Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

サスペンス映画

Entry 2026/05/23
Update

『健康ちえのわトランポリン教室』あらすじ感想評価。結末で至る“幸せ”の真実は?⽯川皓⼀監督の初長編作は日常を侵蝕するサイコセラピー・スリラー

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

映画『健康ちえのわトランポリン教室』は2026年6月27日(土)池袋シネマ・ロサで劇場公開!その後、7月18日(土)大阪シアターセブンで劇場公開!

一見すると優しい夫の“守るべき妻”でいることに疲れ、自分を見失っていた妻は、奇妙な習い事「ちえのわトランポリン」を通して“心のスキマ”を向き合おうとします。

ぴょん、ぴょん、かちゃ、かちゃ……習い事は次第に日常を侵食し、予想もしない“救済”に夫婦は巻き込まれていくのでした。

監督は、プロデューサーの宮沢大と共に映像制作団体「平成ナヌーク」を立ち上げ、本作が初長編作品となった石川皓一。

構想に2年、完成まで3年を費やした本作は、観客の心をも侵食するサイコセラピー・スリラー。

映画『健康ちえのわトランポリン教室』の作品情報


(C)HEISEI NANOOK

【日本公開】
2026年(日本映画)

【監督・脚本・編集】
⽯川皓⼀

【プロデューサー】
宮沢⼤

【キャスト】
⽥野真悠、下遠航、⾹賀隆乃、岡凛、佐々⽊敦⼦、⽟城琉太、鷲⽥五郎、志村宗⼀郎、Sawa、桜井和華、⼤天裕亮、福⼭⾹温、⼩枝花野、⼋嶋澄、SHUON

【作品概要】
心のスキマを埋めようと平凡なs主婦が出会ったのが、人々を《楽園》に誘う奇妙な習い事教室「健康ちえのわトランポリン教室」。教室では何が行われているのでしょうか……。

謎めいているけれどどこか引き寄せられてしまうサイコセラピー・スリラーを手掛けたのは、本作が初長編作となる⽯川皓⼀。⽯川皓⼀監督は、プロデューサーの宮沢⼤と共に映像制作団体「平成ナヌーク」を立ち上げ、本作を制作しました。構想に2年、制作に3年かかった本作は、十三下町映画祭にて準グランプリを受賞しました。

【公式サイト】
映画『健康ちえのわトランポリン教室』上映情報・最新情報
Cinemago公式サイト →

映画『健康ちえのわトランポリン教室』のあらすじ


(C)HEISEI NANOOK

結婚2年目の専業主婦・結依は、夫・恒平、そして日常からの悪意なき暴力に傷つきながらも、表面上は平穏な生活を送っていました。

ある日、結依は街中で「健康ちえのわトランポリン教室」を見つける。奇妙な名前と“習いごと”の内容とは裏腹に、結依は“先生”や教室に通う仲間たちのおかげで、今まで押し殺してきた“本当の⾃分”と向き合い始めます。

