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Entry 2017/08/17
Update

ブレードランナー(1982)あらすじと考察!松田優作は何を見たか?感想解説から読み解く“ SF映画魅力”

  • Writer :
  • 森谷秀

『ブレードランナー2049』の公開が2017年10月27日に差し迫りました。

続編の公開前に、前作『ブレードランナー』を振り返ってみましょう。

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1.映画『ブレードランナー』の作品情報

【公開】
1982年(アメリカ映画)

【原題】
Blade Runner

【監督】
リドリー・スコット

【キャスト】
ハリソン・フォード、ショーン・ヤング、ルトガー・ハウアー、ダリル・ハンナ、エドワード・ジェイムズ・オルモス、M・エメット・ウォルシュ、ウィリアム・サンダーソン、ブライオン・ジェームズ、ジョー・ターケル

【作品概要】
フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を、『エイリアン』のリドリー・スコットが映画化。

ディック原作の映画化はその後、『トータル・リコール』、『マイノリティ・リポート』などがありますが、初映像化は本作『ブレードランナー』。

2.映画『ブレードランナー』のあらすじ

舞台は2019年のロサンゼルス。地球は環境破壊が進み、人類の大半は宇宙に移住していた。

人間に代わり、遺伝子工学により開発された人造人間・レプリカントが、宇宙開拓の前線では過酷な重労働を強いられていた。

ロイ・バッティをリーダーとするレプリカント、リオン、ゾーラ、プリスの4名が、反乱を起こして地球へ脱走。ロサンゼルス市内に潜伏する。

レプリカントの捜索及び処分を任とする専任捜査官“ブレードランナー”。

ブレードランナーの総括官ブライアントは、退職していたデッカードを呼び戻し、ロイ・バッティらの捜査を命じる。

デッカードは情報を得るため、レプリカント製造元のタイレル社を訪れる。タイレル社長と秘書のレイチェルと面会するデッカード。彼はレイチェルもレプリカントであると見抜く。

デッカードは踊り子に扮し逃走していたゾーラを発見し処分。

しかしその直後、リオンに襲われてしまう。デッカードの窮地を救ったのはレイチェルだった。デッカードとレイチェルは互いに惹かれあう。

自分たちレプリカントの寿命を知ったロイはタイレルに面会し、寿命を延ばすように言う。

しかしタイレルは技術的に不可能と断り、ロイはタイレルを殺害し、デッカードを廃ビルに追いつめる。そして雨が降る夜、二人の男の決闘が始まる……。

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3.映画『ブレードランナー』の感想と評価

まず公開当時の評価ですが、製作費が2800万ドルに対し興行収入は約3286万ドル。

赤字ではありませんが大ヒットとは言えないもので、公開したばかりの頃はカルト映画扱いでした。

この映画がそこまでヒットしなかった理由は、同年代の他のSF映画と較べると地味だったからだと推測できます。

この時期のSF映画には、『スター・ウォーズ』シリーズや、同年公開の『E.T.』があります。比べてみると判りやすいと思いますが、『ブレードランナー』よりもスペクタクル性、エンターテインメント性が強い作品です。

では何故、『ブレードランナー』が今でも評価されているのか? それはこの映画のビジュアルが斬新だったからです。以下、詳細に考察していきます。

監督のリドリー・スコットは映像にこだわる事で有名な監督です。

本作では監督のイメージを再現するために、多くのクリエイターが集められたのです。

視覚効果のダグラス・トランブル、バンデシネ(フランスの漫画)作家メビウス、工業デザイナーのシド・ミードの三人です。

メビウスはノンクレジットですが衣装デザインを担当。

スコットの代表作『エイリアン』の衣装デザインも彼の手によるものでした。

そして、シド・ミードは、登場するメカ類、未来のロサンゼルスをデザインしました。『ブレードランナー』で描かれた未来都市は、それまでの映画で描かれていた未来都市像とは明らかに違います

それまでの映画に登場する未来都市は科学技術礼賛で何かもが便利になった都市ですが、本作は酸性雨が降りしきり闇の中に原色のネオンが光り、「強力わかもと」などの広告が乱立した猥雑な都市です。

通行人のエキストラを台湾の映画社ショウ・ブラザーズの俳優が演じているため、都市の外観だけでなく飛び交う言葉も混沌としています。

そして、この未来都市像は衝撃であり多くの影響を与えました。

4.映画『ブレードランナー』の日本への影響

日本アニメ界金字塔!『AKIRA』(1988)

とりわけ日本のサブカルチャーにおいての影響は実大で、大友克洋の漫画『AKIRA』や士郎政宗原作・押井守監督『攻殻機動隊』での未来都市の描かれ方がその代表例です。

意外と思うかもしれませんが、『ブレードランナー』から影響を受けた日本人の中に、俳優・松田優作がいます。

松田優作監督・主演を務めた映画『ア・ホーマンス』を見れば、それが歴然とわかります。

松田優作初監督作品『ア・ホーマンス』(1986)

新宿を舞台にヤクザの抗争に巻き込まれた男を描いた映画ですが、作中の新宿の描き方が『ブレードランナー』に近いのです。

この映画の新宿の街中には、「リトルイタリー・ストリート」なるものが存在しています。

娼婦や外国人がたむろし、暗闇の中に原色のネオンや看板が光っているというものです。

歌舞伎町と言われればそうかもしれませんが、この『ア・ホーマンス』、終盤にとんでもない仕掛けが待ち構えているのです。

また松田優作は、盟友の脚本家・丸山昇一に『緑色の血が流れる』というオリジナル脚本の執筆を依頼しています。

お話自体は探偵ものですが、特筆すべき点は探偵と依頼人の2人が緑色の血が流れる“レプリカント”であるということです。

そう考えると、結果的に松田優作の遺作となってしまった『ブラック・レイン』の監督がリドリー・スコットであるという点も偶然ではないと思いませんか?

ブラック・レイン』(1989) 

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まとめ

多くのクリエイターに影響を与えたため、カルト映画から名作の仲間入りを果たした映画『ブレードランナー』。

CGのない1980年代のビジュアルですが、今見てもあの未来都市は衝撃的です。

あの未来都市を超えるイメージを作り出せた、映画人がその後いるでしょうか。

『ブレードランナー2049』の公開が2017年10月27日と迫って来ています。

CGが発達した現在の映像技術で、どのようにあの未来世界が描かれるかが一番楽しみです。

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