映画『竜宮の誘い』は「田辺・弁慶映画祭セレクション2026」にて、5月8日(金)よりテアトル新宿で1週間、6月17日(水)よりテアトル梅田で2日間限定上映!
多くの若手監督作品を選出し、コンペ部門受賞監督や出演俳優たちがその後商業映画で活躍していることから、“インディーズの登竜門”と高い評価を得ている田辺・弁慶映画祭。
そして、第19回映画祭・コンペティション部門にて「弁慶グランプリ」を受賞したのが『竜宮の誘い』です。
キャバクラでボーイとして働く若者・サトウには食人願望がありました。
ある日、勤務先で偶然拾ったスマホをきっかけにサトウは謎めいた2人組に脅迫され、運び屋として仕事に従事し始めます。
裏社会へと足を踏み入れたサトウの欲求は高まり……。
映画『竜宮の誘い』の作品情報

(C)Yamada Jun/Cinemago
【公開】
2026年(日本映画)
【監督・脚本・製作】
山田純
【キャスト】
戸張瞬、美南宏樹、伊藤広大、楠本奈々瀬、唯木美里、春歌まりん、加藤亜紀歩、春園幸宏、関淳平、鯉家愛海、天萬愛紗、古屋美彩
【作品概要】
監督を務めた山田純は、1996年静岡県生まれ、中央大学在学中に制作した映画『再来の予感/光の子供たち』(2018)がCinema Terminal Gate004にて上映されました。その後、友人の神戸竜馬監督と製作した短編『脱獄日和』(2020)が第42回ぴあフィルムフェスティバルにて1次審査通過しました。
そして、本作『竜宮の誘い』を製作し、田辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリを受賞しました。
映画『竜宮の誘い』のあらすじ

(C)Yamada Jun/Cinemago
キャバクラ「竜宮城」でボーイとして働く若者・サトウには食人願望がありました。
ある日、勤務先のゴミ箱から偶然スマートフォンを拾ったサトウは、パスワードを解除し中身を見てしまいます。
するとサトウの前に謎めいた2人組が現れ、脅されて中身のわからない怪しい物を運ぶ裏仕事に従事し始めます。
違法な仕事でお金を手にしたサトウは、己の欲求を抑えられなくなっていき……。
映画『竜宮の誘い』の感想と評価

(C)Yamada Jun /Cinemago
“インディーズの登竜門”と呼ばれる田辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリを受賞した『竜宮の誘い』。食人願望というカニバリズムを題材にした本作は、田辺・弁慶映画祭で初めて18歳未満の鑑賞は禁止という制限付きで上映されました。
なぜ人を食べたいと思うのか、その欲求はどこへと突き進むのか……澱んだ感情や無法地帯の裏社会を通して突きつけられる倫理観。
食人行為は許されぬ行為であり、好奇心や欲望を抱いたとしても多くの人は実行しない、してはいけない行為です。
人は、そうあるべき倫理観に基づいて行動していますが、それはどのようにして、誰が決めたのでしょうか。そのリミッターが外れたら、人は、世界はどうなるのでしょうか。
人間の飽くなき好奇心と欲望の根源を見つめ、多くの人がそうあるべきと思い込んでいる倫理観そのものを観客に問いかけてきます。
また、主人公のサトウがボーイとして働くキャバクラの名前は「竜宮城」です。「竜宮城」と聞いてイメージするのは、昔話「浦島太郎」に登場する、乙姫の住む竜宮城でしょうか。
しかし、「竜宮」は時に下界やあの世として古事や神話に登場することもあります。サトウが誘われている世界はどのような世界なのでしょうか。
サトウが足を踏み入れた裏社会の恐ろしさとサトウ自身が抱く欲求が狂気に変わっていく恐ろしさ……。本作はこの点に注目し、人間の欲求の深淵を描いたダークサスペンスとなったと言えます。
また、裏社会の様子などはノワール映画のような空気感もある映画になっています。
まとめ
キャバクラのボーイとして働くサトウの心の奥にある食人願望。多くの人がサトウの願望を理解できないと思うのではないでしょうか。
だからこそ、そのような欲求をサトウがなぜ抱くのか、知りたいと思うのです。サトウが抱える闇、その奥にあるものとは何なのか。
理解できないからこそ、見たいと思う、そんな観客の欲求に対し、本作は倫理観そのものを突きつけてきます。
サトウの欲求はどこに向かい、サトウは超えてはならない一線を超えてしまうのでしょうか。
誰もが見ないふりをしているけれど、見たいという欲求もある、そんな人間の根源的な部分を問いかける本作はある意味挑戦的とも言えるでしょう。
本作の監督を務めた山田純監督は、在学中に制作した映画『再来の予感/光の子供たち』(2018)がCinema Terminal Gate004にて上映され、友人と共同で製作した『脱獄日和』(神戸竜馬監督、2020)が第42回ぴあフィルムフェスティバルにて1次審査を通過します。
その後製作された『竜宮の誘い』が、田辺・弁慶映画祭の弁慶グランプリに選ばれています。今後どのような映画を製作するのか、楽しみな気鋭の監督と言えます。

































