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映画『アダム&アダム』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。NetflixのSFタイムトラベルおすすめをライアン・レイノルズで主演で魅せる|Netflix映画おすすめ89

  • Writer :
  • 秋國まゆ

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第89回

2022年3月11日(金)にNetflixで配信された映画『アダム&アダム』。ショーン・レヴィが製作・監督を務めた、アメリカのSFタイムトラベル・アドベンチャー作品です。

舞台は科学技術が発展した2050年。タイムトラベル技術の発明を阻止するべく、全ての鍵を握る2018年の世界に向かう戦闘機パイロットのアダム・リード。その中で彼は偶然にも、少年時代の過去の自分と出会うことになります。

大人になったアダムと生意気盛りの12歳のアダムが、時空を超えた冒険を繰り広げていく、ライアン・レイノルズ主演の映画『アダム&アダム』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら

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映画『アダム&アダム』の作品情報


Netflix映画『アダム&アダム』

【配信】
2022年(アメリカ映画)

【脚本】
ジョナサン・トロッパー、T・S・ノーリン、ジェニファー・フラケット、マーク・レヴィン

【監督】
ショーン・レヴィ

【キャスト】
ライアン・レイノルズ、マーク・ラファロ、ジェニファー・ガーナー、ウォーカー・スコーベル、ゾーイ・サルダナ、キャサリン・キーナー、アレックス・マラリ・Jr

【作品概要】
「ナイト ミュージアム」シリーズや『フリー・ガイ』(2021)のショーン・レヴィが製作・監督を務めた、アメリカのSFタイムトラベルアドベンチャー作品です。

「デッドプール」シリーズや『レッド・ノーティス』(2021)のライアン・レイノルズが主演を務め、さらに製作も兼任しています。

映画『アダム&アダム』のあらすじとネタバレ


Netflix映画『アダム&アダム』

科学技術が発達した2050年。空軍の戦闘機パイロットのアダム・リードは、時間旅行ができるジェット機「タイムジェット」を盗み、ある目的のために2018年の世界へ向かおうとします。

しかしタイムジェットを盗んだ時に撃たれ、タイムジェットも壊されたせいで座標を間違えてしまい、アダムが到達したのは2022年の世界でした。

2022年。喘息持ちで小柄な体格のせいで、同級生のレイ・ダラハイドとチャックにいじめられている12歳のアダムは、亡き父ルイスのことを悪く言うレイと喧嘩し、3回目の停学処分を食らいました。

そんなある日、彼の元に未来のアダムがやって来ます。12歳のアダムは、自分しか知らないことを知っている彼が未来の自分であると察すると、すぐに事態を飲み込みました。

アダムにしか分からないこと。それは7歳の頃テーブルに激突し顎に12針縫った傷があること、ルイスの車庫に入れること、閉まりが悪い冷蔵庫の閉め方を知っていること。

愛犬ホーキンズの名前を知っていること、喘息発作を起こした時の呼吸の数え方を知っていること、そしてルイスの形見である腕時計を着けていることです。

未来の自分に興味津々の子供のアダムに対して、過去の自分に会いたくなかった大人のアダムは、すぐに2018年へ向かおうとします。

しかし盗んだ時に腹を撃たれ負傷した大人のアダムは、搭乗者のDNAを認識し、負傷していなければ搭乗できるタイムジェットに、搭乗拒否されてしまいました。

なので大人のアダムは仕方なく、過去の自分のDNAを使って、タイムジェットへ搭乗。盗んだ時に壊されたタイムジェットの装甲と、漏出した冷却液を自動修復させます。

そして大人のアダムは、傷が完治するまでの間、ルイスの車庫に身を隠し、2022年に留まることにしました。

翌日、大人のアダムは傷の治療のために必要なものを買うため、薬局へ行こうとします。

そこへ子供のアダムが現れ、「血で染まった服で行くより、パパの服を着ていったら?」と彼に勧めました。

ルイスの服が入っているクローゼットを開けた時、大人のアダムは母エリーがまだ、夫の服を捨てられずにいるほど、2年前に事故で死んだ父の死を引き摺っていることを悟りました。

