王《キング》が目醒める。
怪獣王ゴジラが、災厄の化身ギドラが、怪獣女王モスラが、空の支配者ラドンがスクリーンで死闘を繰り広げる!
“モンスター・ヴァース”シリーズ第三弾にして、ついに完成した究極の怪獣映画。
日本が誇るコンテンツ「ゴジラ」が史上最大級のスケールで帰ってきました。
怪獣ファンはもちろん、誰が見ても圧倒されること間違いなしの神話的映像絵巻です。
スポンサーリンク
CONTENTS
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の作品情報
(C)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
【公開】
2019年5月31日(アメリカ映画)
【原題】
Godzilla: King of the Monsters
【監督】
マイケル・ドハティ
【脚本】
マイケル・ドハティ、ザック・シールズ
【キャスト】
カイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン、サリー・ホーキンス、渡辺謙、チャン・ツィイー、ブラッドリー・ウィットフォード、チャールズ・ダンス、トーマス・ミドルディッチ、オシェア・ジャクソン・Jr、アイシャ・ハインズ
【作品概要】
2014年の『GODZILLA ゴジラ』、2017年の『キングコング 髑髏島の巨神』に続く“モンスター・バース”シリーズの第三弾。
今回はお馴染みのゴジラに加え、キングギドラ、モスラ、ラドンという「ゴジラ」シリーズのオールスター怪獣たちが一挙に集結し、究極の怪獣バトルを繰り広げます。
監督は『X-MEN2』『スーパーマン リターンズ』の脚本を務め、本作が初監督作となるマイケル・ドハティ。自他ともに認める怪獣マニアぶりを発揮して、外連味と愛に溢れた描写の数々を作り出しています。
主演は『ゼロ・ダーク・サーティ』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』や『ファースト・マン』の脇役などで存在感を発揮してきたベテラン、カイル・チャンドラー。
他にも、大ヒットドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』でブレイクした子役ミリー・ボビー・ブラウンや『マイレージ・マイライフ』や「死霊館」シリーズでの演技が高く評価されたヴェラ・ファーミガら実力派キャストが集いました。
そして『GODZILLA ゴジラ』から引き続き、渡辺謙、サリー・ホーキンスも出演しています。
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のあらすじとネタバレ
(C)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
2014年、サンフランシスコで怪獣“ゴジラ”が敵対する怪獣“ムートー”と戦い、壊滅状態になった市内では動物学者のマーク・ラッセルと古生物学者で妻のエマ・ラッセル、そして彼らの長女マディソンは、はぐれてしまった長男アンドリューの名を叫んでいました。
時間は飛び、2019年。古代より存在する巨大生物たちを長年秘密裏に研究してきていた機関・モナークはゴジラの出現によってその存在が明るみになり、2014年の惨劇を防げなかったことでバッシングを受け続け、組織解体の要請まで叫ばれていました。
長年モナークでゴジラを研究してきた芹沢博士は、米政府への説明会で「人間を守る怪獣もいる。共存すべきだ」と主張します。
一方、息子アンドリューの死をきっかけにラッセル夫妻は離婚し、エマとマディソンは中国・雲南省にあるモナークの第61前線基地で暮らしていました。
ある日、その基地が研究対象としていた巨大生物が長い眠りから覚めて活動を開始します。それは、蛾の幼虫に似た姿をした“モスラ”でした。
エマは自身が開発した怪獣と意思疎通を測るための音響装置“オルカ”を起動させ、目覚めたばかりで興奮状態にあったモスラを大人しくさせます。
(C)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
しかし、謎の傭兵部隊が基地を急襲。エマとマディソンは誘拐され、その他の研究員たちは殺害されてしまいました。
雲南省基地が襲撃されたことは、世界中のモナークに伝わります。調査の結果、エマ達を誘拐した傭兵部隊は元イギリス所属の軍人アラン・ジョナが結成した反政府主義と超自然主義を掲げる過激派集団であり、巨大生物たちを次々と蘇らせようと画策していることがわかります。
ジョナは、地球のバランスを保つためには環境を破壊している人間を滅ぼす必要があると唱え、各地の巨大生物を呼び起こす必要があると考えていました。そして、エマたちが持つオルカを利用するために彼女らを誘拐したのです。
