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Netflix映画『悪魔はいつもそこに』ネタバレあらすじと感想評価。キャストのトム・ホランド×ロバート・パティンソンの群像劇スリラー

  • Writer :
  • 糸魚川悟

NETFLIX映画『悪魔はいつもそこに』

今回は映像配信サービス「Netflix」で配信された「宗教」と「暴力」をテーマにした群像劇映画『悪魔はいつもそこに』(2020)をネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

ドラマシリーズ「パニッシャー」などで監督を務めたアントニオ・カンポスが映像化した作品です。主演はスパイダーマンを演じたトム・ホランド。

人類の歴史にとって非常に重要であり、人が困難と対峙した時、心が折れそうな時、絶望の淵に立たされた人々の救いとなってきたのは「宗教」でした。

しかし、「宗教」への信仰心には「光」があると同時に深い深い「闇」も存在します。

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映画『悪魔はいつもそこに』の作品情報

Netflix 悪魔はいつもそこに

【原題】
The Devil All the Time

【配信】
2020年(Netflix限定配信)

【監督】
アントニオ・カンポス

【キャスト】
トム・ホランド、ビル・スカルスガルド、ライリー・キーオ、ジェイソン・クラーク、セバスチャン・スタン、ヘイリー・ベネット、ミア・ワシコウスカ、ロバート・パティンソン

【作品概要】
「南オハイオゴシック」と呼ばれる独特な作風が話題の作家ドナルド・レイ・ポロックによる小説を、ドラマシリーズ「パニッシャー」などで監督を務めたアントニオ・カンポスが映像化した作品。

主演を務めたのは「アベンジャーズ」を含む「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」シリーズでスパイダーマンを演じるトム・ホランド。

映画『悪魔はいつもそこに』のあらすじとネタバレ

1945年、第二次世界大戦に従軍したウィラードは戦地で十字架に張り付けにされた仲間の兵士ミラーを見つけ、皮を剥がされ息も絶え絶えだったミラーにトドメを指します。

戦争が終わり地元町へ帰還したウィラードは喫茶店でウェイトレスとして働くシャーロットと恋に落ち、オハイオ州ノッケンスティフの町に居を構え、息子のアーヴィンを授かることになります。

敬虔なクリスチャンである母と違い戦争を経験したウィラードは信仰心を失いかけていましたが、家族を守りたい意識から家の裏に十字架を作り祈るようになります。

しかし、十字架を見るたびに思い出すのは戦地で見たミラーの凄惨な張り付けの様子でした。

1957年、9歳になったアーヴィンは友人が1人もいない孤独な少年に育ちました。

ウィラードは神に祈りをささげる毎日をアーヴィンにも強要する一方で、自身が殴られたら相手に殴り返すと言う思想をアーヴィンにも教え、自身と妻を馬鹿にした猟師の男を半殺しにする過激さも見せます。

ある日、シャーロットの癌が発覚すると、アーヴィンと共に育った飼い犬のジャックを射殺し神への生贄に捧げるなど、ウィラードは宗教に傾倒し始めます。

しかし、ウィラードの祈りはむなしくシャーロットは癌により死亡。

シャーロットを埋葬した夜、ウィラードの姿を十字架の場所で見つけたアーヴィンは「祈りはもうしない」と父に言うため近づきますが、父は十字架の前で自殺していました。

保安官選挙のための票集めに奔走するボーデッカー保安官がアーヴィンの通報を受け現場へと踏み入ると、十字架の前で自殺するウィラードと十字架に張り付けにされた犬の姿を目にするのでした。

1945年、戦争から帰還したウィラードの恋人候補としてウィラードの母親エマが勝手に神に誓った女性ヘレンは、ウィラードがシャーロットに恋したこともあり、流しの宣教師のロイと恋に落ち子供のレノーラを授かります。

数年後、頭が腫れてしまったことを神からの試練であると思いクローゼットに閉じこもり続けたロイが急にクローゼットを出たことを契機に、レノーラをエマに預けたヘレンはロイと旅行に出掛けます。