それに気づかず、「ママは整理下手だから」と言った子供のアダムに、彼はこう言いました。

「お前にはママがいるが、ママは誰にも頼れない。夫の服を捨てられないほど傷ついている」

「なのに息子は反抗的で、寄り添ってくれない」「このままだと、30年間もママへの態度を後悔することになるぞ」

その後、大人のアダムは、自分もルイスも気に入っていた父の服に着替え、子供のアダムと一緒に薬局へ。彼の買い物が終わるのを待っていた子供のアダムは、同じく停学処分を食らったレイたちと遭遇します。

そこへ、買い物を済ませた大人のアダムが登場。子供のアダムは、彼が助けてくれると思っていましたが、彼はレイと正々堂々戦うように言ってきたのです。

「お前が小さくて生意気だからレイはいじめる。でもレイは争いたくない」「お前もそうだということがレイに伝わっていないんだ」

「だから手を上げて近寄り、レイの目をよく見ろ」「そして“この時を待ってた”という笑顔を浮かべろ。“どうしても今伝えたい”ってな」

「そしたら膝を突き、モッコリした部分を打て」………大人の自分との打ち合わせ後、子供のアダムはレイに立ち向かっていきましたが返り討ちに遭い、いじけて倉庫に閉じこもってしまいます。

大人のアダムはレイを脅した後、過去の自分を追いかけるように倉庫に戻り、扉越しにこう言いました。

「俺が助けなかったのは、お前が負ける必要があったからだ」「耐え抜かないと、お前は俺にはなれないんだよ」

すると子供のアダムは、彼がもたれかかっている倉庫の扉に近づき、彼の荷物から見つけた写真の女性が誰か尋ねます。

大人のアダムは「妻のローラだ、今はもういない」と答え、倉庫の前から立ち去り、バーへ向かいました。

そのバーには、偶然にもエリーがいました。エリーはこの2年間、1人で生意気で反抗期の息子を育ててきた苦労を、知り合いのバーテンダーに話していました。

それを近くの席で聞いていた大人のアダムは、エリーにこう言いました。「あなたは何も悪くない。10代の男子は文句ばかり言って母親を苦しめるし最悪だ」

「でも男は必ず、愛するママの元へ戻る。俺のママは最高のママだ」「息子さんにも、未だに夫の死を引き摺って辛く悲しいんだって気持ちを伝えて」

「強がっているのをそのまま受け取って、あなたが平気なんだと思ってる」「平気じゃなくてもいいんだ」

「息子さんは憎んでない、あなたを心の底では愛してるよ」………そう言って立ち去った大人のアダムを、咄嗟にエリーは追いかけましたが、見失ってしまいました。

以下、『アダム&アダム』ネタバレ・結末の記載がございます。『アダム&アダム』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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Netflix映画『アダム&アダム』

