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Entry 2022/12/25
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【ネタバレ】今際の国アリス2期|あらすじ感想評価と結末の考察解説。最終回ラスト最後で運営の正体とげぇむの真相が明らかに⁉︎

  • Writer :
  • 糸魚川悟

「今際の国」の真実が明らかになる完結編!

2020年にNetflixでの独占配信が開始され、全米視聴ランキング3位のという大記録を樹立したドラマ『今際の国のアリス シーズン1』。

2021年には全世界で話題となった『イカゲーム シーズン1』の登場もあり、Netflixでの「デスゲーム」作品への注目度は全世界で高まり続けています。

そして2022年12月22日、ついにドラマ『今際の国のアリス』の続編シーズンであり、物語の完結編となる『今際の国のアリス シーズン2』の配信が開始されました。

今回はさらに苛烈さを増したシーズン2の全容とその魅力を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

ドラマ『今際の国のアリス シーズン2』の作品情報


(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT

【配信】
2022年12月22日(Netflix独占配信)

【原作】
麻生羽呂『今際の国のアリス』(小学館・少年サンデーコミックス刊)

【監督】
佐藤信介

【脚本】
倉光泰子、佐藤信介

【キャスト】
山﨑賢人、土屋太鳳、村上虹郎、三吉彩花、桜田通、朝比奈彩、恒松祐里、渡辺佑太朗、森永悠希、町田啓太、磯村勇斗、井之脇海、毎熊克哉、さとうほなみ、山本千尋、金子ノブアキ、阿部力、青柳翔、仲里依紗、山下智久

【作品概要】
麻生羽呂による同名漫画を『アイアムアヒーロー』(2016)の佐藤信介が制作したドラマの第2シーズン。

映画『キングダム』(2019)の山﨑賢人、「るろうに剣心」シリーズの土屋太鳳などメインキャスト陣が前シーズンから続投しました。

ドラマ『今際の国のアリス シーズン2』のあらすじとネタバレ


(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT

ミラによる次なる「げぇむ」開催の宣言から1時間、渋谷のスクランブル交差点でその開始を待つアリス、ウサギ、チシヤ、クイナ。しかし、一向にゲームが始まる気配はなく、その場には「ビーチ」の生き残りの人間が集まり始めます。

すると、どこかからか銃の乱射音が聞こえ、スクランブル交差点に集まった人間たちは次々と射殺されます。

げぇむの内容の説明すらなく戸惑うアリスたちは、逃走する最中、上空に「スペードのキング」の飛行船を目撃。これこそが新たなげぇむであることを知るのでした。

「スペードのキング」を称するシーラビに追い詰められた4人の前に、ビーチの生き残りであるタッタとアンが車で駆けつけ、チシヤを除く3人は車に逃げ込みます。

手榴弾が投擲されたことで、チシヤはクイナに手製の爆弾を渡すと、5人を逃すために自身は車に乗らず、タッタに車を発進させました。

車の中でアンは「スペードのキング」の飛行船が移動していたことを話すと、アリスは「シーラビを殺すこと」が今回のげぇむの攻略条件なのではないかと推測。

シーラビは生存者から車を奪い、アリスたちを追跡。追いつかれた5人は車を横転させられ、車を捨てて逃走したアリスはビルに逃げ込みますが、アンがはぐれてしまいます。

翌日、アリスはシーラビから逃れる方法として、別の絵柄のゲームに参加する手段を思い付きます。アリスはこれまでのげぇむの傾向から、げぇむのマスター同士は互いのげぇむに干渉しないはずと考え、ウサギたちに海沿いに見える「クラブのキング」に参加することを提案します。

【クラブのキング】

「クラブのキング」の開催地であるコンテナ街に辿り着いた4人でしたが、げぇむへの参加には「5人」が必要だと知ります。しかしその場には、「まじょがり」で虐殺を行ったニラギが先にたどり着き、エントリーを済ませていました。