雲南省のモスラも解放され、繭を作って成虫に成るのを待っていました。芹沢博士は離れて暮らしていたマークに妻子が誘拐されたことを知らせ、彼女らの救出にともに協力するといいます。
そこにジョナたちを乗せた飛行機が南極に向かっているという報告が入り、芹沢や彼の右腕的存在であるグラハム博士は青ざめます。南極にはモナークの前進基地があり、そこには氷漬けで封印されている恐るべき怪物が眠っていたのです。
マークたちが南極に全速力で向かう中、ずっと姿を消していたゴジラも南極に向かっていることがわかります。
しかし、ゴジラはレーダーから突如消滅。芹沢は、ゴジラは地球に無数にある秘密の空洞を通ってより早く南極に向かったのだと言います。
南極に着いたマークはエマ達のところへ駆けつけますが、そこには巨大な氷の壁が有り、中には巨大な影がありました。
氷を爆破して怪物を蘇らせようとしている傭兵たちと、それを阻止しようとするマークや軍人たちの間で戦闘が始まります。
マークはエマに早く逃げろと言いますが、彼女は思いつめた顔で「こうするしかないの」と言って床に落ちた起爆装置を拾い、スイッチを押してしまいました。
氷は崩れ落ち、基地は破壊され、マークたちは命からがら極寒の地表に逃げ出します。しかしエマとマディソンは、傭兵たちのヘリキャリアに乗って飛び去ってしまいました。
マークたちも早く飛行機に乗ろうとしますが、爆破された穴の中から、巨大な三つ首を持つ金色の龍“モンスター0”が現れます。
軍人たちの銃撃も歯が立たず、モンスター0は彼らに強力な電撃の光線を浴びせ消滅させてしまいます。
マークと生き残った数人は飛行機に乗り込んだものの、モンスター0に機体ごと噛み付かれ絶体絶命の状況に陥ります。しかしその瞬間、轟音とともに氷をぶち破り、ゴジラが現れました。
2体の怪獣が戦う中、マークたちは南極から脱出。モンスター0はゴジラと互角の強さを見せると、そのまま羽を広げて飛び去ってしまいました。
マークは妻が過激派側に協力したことにショックを隠せず、エマと一緒にいるマディソンも母に不信感を覚えていました。
やがてモナークの調査により、今度はメキシコのイスラ・デ・マーラ火山にある基地に異変が起きていることがわかります。そしてジョナの組織もメキシコに向かっており、オルカを使ってモンスター0も同じ方向に呼び出していました。
オルカに触発されたのか、イスラ・デ・マーラ火山からも“ラドン”という翼竜に似た怪獣が現れ、高速飛行によって発した超音波で麓の町を壊滅させてしまいます。モナークの軍隊は戦闘機を出撃させてラドンを攻撃すると、そのまま注意を引き続け市街地を離れさせます。
(C)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
芹沢の指示のより戦闘機はラドンをモンスター0の方向におびき寄せ、2体の怪獣を空中で激突させました。モンスター0は高い戦闘力でラドンを圧倒しますが、そこに後を追ってきたゴジラが海中から現れ再度襲いかかります。
マークたちは付近で戦いの行方を見守っていましたが、そこに米軍のステンツ海軍大将から、米軍が秘密裏で開発していた対怪獣の超兵器“オキシジェン・デストロイヤー”を発射したと連絡が入ります。
モナークの飛行機が退却していく中、海上で戦っていた3体の怪獣に向けてオキシジェン・デストロイヤーのミサイルが炸裂。
その名の通り、周辺の酸素を破壊することで地球上のあらゆる生物を死滅できる兵器であり、ついに怪獣たちを倒したかと思いきや、モンスター0とラドンは弱ることなく、ゴジラのみが倒れ海中に沈んでいってしまいます。
モンスター0は直前の戦闘で首を一つもぎ取られていましたが、新しい頭が生えてきて回復するとラドンとともに飛び立ってしまいます。
芹沢たちはそれを見て、モンスター0は地球上の生物ではないと気づきました。同行していた考古学者チェン博士は古代の文献を探り、モンスター0がかつて古代人を恐怖させた地球外生物“ギドラ”であることを突き止めます。
ゴジラのバイタル反応は、限りなく0に近づきつつありました。
その頃、オルカの影響なのか、世界各地でモナークが監視していた10数体の巨大生物が一斉に目を覚ましました。
雲南省にて成虫へと変化したモスラも活動を開始しますが、“彼女”は人類に対し友好的な存在であることが分かり、芹沢たちは希望を取り戻します。
(C)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
そして芹沢やマークたちが海中を探った結果、ゴジラは微細な放射能を発している海底の古代都市遺跡に身を隠し、生きながらえていることが判明します。