しかし、森の中でロイは突如ヘレンの首筋を刺し殺害すると神に祈りを捧げ彼女を復活させようとします。

ロイは神からの啓示を受け、復活の力を手に入れたと確信し愛する妻を殺害しましたが、神にその想いが届くことはなくヘレンは蘇りません。

宣教師仲間であった友人から町から逃げるように諭されたロイはヒッチハイクを行い、カールとサンディという夫婦の乗る車に拾われます。

しかし、カールとサンディは実は強盗殺人を生業としている夫婦であり、人気のない森林に連れてこられたロイは「写真」にこだわるカールに妻を抱くようにと脅迫されます。

これが神の試練であると考えるロイはカールの脅迫を全て拒否し、カールによって射殺されてしまいました。

1965年、両親の死によってコールクリークの街に住むウィラードの母親エマとその夫アスケル、そして同じく両親を失ったレノーラと共に過ごすアーヴィンは家族想いの青年に育ちました。

アスケルがウィラードが戦地から持ち帰った拳銃ルガーをアーヴィンの誕生日にプレゼントします。

敬虔なレノーラは町のいじめっ子のジーンたちにより過激ないじめにあっていました。

そんなレノーラを時には暴力を厭わず助けようとするほど、アーヴィンはレノーラを血の繋がった家族のように愛しました。

レノーラは学校が終わると毎日ヘレンの墓にお祈りに行きます。

アーヴィンはレノーラを送り迎えこそするものの神に祈る行為には辟易としていました。

レノーラは祈り続ければ行方不明の父が帰ってくることを信じ、また父が母にしたことをもう許しているとさえ言います。

ある日、アスケルが長期的に街を離れることになり、教会を守るためテネシーから新たな牧師が街にやってきます。

高級車に乗るプリストン牧師は、着任のお祝い式でエマがレバー料理を作ったことで貧困層であると住民たちの前で説教に交え講じ、アーヴィンはそのことに怒りを募らせます。

数日後、ジーンたちに再びレノーラが虐められている様子を見たアーヴィンは、レノーラを墓へ送ると彼女には内緒でレノーラを虐めたジーンたちを1人1人半死半生の目に合わせます。

一方、突然の雨に見舞われたレノーラは教会に避難するとプリストン牧師と会話します。

プリストンはレノーラがいじめられている話を聞くと、神の声が聞こえる場所に案内すると彼女を車に乗せ森へと向かいます。

人気のない場所で車を止めたプリストンは、レノーラに神の名を語り身体の関係を迫り、レノーラはそれを受け入れます。

3カ月後、カールとサンディは若いヒッチハイカーに絞り今も強盗を続けていました。

サンディは強盗を続けることに辟易していましたが、カールから逃げることが出来ずにいました。

ある日、サンディの家に保安官のボーデッカーが訪ねて来ます。

ボーデッカーはサンディの兄であり、妹とカールが悪事を働いていることに勘付いており、サンディの部屋から行方不明になった男とサンディが関係を持っている写真を見つけていました。

ボーデッカーは地元ギャングのリーロイから賄賂を受け取っており、そのこととサンディの悪事が明るみに出ることで次の保安官選挙に影響が出るのを恐れていました。

ある日、カールとサンディはマシューというヒッチハイカーを拾います。

いつものように強盗殺人を働いた2人でしたが、サンディはカールに強盗殺人をやめたいと言います。

カールもサンディも神を信じる人間でしたが、カールは人の死の間際を写真に収めることで、神を近くに感じる歪んだ性癖を持っており、その行為をやめる気はありませんでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『悪魔はいつもそこに』のネタバレ・結末の記載がございます。『悪魔はいつもそこに』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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ある日、レノーラはプリストンの子を孕っていることを自覚します。

しかし、プリストンはレノーラの子供を認めようとはせず彼女の妄想だと突き放します。

さらにプリストンは「このままではお前の家族に悪影響悪影響が出る」とレノーラを脅し、そのことに絶望した彼女は納屋で自殺してしまいます。

葬儀が終わり数日が経った頃、町の保安官がダドリーという酒飲みだが嘘はつかない男が、レノーラは妊娠していたと言っていたことをアーヴィンに話します。

アーヴィンはその相手が妻がいながら町の女性に手を出すプリストンであることを数日の尾行から確信し、復讐のため父のルガーを持ち教会へと向かいます。

プリストンに銃を突きつけたアーヴィンは、プリストンが保身のためレノーラが嘘をついていたとアーヴィンに言い訳をするとアーヴィンはプリストンを射殺。

町を離れるアーヴィンは、かつて両親と暮らしたノッケンスティフの街へと向かいますが、道中に車が故障してしまいヒッチハイクをしたことで、カールとサンディの車に乗ることになります。