会場に入ったアリスたちは「クラブのキング」チームの5人と対峙。リーダーと名乗るキューマは全裸で現れ、仲間のシタラ、ウタ、マキ、ゴーケンを紹介しました。

キューマは自分たちをこの国の「国民」と名乗り、絵札のげぇむは「国民」との対決であり、敗北者は全員死亡すると告げます。

「クラブのキング」のげぇむは「すうとり」であり、各チーム1万点の持ち点を各人に分け、点数を奪い合うというもの。

点数を獲得する方法は、相手に触れることで持ち点が高い方が低い方から500点を奪う「バトル」、膨大な数のコンテナ内に隠された「アイテム」、各チームの陣地に用意されたオブジェクトに触れることで1万点を獲得する「じんち」の3つでした。

陣地には「キーパー」の配置が可能で、味方チームの「じんち」に触れている人間は点数が無限になり、その状態で敵と「バトル」すると負けた側が1万点を喪失。持ち点が0点を切ると死亡するとのことでした。

持ち点の配分後に「すうとり」が開始され、アリスたちは「バトル」に連続で勝利し大きくリードしますが、1人で「じんち」を守るタッタの前に「クラブのキング」チームのマキを除く4人が現れます。

キューマの合図をもとに4人は「じんち」に突っ込み、一気に3万点を取得。しかし、「キーパー」のタッタがシタラに触ったことで、シタラは死亡しました。

アリスはキューマが仲間の命と引き換えに、1万点越えのプレイヤーを3人も生み出す策を使ったことに驚愕するとともに、覚悟の度合いの違いを再確認させられます。

「クラブのキング」チームは「じんち」の防衛を固め、わずか500点の点差に焦るアリスはタッタにこれまでの感謝と別れを告げると無策にもキューマの「じんち」へと走っていきます。

しかし、ウサギに暴行するニラギを目撃したアリスはニラギを殴り倒し、ウサギを自分の「じんち」へと戻しますが、その場からタッタがいなくなっていることに気づきます。

残りの制限時間が5分を切り、海に面した地点でアリスを待つキューマのもとに現れたアリスは、キューマに握手を求めます。

キューマは了承し、握手をしたことで「バトル」が発生しますが、なぜかその「バトル」は1万点以上を持つキューマではなく、アリスが勝利します。

実は数分前、これまでの人生において誰からも感謝されたことのなかったタッタは、アリスのために命を賭けることを決め、腕につけた点数の測定器ごと自身の腕をコンテナで切断。

アリスに切断した腕を渡し、キューマに見えないようタッタの測定器に触れることで、タッタの持つ1万点を加点していたのでした。

キューマはアリスの戦法に驚き負けを認めますが、死ぬことよりも仲間の期待を裏切ることに後悔していました。仲間たちもキューマの油断からの敗北を責めることはなく、アリスはその様子からキューマたちが元々「ぷれいやぁ」であるからこそ生まれた絆なのだと確信します。

制限時間が過ぎ、キューマはアリスに生きる意味を見つけるように発破をかけると、キューマは迫る死に「ひとつの悔いもない理想の人生だった」と呟き死亡しました。

「じんち」に戻ったアリスは、腕を切り離したタッタが出血多量によって瀕死となっている姿を目撃。タッタに寄り添い感謝を述べるアリスでしたが、タッタは満足そうに頷くとそのまま死亡しました。

タッタを埋葬すると、ニラギは自身が歪んだ「クズ」であることを自覚。一応の感謝を述べると、アリスたちから離れていきました。

【ハートのジャック】

チシヤは20人が集められた刑務所で、「ハートのジャック」のげぇむである「どくぼう」に挑戦します。

このげぇむは、自分の首輪の後ろに表示されるトランプの絵柄を1時間ごとに言い当てなければ、ただちに死亡するというもの。

他の参加者から絵柄を聞かなければ絵柄は当てられないこのげぇむですが、参加者の中には「ハートのジャック」が混ざっており、「ハートのジャック」が死亡するまで延々と続けることが分かります。

