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映画『ピーナッツ・バター・ファルコン』あらすじネタバレと感想。ザックの障害とは関係なく受け入れた人たちの交流

  • Writer :
  • 奈香じゅん

『ピーナッツ・バター・ファルコン(原題:The Peanut Butter Falcon) 』は、老人ホームで暮らす22才のザックが主人公。

夢を叶える為にホームを脱走したザックと出会う人々との交流を描いた現代版『ハックルベリー・フィンの冒険』。

アカデミー賞にノミネートされたブルース・ダーン、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ジョン・ホークス、そして実力派俳優『トランスフォーマー』(2007) のシャイア・ラブーフや『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2015) のダコタ・ジョンソン等、豪華キャストが集結した心温まるコメディの秀作。

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映画『ピーナッツ・バター・ファルコン (原題:The Peanut Butter Falcon) 』の作品情報

【公開】
2019年(アメリカ映画)

【原題】
The Peanut Butter Falcon

【監督】
タイラー・ニルソンマイケル・シュワルツ

【キャスト】
ザック・ゴッツァーゲン、シャイア・ラブーフ、ダコタ・ジョンソン、ブルース・ダーン、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ジョン・ホークス、ウェイン・ディハート、ジョン・バーサル

【作品概要】
監督と脚本を担当したタイラー・ニルソンとマイケル・シュワルツにとって、長編映画デビューとなった本作。

エージェントを持たない2人は、ザック・ゴッツァーゲンを主人公に据え、マーク・トウェインの作品を基に脚本を執筆。手探りで5年を費やし映画化に漕ぎ着けました。

『ピーナッツ・バター・ファルコン』は、アメリカ国内のハートランド映画祭やナンタケット映画祭、そしてサウス・バイ・サウスウエスト映画祭で賞を受賞しただけではなく、フランスのドーヴィル映画祭で観客賞を受賞し、ハンブルグ映画祭でも作品賞にノミネートされています。

映画『ピーナッツ・バター・ファルコン』のあらすじとネタバレ

ダウン症を持つザックは、身寄りがなく老人ホームで暮らしています。センターを逃げ出そうとしたザックを心配するエレノアですが、若いザックにとってホームは居心地が良くありません。

そんなザックのルームメート・カールは良き理解者。憧れのレスラーであるソルト・ウォーター・レッドネックのビデオをザックが繰り返し観るのを一緒に付きあってくれます。

仲の良い兄を失くしたタイラーは、無免許で漁をして日銭を稼ぐ日々。しかし、違法の魚はこれ以上受けられないと雇用主から通告されます。

一方、夜になって再び逃亡しようとするザックを手伝うカールは、「やっつけて来い」と送り出します。白い下着1枚で道路をひたすら走るザック。

翌朝、船着き場に横付けされたボートに乗り込んだザックは、シートに潜って眠り込みます。

そこへやって来たタイラーと地元の漁師が喧嘩に発展。タイラーは、腹いせにカニ漁に使う捕獲網を燃やしてしまいます。

ザックが寝ているとは知らずに、タイラーは急いでボートに乗り込み逃走。怒った漁師達もボートに乗り後を追い掛けます。

ザックを見つけて驚くタイラーですが、湿地帯に逃げ込みザックに声を出さないよう脅します。

うまくやり過ごしたタイラーはエンジンが故障した船を捨て、そのまま目的地のフロリダを目指します。タイラーの後を着いて行くザックは、憧れのソルト・ウォーター・レッドネックについて話します。