2人の様子がおかしいこととカールの持つ拳銃に気がつくアーヴィンは、カールが拳銃を抜いた瞬間を見逃さずカールを射殺。

直前にサンディはカールを自身の持つ銃で殺しアーヴィンと逃げることを考えていましたが、予想に反したタイミングでカールが死んだことに驚愕し、アーヴィンに銃を向けて引き金を引きます。

しかし、サンディの様子がおかしいことに気づいていたカールが、サンディの拳銃から実弾を抜き空砲に差し替えていたことでアーヴィンは死なず、アーヴィンは咄嗟にルガーで反撃しサンディは死亡します。

ボーデッカーはリーロイとの関係を精算するためリーロイを射殺後、林の中で夫婦の死体があるという通報を受け、現場でサンディとカールの死体を発見。

悪いのはカールであると確信しつつも止められなかったことを後悔しますが、それよりも選挙に悪影響のある証拠の始末を優先するボーデッカーは、サンディとカールの部屋から大量の行方不明者の写真を見つけ破棄します。

ノッケンスティフの町についたアーヴィンは、かつて住んでいた家が全焼して無くなったと聞きますが訪ねてみることにしました。

一方、署でコールクリークで起きた牧師の殺人の容疑者が、かつてボーデッカーが遺体を発見したウィラードの息子アーヴィンであることを聞いたボーデッカーは、牧師殺害に使われたのがルガーであることや逃走方法が車とヒッチハイクであることから、サンディの殺害の犯人がアーヴィンであることを確信。

アーヴィンはかつて十字架が立てられていた場所へとたどり着くと、飼い犬ジャックの骨を見つけ丁寧に土に埋葬します。

その時、誰かが近づいてきたことに気づいたアーヴィンは反射的に身を隠します。

ボーデッカーがショットガンを構えアーヴィンを射殺しようと林に入り、アーヴィンに大声で話しかけます。

アーヴィンは自身が悪人でなく、殺した相手は全員善人じゃなかったことを話し平和的な解決を求めますが、怒りに囚われたボーデッカーと撃ち合いになってしまいます。

ボーデッカーとの撃ち合いを制したアーヴィンは彼の死を看取ると、ルガーをジャックの墓に入れその場を離れます。

ヒッチハイクをし、ノッケンスティフを離れるアーヴィンはこれまでのことを振り返りながら、たどり着く場所もこれからのことも分からないまま眠りにつきました。

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映画『悪魔はいつもそこに』の感想と評価

Netflix 悪魔はいつもそこに

トム・ホランドを始めビル・スカルスガルドやセバスチャン・スタン、ミア・ワシコウスカやロバート・パティンソンなど、話題の俳優たちが出演したことで話題となった映画『悪魔はいつもそこに』。

俳優たちの演技を最大限に活かす群像劇の形式が取られた本作は、群像劇映画として一般的な各登場人物の人生が繋がっていく物語でありながらも、そのタイミングを最悪な形にし暴力的にすることで深く心に刻まれる作品とすることに成功していました。

本作では主人公のアーヴィンを除き、メインとなる登場人物の多くが神を信仰しています。

しかし、その信じ方は人によって異なり、神の言葉を聞きたいがあまり複数の人物が他者を傷つける道を選択し始めます。

宗教を信じないものにとってその姿は「悪魔」そのものであり猟奇的にも映りますが、一方で宗教に傾倒する者にとっては自身の道を阻むアーヴィンのような人間こそ「悪魔」と言い換えることが出来ます。

他にも人間の中に潜む「衝動」が「悪魔」と捉えることも可能であり、タイトルの「悪魔」とはいったいどう言う意味なのか、鑑賞後にも深く考えさせてくれる作品です。

まとめ

いかがでしたか。

監督のアントニオ・カンポスが「最も素晴らしい俳優の1人」と絶賛したほどのトム・ホランドの演技にも注目して欲しい本作。

映画『悪魔はいつもそこに』は「Netflix」にて独占配信中です。


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