開始から数分が経ち、参加者はいくつかのチームに分かれ始めます。第2ターンが終わっても死亡者は発生しませんでしたが、やがて暴力によって他者から絵柄を聞き出そうとするキリウが問題を起こし始めます。

すると、マツシタを言葉で支配するバンダが、キリウに暴力を振るわれていたセトを唆し、嘘の絵柄を教えさせたことで第3ターン時にキリウは死亡。

また大人数を従えるウルミは、セトを仲間に加えるフリをして、仲間たちにセトこそが「ハートのジャック」であると吹聴。セトに嘘の絵柄を教えたことで、第4ターンにセトは死亡します。ウルミはさらに自身の意向に逆らう人間の粛清を始め、第9ターンの時点で参加者は半数以下に減っていました。

ウルミのチームに所属するカネコは、ウルミの所業に恐怖したことでチームメンバーと共謀し、ウルミの排除を目論みます。しかし、カネコも他のメンバーに裏切られ、ウルミチームは全滅します。

そのターン、精神的に追い詰められたチシヤとペアを組むイッペイは、回答を拒否したことで死亡。残り5人となった中でペアを失ったチシヤは、既に固まっている別チームになんとか食い込む必然性が出てしまい、自身のピンチを悟りました。

バンダの素性が元の世界で4人を殺した殺人鬼であることを知っていたチシヤは、バンダがコンビを組んでいるマツシタに、バンダが「ハートのジャック」である危険性を述べ、協力を求めます。しかし、マツシタはバンダによって完全に支配されており、チシヤに間違った絵柄を教えました。

続いてチシヤは、ヤバに精神的・肉体的に支配下に置かれているコトコに声をかけ、自らのマークを探り出そうとしますが、コトコは答えることなく去っていきます。

宣言の時間の直前、コトコはヤバを、マツシタはバンダを裏切って嘘の絵柄を教えていました。

宣言の時間。チシヤはマツシタとコトコの言動から、自分のマークを2択に絞り込み生き延びます。マツシタも勝利を確信しますが、バンダはヤバと裏でつながっており、2人は生き延びていました。

バンダは、実はマツシタが「ハートのジャック」であることを気づいていました。一方、ヤバはコトコを信じ本当のマークを教えていましたが、このターンを彼女が生き延びられなかったことで、コトコが誰かと内通していたことを確信します。

またチシヤも早々に、コトコとマツシタが食料を通じて裏でつながっていることを見抜いていたことから、3人はマツシタを追い詰めます。

ヤバとバンダは「今際の国」に魅了されており、この世界の支配者となるために「国民」であることが判明したマツシタを、時間が続く限り拷問することにします。

マツシタは拷問に耐え切れなくなり、わざと絵柄を間違え死亡。「ハートのジャック」が死亡したことでげぇむが終わると、チシヤは1人刑務所から離れ、ヤバとバンダはコンビを組み「国民」を狙います。

その頃、クイナはアンとチシヤを探すため、アリスたちのもとを離れていました。

世田谷の避難地で情報を集めるアリスとウサギのもとにシーラビが現れ、2人は窮地に陥りますが、アリスはウサギを救うために囮になり森の中へと駆け込みます。

シーラビに追い詰められたアリスでしたが、そんなアリスを救ったのは義足で行動するヘイヤと、「まじょがり」で虐殺を行ったアグニでした。

アグニは「ビーチ」で死に損なったことから死に場所を探しており、シーラビを殺すことを目的としていました。

夜、アグニはアリスを囮にした作戦でシーラビに銃撃を与えますが、防弾ベストを装備するシーラビを殺すことはできず、反撃を喰らったアリスは崖から転落。アグニとヘイヤは善戦しますが、シーラビから逃げ延びることが精一杯でした。