翌日。子供の自分と朝食をとっていた時、大人のアダムは妻ローラのことを話しました。

物理学者のルイスが、強力なパルスでワームホールを作る理論「アダム・プロジェクト」に則り、時間旅行できる磁性粒子加速器を発明したこと。

その時間旅行の講義で、ローラと出会って恋をしたこと。2018年へワープしたローラは、いくら待っても戻って来ず行方不明であること。

機体のログが改ざんされたせいで、ローラが何故2018年へワープしたかも分からないこと。

そんなローラはもしかしたら、ルイスの技術で金を稼ぎ人を買収し、時間を支配したマヤ・ソリアンの秘密を知ってしまい、彼女に殺されたかもしれないことを………。

するとそこへ、アダムを追ってワープしてきたソリアンと、アダムの元同級生でありソリアンの護衛クリストスとその部隊が襲来。

大人のアダムはライトセーバー「マグシル」を使って迎撃するも、多勢に無勢。苦戦し、窮地に追いやられてしまいます。

するとそこへ、2018年にいるはずのローラが登場。大人のアダムは心強い味方である彼女と一緒に、クリストスの手下たちを倒し、湖畔にある彼女の隠れ家へ向かいました。

ローラはそこで、アダムにこう言いました。「アダムの居場所が分かったのは、いつでもあなたを見守っているから」

「ワープした理由は、2018年から戻る機体のログを見つけたから。でも2018年に飛んだ人はいない」

これを聞いた子供のアダムは、「2018年に行った人が時間の流れを変え、2018年に行くという未来が消えた」と言い当てます。

続けてローラは、アダムにこう言いました。「アダム・プロジェクトがネットで公開された2018年11月に行ったのは、マヤ・ソリアンよ」

「ソリアンは昔の自分に未来を教えに行った。株の情報でも伝えて金を稼ぎ、時間の支配に邪魔な敵を排除するためかも」

その時、ソリアンは時間の支配をしていませんでした。しかし、この2022年の世界は既にソリアンによって改変されています。

「彼女は私を発見し、クリストスに私の機体を爆破するよう命じた」「脱出できたけど、機体なしじゃ戻れない」

「だから決まりに従い、人目を忍んで痕跡を隠し、あなたが来ると信じて4年間、たった独りでここで暮らしてた」

「2018年に行って全てを終わらせてきて」「時間旅行の発明を阻止し、未来を救うの」

ただ時間旅行の存在を消してしまうと、2人が出会うきっかけである時間旅行の講義がなくなり、2人は出会えず結ばれません。

そう反論するアダムに、ローラはこう言いました。「時間の流れを修正しても、私たちの中に影響は残る。だからまた必ず出会えると信じてる」

その直後、隊を再編成したクリストスの部隊が襲来。ローラは2人のアダムを逃がし、1人湖畔に残ってクリストスたちを迎撃します。

一方アダムは、過去の自分を連れてタイムジェットのところまで逃げて、一緒に2018年へ向かおうとしました。

しかし、子供のアダムは「まだ青春を満喫してないから、ここに留まって残りの人生を楽しみたい」と言って拒否します。

これに対し大人のアダムは、今まで彼が聞きたがっていた未来のことを話し、再度協力を求めました。

「父の死が思った以上に辛く心を病む。何の成果もなく高校卒業だ」「マシだった大学生活も馬鹿な真似をして奨学金を失い、台無しだ」

「空軍に入り、飛ぶのが得意と知った」「時間旅行が発明され、世界は崩壊する。そして唯一愛した女性を奪われるんだ」

「他の幸せは全てソリアンに壊された」「だから一緒に2018年にいるパパを見つけて、未来を救おう」

2人のアダムが悲惨な末路を辿った未来を救うため、2018年へ向けて飛び立ちます。その2人が搭乗するタイムジェットを見送ったローラは、ソリアンが操縦するタイムジェットの機銃に撃たれ死亡。

ソリアンはクリストスと合流し、彼に操縦を任せてアダムたちを猛追。アダムは敵のタイムジェットと衝突寸前にワープし、2018年へ到達しました。


Netflix映画『アダム&アダム』

2018年へ到達後、2人のアダムは大学で教鞭を執るルイスの元を訪れました。ルイスは突如現れた2人の息子に驚きつつもすぐに事態を飲み込み、彼らにこう言いました。

「自分たちが何をしているのか分かっているのか、元の時間軸以外にいてはいけない」

本来人間が属する時間軸は1つだけです。その本来属する時間軸「フィックス・タイム」以外の他に行ってしまうと、その時間軸の秩序が乱され、あらゆる行動が歴史の分岐を招いてしまいます。

大人のアダムはルイスに、ずっとルイスの研究の資金援助をしてくれているソリアンが、既に歴史を変えてしまったことを伝えます。

4週間前にワームホールを生成したばかりで、まだ時間旅行は仮説に過ぎなかったはずなのに、それがネットで公開され実証されたことも知り、ルイスは愕然としました。

大学からモーテルに移動した後、ルイスは2人のアダムにこう言いました。「すまない、すべて私のエゴと、優れた人間になりたい欲が惨事を招いた」

大人のアダムは言いました。「マヤが歴史を変え、世界を支配した。だからこそ時間旅行の存在を消すしかない」

これに対しルイスは、「大人のアダムの提案は危険で、自分たちの手に負えない」と反対し帰宅。子供のアダムは彼と衝突した大人のアダムの元へ向かい、「パパを恨んでいる気持ちが分かる」と言いました。

それは大人のアダムが言う、息子より仕事を愛し家に帰ってこないからではなく、ルイスが死んだからだと言い当てます。

父の死を悲しむよりも、恨んだ方が楽だからです。そして子供のアダムは、大人の自分が忘れてしまったことを言いました。

「仕事帰りで疲れてたのに、パパは毎晩キャッチボールをしてくれた」「デパートを通るたびに、窓に飾ってあったリターンネットが欲しいとねだって、買ってもらったことも覚えてる」