ザックと別れ、トラックをヒッチハイクしたタイラーですが、船着き場で火を放ったことが大騒ぎとなり、先の道路で漁師達が待ち伏せしていると運転手から聞かされます。

タイラーは作り話をしてトラックを下り元来た道を戻ることに。

すると、地元の子供達がかなづちのザックを無理矢理泳げと虐めている所を目撃します。

止めようとするタイラーですが、ザックは突き飛ばされ水の中へ落下。タイラーは、子供を殴り倒し、水に飛び込んでザックを助けます。

タイラーは、レスラー養成所で学びたいと言うザックの本気度を理解し、学校がフロリダへ行く途中に在る為、一緒に旅をすることに。

タイラーは、自分のTシャツをパンツ1枚のザックに手渡します。

「僕はダウン症なんだ」とザックは打ち明けます。タイラーは、「そんなことはどうでもいい」と答え、物資の補給にお金を持っているかザックに尋ねます。

ザックは「お金は持ってない。ポケットも無い」と返答。タイラーは、持っていた着替えのズボンをバックパックから取り出し「ポケットがあるぞ」と渡します。

商店を見つけたタイラーは物資を補給する為入店。しかし、お金が足らずピーナッツバターと釣り針だけを購入。

そこへ、上司からザックを探して連れ帰るよう命じられたエレノアが入って来ます。

ザックの写真を店主とタイラーに見せて、見かけなかったか尋ねます。知らぬ振りをするタイラーは報奨金があるのか訊きますが、エレノアはホームから逃げ出したザックを心配していると返答。

タイラーは店を出るとザックを連れて先を進みます。

「これからは俺のルールに従え。第1のルールは、足手まといにならないこと。第2は、重いものはお前が担げ」とタイラーはザックに長靴を履かせた後、自分のバックパックを背負わせます。

とぼとぼ歩くザックに、「1番目のルールは?」と訊くタイラー。
「パーティ」と答えるザック。「ちがうっ!」と声が上ずるタイラー。

そんな2人は徒歩ではなく時短になる川を渡ることにします。泳げないとこぼすザックに、タイラーは、浮くから大丈夫と一言。

ゴミ袋を膨らませて浮き輪にしてザックが掴まり、結んだロープを引っ張りながらタイラーは泳ぎます。

しかし、大きな船が近づき、タイラーは必死に紐を引き、間一髪の所でザックはボートを交わします。

岸へ泳ぎ着きヘトヘトになったタイラーが横たわっていると、ザックがタイラーの腕を掴んで一気に起こします。

強い腕力に暫し驚くタイラー。ザックを促し、タイラーは泳ぎ方を教えます。

ザックは、自分が親に捨てられた悪い人間だと話します。タイラーは、レスリングでヒーローに成れば良いと言いますが、ザックは自分がダウン症で周囲から知恵遅れと馬鹿にされるので無理だと返答。

タイラーは、ザックの持つ心根の良さとは関係が無いと諭し、ザックの腕力は長所だと励まします。

以下、『ピーナッツ・バター・ファルコン (原題:The Peanut Butter Falcon)』ネタバレ・結末の記載がございます。『ピーナッツ・バター・ファルコン (原題:The Peanut Butter Falcon)』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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翌日、ヒーローになると宣言するザックに、タイラーは持参していたショットガンの扱い方を教えます。瓶を並べたタイラーが見守る中、ザックの射撃は見事命中。

2人が廃品置き場に置いてあったボートを手に入れようとしていると、銃を手にした老人が家から出てきます。

思わず両手を挙げるタイラーとザックですが、老人は2人に白人か黒人か質問。白人だと答えると老人は臭いで分かったと言い、ビールを飲むか尋ねます。

タイラーがすかさず飲むと答えると、老人は満面の笑みを浮かべ銃をしまいます。

信仰深い彼の勧めでなぜかザックは洗礼をうけることに。そして、老人は快く2人にいかだを作る材料を提供。

川をいかだで下りながらふと兄を思い出して涙ぐむタイラー。ザックは、タイラーの肩を強く抱きしめます。

日暮れになり、岸へいかだを揚げたタイラーは、「1番目のルールは?」と質問。

「パーティ」と答えるザックに、タイラーは、その通りだと言って酒瓶を渡し野宿の準備。焚火をしながら酔っぱらった2人は、ピーナッツバターを食べながら顔に塗りつけてふざけ合います。

リング名を考えるべきだとタイラーがザックを促し、両手をパタパタさせたザックは、「ピーナッツ・バター・ファルコン」と叫びます。

翌日、地図を手に後を追って来たエレノアは遂にザックを発見。嘘をついたタイラーに文句を言いながら、ザックに老人ホームへ戻るよう説得します。

Tシャツをザックに着させようとするエレノアに対し、タイラーは、自分で着られると割って入ります。

ザックは絶対に戻らないと言い張り、それを見ていたタイラーがザックをかわいそうな知恵遅れのように扱うなとエレノアに助言。

憤慨したエレノアは、自分がホームで世話する老人を看取って来たと言い、ザックを心配している気持ちを話します。

レスラーの養成所へどうしても行きたいザックの気持ちを尊重するようタイラーに説き伏せられたエレノアは、目的地へ着いたらホームへ戻ることを条件に譲歩し、同行することに。

