真下正義が東京の命を預かるサスペンス
大人気シリーズ「踊る大捜査線」で、ユースケ・サンタマリアが演じる真下正義を主人公に描くスピンオフ映画です。
地下鉄試験車両を乗っ取った正体不明のハッカーに宣戦布告され、暴走を止めるべく真下が必死の交渉に乗り出す様をシリアスなテイストで描きます。
監督は「踊る大捜査線」シリーズの指揮をとってきた本広克行。柳葉敏郎、寺島進、水野美紀、小泉孝太郎らが出演。
いつもはコミカルな役回りの真下が、東京、そして恋人を守るために真剣に事件に挑む異色作の魅力をご紹介します。
映画『交渉人 真下正義』の作品情報

(C)2005 フジテレビジョン ROBOT 東宝 スカパー!WT
【公開】
2005年(日本映画)
【監督】
本広克行
【脚本】
十川誠志
【編集】
田口拓也
【キャスト】
ユースケ・サンタマリア、寺島進、小泉孝太郎、柳葉敏郎、水野美紀、石井正則、國村隼、松重豊、甲本雅裕、西村雅彦、八千草薫
【作品概要】
ユースケ・サンタマリア演じる「踊る大捜査線」の人気キャラクター、真下正義を主人公にしたサスペンス。監督はシリーズを通して務めてきた本広克行。
正体不明の犯人を相手に、激しい駆け引きが繰り広げられます。真下のシリアスな一面を見られる作品です。往年の洋画が引用され、その元ネタ探しも楽しめます。
新しいキャラクターとして寺島進演じる刑事・木島丈一郎が登場。破天荒な彼と、真下とのタッグに注目です。
柳葉敏郎、水野美紀、小泉孝太郎らおなじみメンバーも顔を揃えます。
映画『交渉人 真下正義』のあらすじとネタバレ

(C)2005 フジテレビジョン ROBOT 東宝 スカパー!WT
2003年11月24日、レインボーブリッジを封鎖して解決に至った「台場連続殺人事件」。
その直後、真下正義警視は湾岸署前で報道陣に囲まれ、警視庁初の交渉人として事件解決の経緯を説明していました。
事件から1年が経った2004年12月24日、雪乃とクリスマスイブのデートの約束をしていた真下は、室井管理官から突然の呼び出しを受けます。
地下鉄の最新鋭実験車両・クモが何者かに乗っ取られ、1年前の報道陣への応答を見ていた犯人が、交渉の窓口に真下を指名してきていました。
犯人はネットで車両を遠隔操作し、東京の地下鉄網を縦横無尽に爆走させます。
乗降客200万人の命が危険にさらされるなか、真下は正体不明の犯人と交渉を重ねていきました。
映画『交渉人 真下正義』の感想と評価

(C)2005 フジテレビジョン ROBOT 東宝 スカパー!WT
シリアスな真下の仕事ぶりが新鮮
アクションコメディとして知られる大人気シリーズ「踊る大捜査線」の中でも、特にコミカルな役回りで知られる真下が、シリアスで意外な一面を魅せるサスペンスです。
ユースケ・サンタマリアの醸し出す飄々とした雰囲気は、相手が話しやすい空気感を生み出す優秀な交渉人の味わいを引き立たせています。
コミカルなことを言う時にも、ユースケ・サンタマリアの目はどこか暗く、それでいて切れ者の持つ独特の光を帯びています。まさに当たり役と言えるでしょう。
真下はまるで友人と話すかのようにフランクな口ぶりで交渉を重ね、少しずつ相手の懐に潜り込んでいきます。相手から重要な内容を聞き出すために、ギリギリの線で駆け引きする様は見応えたっぷりです。
恋人が危険にさらされていると聞いても、慌てふためいて現場を飛び出すことなく、助けるためにこそとどまって交渉に臨む姿に胸を打たれます。
最終的に犯人の正体はわからず仕舞い。それが悔しくないはずはありませんが、地下鉄の暴走を止め、恋人と会場の人々の命を守ったことで、真下は役目をしっかり果たしました。
彼が自分の仕事に満足したことは、雪乃にまっすぐプロポーズできたことからも伝わってきます。
爆破犯の正体とは

(C)2005 フジテレビジョン ROBOT 東宝 スカパー!WT
最後まで真犯人も動機も一切明かされない、シリーズ異色の一作です。
地下鉄の実験車両を遠隔で乗っ取り混乱を引き起こした犯人は、同時に多数の場所で爆破事件を起こします。犯人は交渉相手に真下を指名し、その後、標的も真下だったことが明らかとなりました。
真下や総動員された警察らが地下鉄の暴走を止めた後、犯人の車は自爆して炎上します。
この犯人はまるで幽霊のようです。声紋から犯人が判明しましたが、当の男はすでに事故死していたことがわかります。
謎だらけですが、いくつか犯人像を絞れる事実があります。
まずは、真下の恋人が雪乃だと知っており、さらにはコンサートホールでの雪乃の座席番号を知ることのできた人物だということです。
真下はチケットを机の上に置きっぱなしにしていました。それを見ることのできた身近な人間か、あるいは隠し撮りしていたのか。
警視庁初の交渉人として有名人となった真下に、私怨を抱いていたことも推測されます。
利用した声は過去にいたずら電話をした男性のもので、警察のデータに残っていたことからも、犯人は警察内部の人間と考えられます。
さらに、地下鉄路線に関する知識や、高いハッキング能力とデータ処理能力が必要とされることを考え合わせれば、複数犯の可能性が高いといえるでしょう。
雪乃のコンサートの座席情報を、実際にどうやって手に入れたのか、地下鉄車庫の爆弾はいつどのように仕掛けられたのかなども、複数犯と考えれば様々な推理が可能です。
しかし、それでも謎は残ります。真下がコンサート会場前で見たカラスの群れは何を意味していたのか。
また、自爆した車に犯人は乗っていたのか。それとも炎上する前に姿をくらましたのか。車から遺体が出たかどうかには、本編では一切触れられません。
もし犯人が現役の警察官で、車に乗ったまま死亡していたなら、すぐに誰が犯人か判明したことでしょう。
なんともいえない後味が残る作品です。
しかし、ラストは人混みに落とした指輪を捜し回る真下と雪乃の姿が映し出され、一瞬にしてシリーズのいつも通りの空気感を取り戻します。さすが本広監督です。
まとめ

(C)2005 フジテレビジョン ROBOT 東宝 スカパー!WT
犯人との粘り強い交渉が緊迫感を生む『交渉人 真下正義』。
おなじみのメンバーの中、初登場の寺島進演じる捜査一課の破天荒刑事・木島がピリリと良いスパイスとなっています。木島は後にスピンオフドラマが作られるほどの人気キャラクターとなりました。
交渉にあたる真下からの指示で、足を使って犯人に迫る木島。二人のデコボコバディぶりも必見です。
また、現場の人間を支え続ける柳葉敏郎演じる室井も健在。ラストは室井を主人公とするスピンオフ映画第二弾に間接的に続いています。
様々な意味で、本作は間違いなくファン必見の一作です。







