「どんなに疲れてても、リターンネットに向かって投げる僕を見れば、ミットを持って庭に来てくれた」

「僕らは辛い経験をした、それを受け入れるのが下手なせいで、僕はママを困らせてる」

「だって…悲しむより怒る方が楽だ」「年を取ってその違いが分からなくなる」

一方ソリアンは、過去の自分の元へ現れ、こう警告しました。「政府に自分たちの宝である会社を奪われれば、今まで払ってきた犠牲も、耐えてきた長い長い孤独も無駄になる」

「存在ごと忘れ去られる未来を私が変えたのよ」「時間旅行が存在しなければ、私が世界を支配できないからここへ戻ってきた」

翌日。2人のアダムは厳重警備が敷かれたソリアンの会社へ乗り込み、大人のアダムはマグシルを使ってクリストスの部隊と戦い、子供のアダムがドローンを遠隔操作して援護します。

するとそこへ、ルイスがエリーの車に乗って登場。危うく敵の車に轢かれそうだった大人のアダムを、車を突撃させて救出しました。

ルイスは大人のアダムと衝突しつつ、彼にこう提案しました。「磁性粒子加速器を壊しても作り直されるだけだ」

「だから無限シフトプラズマ含有アルゴリズム“ISPCA”を狙え。ワームホールを安定させ、時間旅行を可能にする数式だ」

「この数式は他人に見せたことはない、私の頭の中にある。あと地下の硬い脳模倣型処理機“ハードドライブ”の中に」

「アルゴリズムを走らせるドライブが、磁性粒子加速器の中枢に存在する。理論上、そのドライブを破壊すれば時間旅行は消すことが可能だ」

ただドライブを磁性粒子加速器から抜いてしまうと、休眠状態でのループに入るか、メルトダウンが起きて160キロ圏内の生物が死滅する可能性があります。

前者になることに賭けた大人のアダムとルイスは、ドライブを磁性粒子加速器から引き抜きました。

するとそこへ、この時代と未来のソリアンが、クリストスの部隊を引き連れ襲来。未来のソリアンはルイスを糾弾し、アダムに抜き取ったドライブを渡すよう命じます。

「何億もの私の資金を、あなたが楽しむために使った」「でもこれ(磁性粒子加速器)は、私のしたいようにするための物よ」

さらに未来のソリアンは、捕らえた子供のアダムを人質に取り、自分に従うよう脅迫しました。

大人のアダムは考えるふりをして皆の注意を引きつけ、子供のアダムに目配せをします。子供のアダムは彼の意図を瞬時に理解し、未来のソリアンを突き飛ばしました。

その瞬間、未来のソリアンが持っていた銃が誤射し、磁性粒子加速器に被弾。電磁シールが損傷し、ありとあらゆる金属が磁性粒子加速器の炉心に吸い寄せられていきます。

クリストスの部隊の1人に捕まった子供のアダムは、彼らと一緒に磁性粒子加速器の炉心に吸い寄せられてしまい、ルイスは息子の救出へ向かいました。

大人のアダムはクリストスと激闘を繰り広げ、武器を取り上げたはいいものの、苦戦を強いられてしまいます。

そこへ自力で脱出した子供のアダムが、大人のアダムが落としてしまったマリジンを持って登場。クリストスに果敢に立ち向かいましたが、返り討ちに遭いました。

クリストスは大人のアダムに馬乗りになり、彼の首を絞め殺そうとします。大人のアダムは、近くにある金属の扉の一部が炉心に吸い寄せられるタイミングを見計らい、クリストスを突き飛ばしました。