【スペードのクイーン】

両親を失った少年コウタと出逢ったウサギは、彼の「びざ」切れが迫っていることから、「スペードのクイーン」の開催地へとコウタを連れていきます。

参加者の誰もがコウタを見捨てる発言を繰り返しますが、ウサギなら体力勝負である「スペード」を目指すと予想したアリスと2人は合流を果たせました。

「スペードのクイーン」のげぇむは「ちぇっくめいと」。20人の参加者が背中にボタンの着いた装置を着用した上で、クイーンチームとチャレンジャーチームに分かれ、5分毎に相手チームのメンバーのボタンを押す攻撃側・防御側が繰り返されるというものです。

ボタンを押された「王」以外のプレイヤーは相手チームへと移動。16ターンの終了後、人数の多いチームが勝利し、敗北したチームに最終ターンで属していたぷれいやぁは死亡となります。

チャレンジャーチームは「王」にコウタが設定されてしまい、一方でクイーンチームは「スペードのクイーン」を冠するリサが「王」に設定されます。

このげぇむでは暴力が禁じられておらず、リサは高い身体能力と暴力によって、チャレンジャーチームのメンバーをクイーンチームへと引き込みます。

クイーンチームに移ったぷれいやぁは、「最終ターン時に人数の多いチームにいる側が生存できる」というルールから、元のチームに戻ることに消極的になっており、徐々にチャレンジャーチームは人数を減らし始めます。

15ターン目、クイーンチームの優勢は圧倒的となり攻撃の必要性はありませんでしたが、リサはアリスを引き込んでウサギを殺害するために、チームメンバーに苛烈な攻撃を命じます。

アリスは追い詰められたように見せかけ、時間ギリギリに敵を自分の付近に集めるために行動していました。そして16ターン目の開始と同時に、クイーンチームのメンバーを全員チャレンジャーチームへと引き込みました。

ゲームが終了し、「スペードのクイーン」のリサは「すべてのゲームが終われば答えが分かる」と言い遺し死亡。

しばらく生き残れるだけの「びざ」を手に入れたコウタやチャレンジャーチームのメンバーを残し、次なる絵柄の元へと向かうアリスとウサギは、崩壊した街の中で温泉が湧く場所を見つけます。

温泉に浸かる2人は、ゾウを目撃した驚きと興奮から身体を寄せ合いキスしました。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『今際の国のアリス シーズン2』のネタバレ・結末の記載がございます。『今際の国のアリス シーズン2』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT

【ダイヤのキング】

「ダイヤのキング」が開催される最高裁判所を訪れたチシヤは、「ビーチ」の最高幹部クズリュウが「ダイヤのキング」であることを知ります。

「ダイヤのキング」のげぇむは「てんびん」。全員が0から100の間の好きな数値を選び、「全員の平均値に0.8をかけて出た値」に近い数字を選んだ人間以外が1ポイントを失い、マイナス10ポイントに達した人間が死亡。これを最後の1人になるまで繰り返すというものでした。

参加者はヤシゲ、アスマ、ダイモン、チシヤ、クズリュウの5人。敗北した4人の頭上の秤には硫酸が注がれ、マイナス10ポイントに達することで天秤が傾き硫酸を浴びることになるとクズリュウは告げます。

クズリュウは元の世界では「法の下における平等」という考えに惹かれ、弱者を救うために奮闘していた弁護士でしたが、平等とは詭弁でしかなく、世界において絶対の平等は存在しないことを痛感させられていました。

3回戦目。チシヤはわざと「100」という数字を入れることで平均値をめちゃくちゃにし、深い理由なく1を入れたダイモンが勝利。その後もチシヤは定期的に「100」を入れることで場を翻弄し、何回かの勝利を収めます。