一方、ジョナとエマはオルカを使ってボストンに怪獣たちを呼び寄せようとしていましたが、とうとう母のやり方に反発したマディソンはオルカを持って、組織の基地を飛び出してしまいました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の感想と評価
神話のような怪獣絵巻
(C)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
2014年の『GODZILLA ゴジラ』から、5年。“モンスター・バース”というシェアード・ユニバース企画の第三弾として作られた本作は、怪獣愛に溢れた、怪獣のための映画になりました。
冒頭から回想でゴジラが登場し、その数分後にはモスラの幼虫が孵化、その直後に環境テロリストの陰謀が始まり南極のギドラが復活しゴジラと対決、その後メキシコでラドンが復活…といった風に行く先々で常に怪獣が出てきて暴れ、人間の物語はその最中に手際よく語られていくので一切ダレることがありません。
そして、怪獣をかっこよくリアリティを持って描くことにとても注力して作られています。
ゴジラをはじめ、各怪獣は一流のモーションキャプチャー俳優が動きや表情をつけており、ただ恐ろしいだけでなく時折親しみを持って感じられる存在として演じられています。
特にギドラは、3つの首それぞれの動きを別の俳優がキャプチャーを通じて演じているので、各首の性格の違いや動きのリアルさが増しています。
そして怪獣たちが登場・対峙する場面は、まるで歌舞伎の大見得を切る仕草のようで外連味満載。
最新のCG技術により、背景の色彩や細かい陰影まで緻密に作りこまれた画面は、神話をモチーフにした宗教画のような崇高さまでたたえており、大スクリーンで見ると陶然としてしまいます。
(C)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
本作における人間のキャラクターは、基本的に怪獣たちが動き出すきっかけを作ることに徹しており、いざ戦いが始まると傍観するしかない存在として描いているのも、本作の中心にあるのは人智を超えた神のごとき生物たちの闘いであるということを強調しています。
ゴジラシリーズへの愛あるオマージュ
大のゴジラファンであるというマイケル・ドハティ監督は、これまでに日本で製作されてきた旧シリーズへの目配せをたくさん入れてくれています。
1954年の元祖『ゴジラ』では芹沢という科学者が秘密裏にオキシジェン・デストロイヤーを開発し自分もろともゴジラを滅ぼすという悲しい結末を迎えますが、本作では同じ姓を冠する芹沢博士が、オキシジェン・デストロイヤーで弱ったゴジラを自らの犠牲で復活させて世界を救うという展開を迎えます。
渡辺謙の名演と「さらば友よ」というセリフも相まって、本作で最も泣けるシーンへと仕上がっています。
また74年生まれのドハティ監督は、リアルタイム世代であるためか、平成ゴジラシリーズへのオマージュも盛り込んでいます。
モスラがゴジラをかばってギドラの熱線で焼かれるシーンは、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001)にてギドラをモスラが庇ったことでゴジラに焼き殺されてしまうシーンとの対比になっています。
また熱核融合によって赤く燃えるゴジラは『ゴジラVSデストロイア』(1995)のクライマックスで登場したバージョンのゴジラのオマージュです。ちなみに『ゴジラVSデストロイア』ではゴジラはそのままメルトダウンを起こして消滅してしまいますが、本作ではそのまま怪獣たちの王として君臨します。
このように旧作の要素をなぞりつつも、シーンの意味合いは変えて新しい見せ場を作るという、敬意と創意工夫に溢れた精神を見せてくれるドハティ監督。
2020年公開の次回作『Godzilla vs. Kong』でも脚本を担当しており、怪獣ファンを興奮させる物語を作ってくれることが期待されます。
まとめ
(C)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.
最強の敵ギドラを倒し怪獣王に君臨したゴジラですが、“モンスター・バース”シリーズはこれからも拡大されていきます。
次回作では、遂に『キングコングVSゴジラ』(1962)以来のキングコングとの対決が実現。
また本作のラストにてギドラの首が残存していることが判明し、悪役ジョナがそれを買い取る様子が描かれていることから、別の形でギドラが復活する可能性も高いでしょう。
また、エビラ、バラゴン、ガイガン、へドラ、ビオランテ、デストロイアなど旧シリーズの怪獣も多数残っているうえに、本作でも少し登場した“モンスター・バース”オリジナルの怪獣たちも今後大暴れしてくれることが期待されます。
これからしばらくは怪獣ファンにとっては夢のような時代が続きますね。