クリストスは金属の扉の一部と激突し、そのまま炉心の中へ消えていきました。炉心が破損しリアクターが不安定になり、磁性粒子加速器は排出を開始します。

未来のソリアンは、徹甲弾入りの銃を構え、ドライブを渡さないルイスを殺そうと銃を発砲。

しかし徹甲弾は磁性鋼が含まれているため、磁力によってこの時代のソリアンへ軌道が変わってしまい、過去の自分が死んだことでソリアンは消滅。

間一髪のところで、地下の格納庫の自動封鎖から逃れたルイスと2人のアダムは、この時代のエリーとアダムが不在の家へ帰宅。

大人のアダムが、ルイスが事故死したことを伝えようとすると、ルイスに遮られます。

実はルイスは、2人のアダムと出会った時点で、自分がいずれ息子の成長を見守ることができずに死ぬことを悟っていました。

「お前たちが私の未来だ。成長したお前たちの姿をこの目で見れたことは、この上ない幸運だ」

「そばにいてやれなくてすまなかった」「お前たちは私の息子で、私の誇りだよ」

「愛してる、この愛は永遠だ」「お前たちはどんな時でも私の息子だよ」

ルイスは涙を流す2人の息子を抱き締めました。その後、3人は家の庭に出てキャッチボールをしました。

ルイスが取りこぼしたボールを取って振り返ると、そこにいたはずの2人のアダムはいませんでした。

2022年に戻った子供のアダムは、大人のアダムとの約束を守り、彼の分までエリーを抱き締め、「愛してる」と伝えました。

未来へ戻った大人のアダムは航空の講義中、計算言語学を専攻しているローラと出会い、彼女と再び恋に落ちるのでした。

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映画『アダム&アダム』の感想と評価


Netflix映画『アダム&アダム』

重大なミッションに挑む2人のアダム

ある日突然、子供のアダムの前に現れた大人のアダム。それはもっと驚くべきところなのですが、やはり物理学者の息子だからか、子供のアダムは事態を早く飲み込みます。

未来の自分に興味津々な子供のアダムに対して、大人のアダムは過去の自分なんて見たくなかったという温度差の違いや、同じ自分だけれどどこか違うからこそ生じる凸凹コンビっぷりが面白いです。

また、子供のアダムと大人のアダムは、亡き父親への想いも違います。恋しくて仕方がない子供のアダムに対して、大人のアダムは亡き父親との大切な想い出を忘れてしまったが故に、息子より仕事を優先する彼をずっと恨んでいました。

でもそれは、最愛の父親を失った悲しい気持ちでいるよりも、怒っている方が気持ちが楽でいられたからです。

それを子供のアダムに言い当てられた大人のアダムは、それ以降彼と協力して未来を救おうと奮闘します。

2人のアダムが共闘するアクション場面は、作中で一番ワクワクドキドキさせられますし、ふとした瞬間に訪れるギャグ要素が面白いです。

二度の出会いと別れ


Netflix映画『アダム&アダム』

大人のアダムが2022年にワープしてきたのは、行方不明の妻ローラを探すためでした。2018年へワープしたローラもまた、大人のアダムが自分を探しにくるのをずっと待ち続けていました。

ですが、2人はまたしても別れなければなりません。それは、ソリアンが世界を支配した未来を救うため、2人のアダムはどうしても2018年へワープして、時間旅行そのものを破壊しなければならないからです。

大人のアダムはもちろん、彼に気丈に振舞い過去へ送り出したローラ自身も、本当はもう二度と離れたくないのが本音でした。

ただでさえ大人のアダムとローラは4年間、2050年と2018年と別々の世界にいて離れ離れでいましたから、もう一度会えた喜びも、また離れなければならない辛さは計り知れません。

そんな大人のアダムとローラが別れる場面と、物語のラストで再び出会う場面は、涙なしでは観られないほど感動します。

まとめ


Netflix映画『アダム&アダム』

ある日突然未来からやって来た大人のアダムが、生意気盛りの子供のアダムと一緒に、未来を救うために時間旅行するアメリカのSFタイムトラベルアドベンチャー作品でした。

大人のアダムが子供のアダムに教えた、30年間の後悔。それは父親亡き後、ずっと1人で自分を育ててくれた母親エリーに、感謝と愛を素直に伝えられなかったことです。

大人のアダムが子供のアダムにエリーが抱える辛く悲しい気持ちを、またエリーに子供のアダムが素直に言えない感謝と愛の言葉を、どうして心無い言葉で傷つけたり反抗してしまったりするのかを、それぞれに語る場面は観ているだけでも胸にグッときます。

そして物語のラストで、2人のアダムと父親ルイスが抱き合い、最初で最後のキャッチボールをする場面は、作中で一番感動する場面です。

エリーとルイスとそれぞれ和解した2人のアダム。別れの言葉を言うことなく元の世界へ戻っていった彼らに、きっとルイスは心の中で2人へのエールと愛の言葉を贈ったことでしょう。

過去と未来が出会う時、2人のアダムは悲惨な未来を救うために立ち上がる。笑いあり涙ありのSFタイムトラベルアドベンチャー映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。

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