スティーブン・ソダーバーグ監督が手がけ、ジョージ・クルーニーほかオールスターキャスト共演で話題を集めた「オーシャンズ」シリーズがオール女性キャストで大復活!
ハイセンスなクライムエンタテインメント『オーシャンズ8』をご紹介します。
スポンサーリンク
映画『オーシャンズ8』の作品情報
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
【公開】
2018年(アメリカ映画)
【原題】
Ocean’s Eight
【監督】
ゲイリー・ロス
【キャスト】
サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ミンディ・カリング、オークワフィナ、サラ・ポールソン、リアーナ、ヘレン・ボナム・カーター、ジェームズ・コーデン、リチャード・アーミテージ
【作品概要】
スティーブン・ソダーバーグが監督を務め、ジョージ・クルーニー他豪華キャストで話題を集め大ヒットした「オーシャンズ」シリーズが、新たに女性キャストだけで大復活!
サンドラ・ブロックがダニー・オーシャンの妹デビーを演じる他、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、リアーナ、ヘレナ・ボナム・カーター、サラ・ポールソン他、今をときめくハリウッドの実力派女優たちが総結集!
舞台はニューヨーク、メトロポリタン美術館で開催される世界的ファッションイベント「メットガラ」。彼女たちのターゲットは、1億5000万ドルの宝石。門外不出の宝石を如何にして手に入れるのか!? 彼女たちの緻密な作戦が始まる!
制作スティーブン・ソダーバーグ、監督ゲイリー・ロスが描く華やかな痛快劇!
映画『オーシャンズ8』のあらすじとネタバレ
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
刑務所に収容されて5年。ようやく仮出所が決まったデビー・オーシャン。
仮出所後は、犯罪者と接触してはならないという規則があるのですが、彼女の家族はかつて“オーシャンズ”を率いた兄のダニー・オーシャンを筆頭とする犯罪一家。
規則を守り、誰とも接触せず、地味に暮らしますと誓ったデビーでしたが、どうみてもゴージャスで派手な服装でバッチリ決め、出所します。
わずか数百ドルの所持金しかない彼女でしたが、巧みに高級化粧品を手に入れ、高級ホテルに無料でチェックイン。
デビーはかつての仲間で今はナイトクラブを経営しているルーを訪ねます。
デビーは刑務所での5年間、考えに考え抜いた計画をルーに語り、実行に移すべく二人で仲間集めを開始。
天才ハッカーのナインボール、ジュエリー職人のアミータ、スゴ腕スリのコンスタンス、ファッションデザイナーのローズ・ワイルド、盗品ディーラーのタミーが新たな「オーシャンズ」として集合します。
ターゲットはニューヨークのメトリポリタン美術館で開催される世界一のファッションイベント「メットガラ」。
本年度、ホストを務めるのはハリウッド女優のダフネで、デビーは彼女を利用することを企んでいました。
彼女に1億5000万ドルの宝石”トゥーサン“を身につけさせ、それをまんまといただこうという計画です。一人あたりの分け前は1600万ドル!
トゥーサンはカルティエの地下金庫に保存された門外不出の代物。それをダフネにつけたいと思わせなくてはなりません。
デビーとルーはローズ・ワイルドが若手の人気スター、ペネロピーと蜜月であるというでっち上げ記事をこしらえ、ダフネに嫉妬させます。
思惑通り、ダフネは自分の衣装のデザイナーにローズを指名してきました。
ローズはダフネにトゥーサンは自分にしか似合わないと納得させるとカルティエと交渉に入りますが貸出を拒否されます。しかし、巧みな話術で説得し、OKを取り付けました。
次に取り掛かるのは、トゥーサンのレプリカを作ること。ローズとアミータをカルティエのNY本店に送り込み、「創作活動の一環」という名目で実物を見せてもらい、カメラ付き特殊眼鏡でスキャンすることに成功。
それを3Dコピーし、まんまとレプリカを作りあげました。
さらに覆面芸術家バンクシーが美術館内に作品を持ち込んだという事件を起こします。
主催者側はあわてて警備の強化を図り、それに乗じてナインポールが、設計担当者のパソコンをハッキング。警備情報を盗み取り、監視カメラの位置をずらして、トイレの出入り口に死角を作り出しました。
タミーは、イベントの主催者である「Vogue」編集部に欠員補充として入り込み、メットガラに招かれたセレブたちの座席表などの情報をゲット。ダフネの隣の席には名前が書かれておらず、彼女が同伴する人が座るとのこと。
ここで、デビーはクロードという男をダフネに近づけます。このクロードという男、実は以前デビーが付き合っていた男で、この男のせいで刑務所行きと相成ったという過去がありました。
ルーはデビーが私情をはさんでいることに不安を感じますが、デビーは絶対大丈夫だと言い切り、作戦を続行させます。
ダフネとクロードはデビーの思惑通り意気投合。ダフネはクロードを同伴者に選びました。
いよいよメットガラ開催の日がやってきました。ダフネの首にはトゥーサンが燦然と輝いていました。豪華なセレブたちに混じってデビーもセレブとして紛れ込みます。
