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Entry 2019/10/12
Update

映画『パペット・マスター』あらすじと感想レビュー。恐怖のカルト・ホラーが生誕30周年記として再始動!

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

スペイン・バルセロナ近郊のリゾート地シッチェスで毎年10月に開催されている映画祭「シッチェス映画祭」。

「シッチェス映画祭」で上映された、選りすぐりの作品を日本で上映する「シッチェス映画祭」公認の映画祭「シッチェス映画祭ファンタステック・セレクション」が、東京と名古屋、大阪で開催されます。

今回は「シッチェス映画祭ファンタステック・セレクション」上映作品となる『パペット・マスター』を、ご紹介します。

映画『パペット・マスター』の作品情報


(C)2018 Cinestate Puppet Master, LLC

【公開】
2019年公開(イギリス・アメリカ合作映画)

【監督】
トミー・ビクルンド、ソニー・ラグーナ

【脚本】
S・クレイグ・ザラー

【キャスト】
ジェニー・ペリサー、ネルソン・フランクリン、シャーリン・イー、マイケル・パレ、アレックス・ベー、スキータ・ジェンキンズ、バーバラ・クランプトン、ウド・キア

【作品概要】
1989年に第1作目が公開され、カルト的な人気を誇るホラーシリーズが、30周年記念作として新たに再始動。

2012年の映画『悪霊のはらわた』の、ソニー・ラグーナとトミー・ビクルンドが監督、2015年に独特の残酷描写が話題になった映画『トマホーク ガンマンvs食人族』で長編デビューした、S・クレイグ・ザラーが脚本を担当しています。

映画『パペット・マスター』あらすじ


(C)2018 Cinestate Puppet Master, LLC
漫画家のエディは、妻と離婚した事で実家に戻って来ました。

エディは、漫画家と言うエディの職業を馬鹿にした様子の、警察官の父親に嫌味を聞かされ、うんざりしていました。

そんな時、エディは地元の友人マイクの妹、アシュリーと再会し恋人関係になります。

ある日エディは、亡くなった弟の遺品である、黒い不気味な人形が実家に残されていた事に気が付きます。

腕から刃物が飛び出す、不気味な仕掛けが施されているその人形は、かつてナチスの為に、人形を作り続けていた人形遣い、トゥーローンの作品でした。

まるで、生きているように人形を操り「トゥーローンの魔法のパペット」と呼ばれていた、人形遣いのトゥーローンは、かつては人形を制作し全世界に送っていました。

ですが、トゥーローンは謎の魔術を研究し、女性を監禁しては殺害していた危険な一面を持ち合わせていた為、30年前に地元の警察に自宅へ突入され、射殺されていました。

エディは、弟が生前キャンプ場で拾ってきたという、その人形を不気味に感じ、トゥーローン事件のツアーイベントである「トゥーローンの殺人気記念集会」で開催される、オークションに出品する事にします。

エディは、アシュリーとエディの職場のボスで、友人でもあるマーコウィッツと参加します。

「トゥーローンの殺人気記念集会」には、エディと同じく、トゥーローンが制作した人形を出品する為に、参加者が持ち寄った、60体ほどの人形が集まっていました。

しかし、エディ達が宿泊していたホテルで、人形が行方不明になる現象が発生します。

当初は「盗難事件」としか思っていなかったエディですが、同時にホテル内で、次々と残酷な殺人が発生します。

身の危険を感じたエディ達は、ホテルから逃げ出そうとしますが…。

『パペット・マスター』感想と評価


(C)2018 Cinestate Puppet Master, LLC

カルト的な人気を誇るホラー作品が再始動!

『パペット・マスター』は、1989年に第1作目が公開されました。

その前年の1988年に、同じ殺人人形である、チャッキーが登場するホラー映画『チャイルド・プレイ』が公開されています。

ですが、『パペット・マスター』は、個性的な殺人人形が登場する事で『チャイルド・プレイ』とは違う魅力を放ち、続編やリブート作品が10作以上も制作された、カルト的な人気を誇るホラー作品です。

ポスターにも「人形はお前だけじゃない」と書かれていますし、お馴染みのスニーカーが転がっていますね。

本作は『パペット・マスター』30周年を記念した新作で、新たに再始動されたシリーズとなります。

王道の展開と個性が強すぎるパペットたちとのアンバランスさ

『パペット・マスター』の舞台は、「トゥーローンの殺人気記念集会」に集まった参加者たちが宿泊しているホテルが舞台になります。

そこで、参加者たちが持ち寄った、過去にトゥーローンが制作したと思われる、パペットたちが動き始めた事で、逃げ場も無く、追い詰められていく恐怖を描いています。

パペットたちは、刃物を武器に使ったり、腕から火炎放射を出したり、空を飛んだり、頭にドリルが装着されていたりと、どれも個性豊かで、それらの個性を活かして人間に襲いかかりますが、どれも「絶対に、こんな死に方したくない」と思うような場面となっており、制作側の、ものすごい力の入り方を感じます。

映画の予告編で「パペットたちによる残酷な描写は21ヵ所あります」と警告されていますが、上映開始30分ぐらい経過した辺りからオンパレードです。

どれも血しぶきが飛び散る、やりすぎなぐらい過激な描写で、もちろん人を選ぶ部分はありますが、一周して笑えてしまうレベルです。

ですが、作品全体はシリアスな内容となっており、パペットたちに追い詰められ、逃げ場も無くホテルに籠城する展開は、ホラー映画の王道とも呼べます。

王道の展開と、個性的すぎるパペットたちとのアンバランスさが、不思議な魅力を生んでいる作品です。

現代のアメリカ政府への皮肉が込められた作品

前述したように、本作は『パペット・マスター』30周年を記念した作品ですが、現代のアメリカ政府への、痛烈な批判も込められています。

それは、パペットたちに狙われる人々が、ユダヤ人であったり、同性愛者であったりと、ある意味「差別」を受ける立場の人間である事です。

これは、パペットの制作者であるトゥーローンの、閉鎖的で時代遅れとも呼べる思想が反映されているのでしょう。

ユダヤ人や同性愛者というだけで、パペットに命を狙われ、抵抗する術もない人々の姿は、「性差別」「人種差別」が度々問題になっている、アメリカ政府への、痛烈な皮肉が込められていると感じます。

ただ、「差別」という問題は、アメリカだけではなく、日本も含めた世界的な問題でもあると思いますので、2019年に蘇った『パペット・マスター』は、非常に意味のある作品だと感じました。

まとめ


(C)2018 Cinestate Puppet Master, LLC
再始動となった「パペット・マスター」シリーズ。

作品全体を現代的な雰囲気にしながらも、80年代のテイストも取り入れた作品となっています。

この手のホラー映画は「まだ、終わってない」というラストが多いですが、その意味では、本作のエンディングはとても潔いので、そこも注目です。

30周年記念作品という事もあり「パペット・マスター」でお馴染みのパペットたちが出てくるのですが、代表的なパペットが、1体見当たりませんでした。

本作の前半で「トゥーローン事件」を語っている中で、そのパペットに繋がる話も出てきていますので、次回作での登場に期待ですね。

『パペット・マスター』は「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」にて上映される作品で、10月よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田、名古屋のシネマスコーレの3劇場で開催されます。

何故、次回作の話をしているのかは、本作の潔いエンディングをご覧ください。

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