10回戦終了時、ヤシゲとアスマは1回もポイントを取得できずにマイナス10ポイントに達し、硫酸を頭から浴びて死亡しました。

現在のポイントはチシヤがマイナス8ポイント、ダイモンがマイナス7ポイント、クズリュウがマイナス4ポイント。

2名の死亡者が出たことで、新たに同数が出た場合は「無効票」となり同票を入れた人間のポイントがマイナス1されるルール、勝者が「ピタリ賞」を獲得すると敗者がマイナス2ポイントされるルールが新たに追加されます。

11回戦目。全員が「0」を選択したことで全員のポイントがマイナスされ、チシヤはマイナス9ポイントにまで追い込まれます。

12回戦目。ダイモンがチシヤとクズリュウが潰し合うことを想定し入れた「62」という数字をチシヤが一点読みしたことでピタリ賞を獲得。ダイモンはマイナス10ポイントで死亡します。

残るはチシヤとクズリュウの2人のみとなり、新ルールとして「0」を選んだ参加者がいる場合に限り、「100」を選べば無条件に勝利するルールがさらに加えられます。

もはや「0」「1」「100」以外を選ぶ理由はなく、リードしているはずのクズリュウ自身にすら平等を迫るそのルールに、チシヤは強迫的なまでに平等を求める、クズリュウの人間性に興味を惹かれます。

チシヤは若手の医師として元の世界では大病院に勤めていましたが、臓器移植の順番を金で操作した上司によって担当患者が死亡したことで理想の全てを放棄し、強者と弱者が生まれる世界を受け入れていたという過去を持っていました。

「平等を守るために戦うべき」と訴えるクズリュウの言葉に胸を打たれ、クズリュウと戦うために「今際の国」に来たとすら感じたチシヤは、「100」を選ぶことを宣言した上で「俺の命に救う価値があるか」とクズリュウに問いかけます。

ボーシヤによって「ビーチ」が発足した日。「ビーチ」に潜入したクズリュウは「今際の国」で理想を語るボーシヤの言葉が胸に残り続けていました。クズリュウは13回戦と14回戦でわざとチシヤに負け、両者は同じくマイナス9ポイントとなります。

最終戦となる15回戦目。チシヤはまたもクズリュウに見える形で「100」を選び、すべての命運をクズリュウに託しました。クズリュウは己には「命の価値」が分からないことを述べ、ボーシヤが語っていた「理想」のためにチシヤを生かす選択をします。

クズリュウの敗北が決まりますが、クズリュウは自分の生き方をチシヤのおかげで見つけられたと涙を流し、感謝の言葉とともに死亡。チシヤは勝利こそ収めますが、クズリュウに勝ち逃げされたように感じ、複雑な思いを抱えることになりました。

【スペードのキング】

都内各地では多くのぷれいやぁが決死の勝負に参加し、絵柄は残すところミラの開催する「ハートのクイーン」と、シーラビを倒すのが攻略条件と予想される「スペードのキング」のみとなっていました。

残る2つの絵柄に参加するため、渋谷を訪れたアリスはチシヤと再会。チシヤの雰囲気が変わったことにアリスは驚きますが、突如ニラギによってチシヤが撃たれます。

ニラギはアリスとチシヤに命を賭けたゲームを望み、3人は銃撃戦に発展。

「弱い人間だった過去の自分には戻りたくない」と銃を下ろしたアリスに、一時はやる気を削がれたニラギでしたが、その場にウサギが現れたことで、ニラギの殺意はアリスを奮い立たせたウサギへと向かいます。

アリスを「同族」に戻すため、ニラギはウサギに向けて発砲すると、アリスはウサギを守るためにニラギを撃ちました。またウサギはチシヤによってかばわれ、銃弾を受けたチシヤはその場に倒れ込みます。

チシヤはクズリュウやアリスに感化され「らしくないことをしたくなった」と言い、真面目な人を馬鹿にしていた自分こそが、卑しい人間であることを知るのが怖かったとアリスに告白します。

そこに「スペードのキング」の飛行船が出現。アリスとウサギはチシヤと生きていたニラギを車の影に隠すと、「ハートのクイーン」攻略のために渋谷に集まった人間たちを襲うシーラビに立ち向かうことにします。