⼀⽅で、ある⼈物から「真実」を告げられた恒平は、結依にも隠し通してきた心の傷に苛まれていきます。

「教室に通うのは辞めてくれ」「私に命令しないで」……。

“かけがえのない自分”を求めて慰め合っていたはずの二人の関係は綻び始め、日常に潜んでいた闇に飲み込まれていきます。

映画『健康ちえのわトランポリン教室』の感想と評価


(C)HEISEI NANOOK

「“健康ちえのわトランポリン”とは?」「一体教室では何をやっているのか?」……もし、あなたが「健康ちえのわトランポリン教室」を見つけたらどうするでしょうか。

見るからに怪しげな教室なので近づかないと思う人もいるでしょう。また、吸い寄せられ、好奇心でのぞいてみる人もいるかもしれません。

結婚2年目の専業主婦・結依。表面上は穏やかな暮らしをしていても、仕事で疲れている夫は結依のことを見ていません。

ただ“守られるべき”妻でいること、子供を望む両親……様々な不安を抱え、夫や他者からの言葉に傷つく結依は、心のスキマを埋めるものをどこかで求めていたのでしょう。

果たして結依が求めていた救済、結依が思う自分らしさとは何だったのでしょうか。一方で夫は、教室に通い始めて結依が変わり始めたと戸惑いを感じています。

夫婦が巻き込まれていく“救済”とは……観終わったら最後、観客の日常までも侵食されているかもしれません。

ぴょん、ぴょん、かちゃ、かちゃ……そして、メトロノームの音が耳の中に残る、サイコセラピー・スリラー映画『健康ちえのわトランポリン教室』。

本作が浮き彫りにするのは、日常に不安を抱え、何かに縋って救済を求めてしまう人の弱さなのではないでしょうか。

人々は楽園を求め、救いを得ようとします。しかし、楽園など本当にあるのでしょうか、そう思うたいだけなのかもしれません。

しかし、本作の本当の恐ろしさは謎が謎を呼ぶ物語の向かう先にある《楽園》の真実と陰鬱さにあると言えます。

それは「健康ちえのわトランポリン教室」に参加した人にしか得られない真実、なのかもしれません……。

まとめ


(C)HEISEI NANOOK

アナタだけの《楽園》を、この教室で見つけませんか?

怪しげだけれど、どこか引き寄せられてしまう奇妙な習い事教室『健康ちえのわトランポリン教室』。

「“健康ちえのわトランポリン”とは?」「一体どのような習い事なのか」と気になってしまったアナタは、もう本作に自らの日常を侵食されつつあります。

ぴょん、ぴょん、かちゃ、かちゃ……気づけば日常を侵食され恐ろしき救済計画に巻き込まれているかもしれません。

現代社会を巣食う不安や人々の弱さと不穏で陰鬱な空気が包むサイコセラピー・スリラー映画『健康ちえのわトランポリン教室』。衝撃の救済計画の全貌は、ぜひ劇場で。

映画『健康ちえのわトランポリン教室』は2026年6月27日(土)池袋シネマ・ロサで劇場公開!その後、7月18日(土)大阪シアターセブンで劇場公開!

映画『健康ちえのわトランポリン教室』上映情報・最新情報はこちら
Cinemago公式サイト →


関連記事

サスペンス映画

『π<パイ>』あらすじ感想と評価解説。“ザ・ホエール”のダーレン・アロノフスキー監督デビュー作がA24のデジタルリマスターで蘇る

数字にとり憑かれた男の狂気と覚醒を描く脳内サイコ・スリラーがリバイバル上映 『ブラック・スワン』(2011)、『ザ・ホエール』(2023)のダーレン・アロノフスキー監督の長編デビュー作『π<パイ> デ …

サスペンス映画

『L.A.コールドケース』ネタバレ結末感想とあらすじ解説の評価。人気ラッパーの殺害された未解決事件を追う警官をジョニーデップが演じる

1990年代、人気ラッパーの2パックとノートリアス・B.I.G.が殺害された未解決事件を追う刑事と記者を描く 1997年に起きたノトーリアス・B.I.G.の殺人事件を担当したが、解決できず担当を外れた …

サスペンス映画

映画ボーン・アイデンティティー|ネタバレ感想とあらすじ結末の評価解説。マット・デイモンのアクションと“記憶喪失のCIA”の設定光るシリーズの原点

6つの名前と6ヶ国のパスポート……失くした記憶。 「ジェイソン・ボーン」シリーズ第1作! ダグ・リーマンが製作・監督を務めた、2002年製作のアメリカのサスペンス映画『ボーン・アイデンティティー』。 …

サスペンス映画

【ネタバレ感想】映画『ウインドリバー』。実話に秘められた真実を考察

ネイティブアメリカンの保留地で発生した、少女の殺害事件を物語の軸に、アメリカが抱える闇を描くサスペンス映画『ウインド・リバー』。 実際の問題をテーマにした本作の、見どころや作品の背景などをご紹介します …

サスペンス映画

映画『三つ数えろ』ネタバレ感想と結末解説のあらすじ。原作「大いなる眠り」をハワード・ホークスが最高傑作のハードボイルドに仕立てた名画

ハンフリー・ボガート×ローレン・バコール共演ノワール 『三つ数えろ』はレイモンド・チャンドラー原作小説の「フィリップ・マーロウ」シリーズ長編一作目『大いなる眠り』の映画化作品で、ハードボイルドを語る上 …

『還り花』
Cinemago|想像力の海へ、シネマダイビング。
ACT1|次の物語は、人からはじまる。
Cinemagoオンラインショップ|DVD・鑑賞チケット・オリジナルグッズ
『血を吸うスマトラオオコンニャク』
【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学