会場の監視カメラの映像は全てナインポールがハッキングしており、他のメンバーも会場スタッフとして、潜り込んでいました。
テーブル席についたダフネには薬のはいったスープが配膳され、気分が悪くなったダフネはトイレに駆け込みました。
カルティエの警備員があわてて彼女を追い、女子トイレの中にまでついていく勢いでしたが、トイレの前に控えていたデビーがそれを阻止します。
そのままデビーはそこを離れます。アリバイを作るために監視カメラにわざと映ったのです。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
映画『オーシャンズ8』の感想と評価
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
サンドラ・ブロック扮するデビーが昔の仲間のルーと再会し、刑務所暮らしの5年間、練に練った計画を実行するために仲間を集めていく様は、ソーダーバーグ版『オーシャンズ』シリーズを律儀に踏襲しています。
仮釈放の審査で大人しく慎ましくしていたデビーが、ド派手な格好で出所していくシーンにはにやりとさせられ、その後のダニー・オーシャンの妹であることを瞬時に納得させるエピソードも巧みです。
ルーを演じるケイト・ブランシェットは相変わらず素敵でかっこよく、まるで宝塚の男役のような颯爽とした魅力に溢れています。
ヘレナ・ボナム・カーターの素敵なコメディアンぶり、リアーナの溌剌とした可愛らしさ、ラッパーだというアジア系のオークワフィナの圧倒的存在感、ミンディ・カリングのどーんとした安定感と安心感。
個性的な面子が集まっていく様子がテンポよく描かれています。
女性だけの「オーシャンズ」の活躍が実に楽しく、彼女たちがノリノリで演じているのが画面の隅々から伝わってきます。チームワークが良いからこそのこのノリノリ感なのでしょう。
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
おっと忘れていけないのは、盗品ディーラー役のタミーを演じたサラ・ポールソン。彼女はFXのミニシリーズ『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』(2016)の検察官のマーシャ役が素晴らしかったのですが、本作でも、仕事の出来る女性を溌剌と演じています。
そして、そして、アン・ハサウェイがなんてったって最高なのです! ちょっとばかりビッチなスター女優を演じているんですが、セルフパロディ的な自虐ネタもあり、彼女がそれを屈託なく演じているのがたまらなくチャーミング!
もうすっかり彼女の虜になってしまいました!
まとめ
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
メットガラとは映画を見れば分かる通り、毎年5月最初の月曜日にニューヨークのメトロポリタン美術館で開催される世界的に知られるファッションの祭典です。
US VOGUE編集長アナ・ウィンターがディレクターを務め、メットガラをファッションのアカデミー賞と称されるイベントに育てあげました。
アナは、『プラダを着た悪魔』(2006/デヴィッド・フランケル監督)の鬼編集長のモデルとも言われていて、『オーシャンズ8』にも自身役でゲスト出演しています。
昨年『メットガラ ドレスをまとった美術館』(2016/アンドリュー・ロッシ監督)というドキュメンタリー映画が日本でも公開されました。2015年のメットガラ開催に向けて、何ヶ月も人々が尽力する姿と、当日の華やかな模様が映し出され、メチャクチャ面白かったのを覚えています。
2015年は中国のファッションに焦点を当てた展覧会が企画されていて、ウォン・カーウァイが美術ディレクターを担当。『オーシャンズ8』では「ヨーロッパ王室」がテーマとなっていたように、メトロポリタン美術館の服飾部門の企画と連動したイベントとなっています。
『オーシャンズ8』にも登場したセレブたちの座席表ですが、ただ適当に割り振りしたわけではなく、アナを始めスタッフが真剣に話しあって決定する様子が映し出されていました。
セレブ同士の関係性などデリケートな問題も含む、あらゆる情報を駆使した上で出来上がったものなのです。
オーシャンズたちがこの座席表の情報をゲットするためにタミーを編集部に送り込むのも納得の重要な情報というわけです。
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
ちなみにハッカーのナインボールを演じたリアーナはこのドキュメンタリーにも、招待されたセレブとして、メインの扱いで登場していました。
一般の人々はこの祭典を観ることが出来ないので、『オーシャンズ8』はその内幕を覗き見る楽しさもあり、また、見事宝石を奪ったあと、オーシャンズの面々がドレスに着替えてキャットウオークするシーンの意気揚々さは高揚感に満ちあふれています。
プロフェッショナルな特技を持つ面々がそれぞれ完璧に自分たちの役割を遂行する様が、メットガラという完璧な美の祭典で繰り広げられる。そのことが、本作を最高にハイセンスなケイパー映画たらしめています。