その場にクイナとアンも合流したもののシーラビに苦戦を強いられる中、ヘイヤとアグニもその場に駆けつけます。

クイナが持っていたチシヤ手製の爆弾を、最大効率で喰らわせる算段を思いついたアリスは、シーラビをスプレーのガスを充満させたドラッグストアに追い込み、爆破させる作戦を実行。

しかし、アリスを除く全員が同時に襲撃してもシーラビを倒すことはできず、逆にアンとヘイヤ、アグニが撃たれ、クイナとウサギも刺され重傷を負います。

準備の整ったアリスが駆けつけ、シーラビをドラッグストアに誘い込むと、アグニとともに爆弾を起爆し、シーラビを行動不能に追い込みます。

シーラビは死を「救済」と考えており、「今際の国」を訪れてしまった人間たちを救うために行動していました。アグニに「すまなかった」と言うシーラビに、アグニは「お前を恨んだことはない」と言い射殺しました。

多量の銃弾を浴び瀕死ながらも、ヘイヤやアン、クイナは何とか生きていましたが、アンはクイナに「どこかで会えたら友達になろう」と約束すると意識を失います。

最後のげぇむを告げるアナウンスが鳴り響き、アリスは負傷するウサギを連れて「ハートのクイーン」の会場であるヒカリエへと向かいます。

【ハートのクイーン】

ミラは「ハートのクイーン」について、クロッケーを3セット途中棄権せずにやり遂げられたら、勝敗に関わらずクリアできるげぇむだと宣言。そして自らの手で、あっさりと1セット目を終了させてしまいます。

続く2セット目はミラが試合を引き延ばし続け、試合はなかなか終わりませんでしたが、実力をつけ始めたアリスによって2セット目はアリスの勝利に終わります。

アリスは急いでゲームを終わらせようとしますが、3セット目の開始前、ミラはティーパーティへの出席を2人に強制。

ミラはアリスに「現実を受け入れる準備はできたか」と問うと、「今際の国」がアリスの見ている幻覚の世界であると明かしました。

児戯のようなゲームの数々。無能を自覚するアリスが今まで生き残れてきた理由。アリスには思い当たる節が多い中、さらにミラは、自身が患者のアリスを担当する精神科医であると告白します。

元の世界でカルベとチョータはアリスの目の前で車に轢かれて死亡。そのことでアリスの精神は崩壊し、逃げ込んだ幻覚の世界でも理不尽なゲームとなって、2人の死の罪がアリスに降りかかっていたとミラは語ります。

しかし、ミラの言葉はすべて嘘であり、全てはアリスを精神的に思い詰め、途中棄権に追い込もうとする罠でした。

ミラの嘘を信じるアリスを目覚めさせるため、ウサギは「何があってもウサギを守る」というアリスの言葉を信じ、ガラスの破片を使って目の前で自身の手首を切ります。

ウサギの意識が遠のいてもアリスは動かず、勝利を確信したミラ。しかしアリスはウサギと生きる未来のために目を覚まし、ゲームの続行を宣言します。

ウサギの手首の傷を止血すると、ミラはアリスとウサギの絆に感銘を受け、真剣にクロッケーの勝負を挑みます。アリスとミラはただただ純粋にクロッケーの勝負を楽しみ、勝負はミラの勝利となりました。

「途中棄権せずに3セットを行う」というクリア条件を満たしたことで、「ハートのクイーン」を攻略。ミラはアリスに「今際の国」の正体は間もなく分かると言い残し、死亡しました。

「すべてのゲームが終了した」というアナウンスとともに、上空には大量の花火が打ち上げられます。そしてアナウンスは生き残った全員に「今際の国」の「永住権」を手にするか・手にしないかの選択を迫ります。

