、ホルヘ・バルダーノ、オスカル・ルジェリ、ジョン・バーンズといった86年のアルゼンチン対イングランド戦に臨んだ元プレイヤーたちによる試合解説は大きな見どころ。
2020年に亡くなったマラドーナの、“神の手”ゴールについていまだ思うところあるイングランド勢ですが、“5人抜き”については素直に称賛の声を上げます。
試合後、「試合前、『サッカーはマルビナス戦争(=フォークランド紛争)とは関係ない』と言った。でも戦争で多くのアルゼンチン人少年が、まるで小鳥のように殺されたことは知っていた。この勝利は復讐でもあった」と語ったマラドーナ。
「サッカーに政治は関係ない」とはよく言われますが、やはり心情的に割り切ることは容易くはないのかもしれません。
この大会で優勝したアルゼンチンは、2022年に2度目の優勝をはたすも、イングランドは1966年以降、優勝戦にも進めていません。

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マラドーナにすべてを持っていかれた印象が強い、86年のアルゼンチン対イングランド戦。ですがその一方で、イングランドもアルゼンチンにささやかな(?)意趣返しをしていたという考察も。
ほかにも、ロックバンドのクイーンがアルゼンチン全体にもたらした気運、アルゼンチンチームのユニフォームに隠された逸話、そして“神の手”発言の真偽など、トリビア的観点も盛り込まれています。
サッカーに詳しくない方でも興味深く観られる作りとなっている本作。何らかの形での一般公開を望みたいところです。
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松平光冬プロフィール
テレビ番組の放送作家・企画リサーチャーとしてドキュメンタリー番組やバラエティを中心に担当。『ガイアの夜明け』『ルビコンの決断』『クイズ雑学王』などに携わる。
ウェブニュースのライターとしても活動し、『fumufumu news(フムニュー)』等で執筆。Cinemarcheでは新作レビューの他、連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』『すべてはアクションから始まる』を担当。(@PUJ920219)
