アグニ、ヘイヤ、クイナ、チシヤ、ニラギは「永住権」を拒否する一方、バンダとヤバは「永住権」を取得。アリスとウサギも「永住権」を拒否しました。

【現実世界】

「今際の国」に紛れ込むことになった日、渋谷で目撃された花火は多数の隕石であり、隕石は渋谷の上空で爆発し多くの被害者を出しました。

「今際の国」は生死の境を彷徨う人間がたどり着く場所であり、げぇむを生き残り「永住権」を拒否したの者だけが生還することができたのです。

アリスは病院で目を覚ますと、弟から「1分間心臓が止まっていた」と言われます。

チシヤとニラギも病院の同室で目を覚まし、「今際の国」での負傷と同じ傷を負っていましたが、「これからは昔よりもマシな生き方ができる気がしている」と2人で話します。

クイナは家族と再会し、意識のない状態でげぇむのクリアを迎えたアンは現実世界でも意識不明でしたが、心臓マッサージにより無事息を吹き返しました。

「今際の国」での記憶は全員が失われていましたが、ヘイヤは重傷を負うアグニに引き寄せられます。その一方で、アリスとウサギは病院内で出会った知り合いでもないはずの互いに惹かれ、アリスはウサギを病院内でのデートに誘います。

病院の中庭に広げられたトランプは風で舞い、ジョーカーだけがその場に残されるのでした。

ドラマ『今際の国のアリス シーズン2』の感想と評価


(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT

配信ドラマ“だからこそ”の容赦ない演出

次々と登場人物が死亡する、苛烈な「デスゲーム」が描く漫画『今際の国のアリス』。絶望から生まれる狂気や、絶望から生まれる希望を描いた同作を映像化するためには、一目で分かるような「今際の国」の絶望感を演出することが何よりも重要だと言えます。

前シーズンの時点から、地上波で放映されるドラマではあり得ないような、過激な描写が話題となっていた本ドラマでしたが、続シーズンではさらに過激さが進化していました。

第1話が始まってものの数分、渋谷のスクランブル交差点で人間の虐殺が開始。対戦車ライフルでの狙撃で人体は吹き飛び、響き渡る悲鳴は、仮に前シーズンを観ていない人にすらも「今際の国」の絶望が伝わるような衝撃を与えてくれます。

首が吹き飛び、硫酸を浴び、レーザーで撃たれる、配信ドラマだからこそ描ける容赦のない描写がさらに進化したシーズン2でした。

キャストが原作・ドラマ双方の魅力が引き立てる


(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT

本作は尺の都合から一部の登場人物の未登場などはありますが、おおむね原作に沿った物語に終始しています。

原作を完全再現した実写作品の中には、「実写」だからこそのメリットやデメリットを比較されるケースが多く、「実写」だから描けなかった部分に批判が集中することもあります。

しかしドラマ『今際の国のアリス』は、俳優たちが原作の魅力とドラマの魅力の双方を引き立てており、「実写」でしか成しえなかった作品となっていました。

中でも主人公たちが対峙する初めての「国民」キューマを演じた山下智久は、「常に全裸」というとんでもない登場でありながら、キューマが持つ深い人生観を文字通りその身ひとつで体現

『マン・フロム・トロント』(2022)など、俳優として活躍の場を広げ始める山下智久だからこそ演じることのできるキューマは、「実写」ドラマでしか表現できないものでした。

まとめ


(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT

アリスによる「今際の国」のサバイバルがメインだった前シーズンに対し、第2シーズンではアグニやチシヤなど、シーズン1では悪い印象の強かったキャラたちの成長も描く「群像劇」の様相が深く描かれていました。

特にチシヤを描いたパートでは、極限の状況下を乗り越えることではなく、出逢う人によって影響を受けていく彼の心の変化が印象深く、全キャラに魅力ができあがった完結編となっていました。

イカゲーム シーズン1』で「デスゲーム」に興味を持った方々にオススメしたい、高クオリティな「デスゲーム」ドラマです。



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