しかし、タイラーを追う漁師達が焚火の後を発見。

3人に追いついた漁師達はいかだを燃やしてしまいます。漁師がタイラーに銃を向けた時、ショットガンを持ったザックが背後から漁師達を脅して撃退します。

エレノアは上司に連絡しザックの無事を報告。しかし、麻薬依存症患者や売春婦が暮らすシェルターへザックが移動になったことを聞かされます。

3人はやっとザックが望んだレスラーの養成所に到着。しかし、ソルト・ウォーター・レッドネックは既に引退し、運営していた養成所を10年前に閉校したと告げます。

タイラーは、長い旅を続けて辿り着き、ザックが楽しみにしていたことを話し、がっかりさせてしまうと目を伏せます。

ソルトは、ザックが自分の大ファンでヒーローの様に憧れていたと聞かされます。

3人は仕方なく元来た道を戻りますが、ザックはソルトに会いたいと言い、エレノアと一緒に帰らないと曲げません。

そこへ車で追い掛けて来たソルトは、現役時代の様に顔をペイント。大喜びするザックに、ソルトはレスリングを教えると笑顔を向けます。

ザックは、ビデオで見たリング外に相手を放り投げる技を教えて欲しいと頼みます。

ソルトは、観客を楽しませる為に投げた様に見せただけで、実際は不可能だと明かし、他の技を教えると申し出ます。

夜、ソルトは3人を自宅に招待。ザックは、本物の試合がしたいと言い出します。ソルトは友人の元レスラーに声を掛け、ザックはレスリングの催しに参加することに。

翌日、リングで闘うレスラー達が血を流す様子を見たエレノアは不安を募らせます。タイラーはそんなエレノアにキスをした隙に、ザックの邪魔をしないようエレノアの手を車のハンドルに手錠で繋げます。

レフェリーが「ピーナッツ・バター・ファルコン」と紹介し、ザックが登場。レスリングが始まり、ソルトの友人である元レスラーは手加減せずにザックを何度も倒します。

話が違うと怒鳴るソルトを無視し、元レスラーはザックを圧倒。タイラーが大声で応援しソルトも見守る中、立ち上がったザックは怪力でレスラーを持ち上げます。

集まった観衆は大興奮。そこへタイラーを追って来た漁師がトルクレンチを持って走って来ます。

ザックがレスラーをリング外へ放り投げたその瞬間、漁師がタイラーの頭部を殴打。病院に運ばれたタイラーは手当てを受け、ザックとエレノアが付き添います。

その後、退院したタイラー、ザック、エレノアを乗せた車は「フロリダへようこそ」の道路標示を通過します。

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映画『ピーナッツ・バター・ファルコン』の感想と評価

主演を務めたザック・ゴッツァーゲンの魅力が存分に弾ける『ピーナッツ・バター・ファルコン』

共同監督・脚本を担ったタイラー・ニルソンとマイケル・シュワルツのゴッツァーゲンに対する愛情がひしひしと伝わる物語です。

タイラーを演じたシャイア・ラブーフ、そしてエレノアに扮したダコタ・ジョンソンとゴッツァーゲンの息も完璧に調和。まるで家族の様な雰囲気が全体に溢れています。

タイラーとザックが遠浅の海辺やトウモロコシ畑を歩く映像も美しく、更に商店の店主や信心深い盲目の老人など、旅の途中で出会うキャラクターが個性的で楽しいことも見所です。

役者達の集うキャンプを撮影しに行った際、ニルソンとシュワルツは参加していたゴッツァーゲンに出会ったと明かします。

インテリジェントな選択をして演じるゴッツァーゲンを見た2人は、ダウン症を持つ役者が演じる役が少ないことから、彼の為に脚本を執筆。

当初、2人は資金不足だった為、200ドルで映画を撮ろうと考えていましたが、コンセプトをまとめた5分程のトレーラーを製作した所、『リトル・ミス・サンシャイン』のプロデューサー、アルバート・バーガーとロン・イェルザが着目

ラブーフは、脚本を読む前に出演したい意向を直に伝えて来たと2人の監督は話します。

また、資金集めに苦労していた頃、ウケないのでゴッツァーゲンを他の俳優にするよう声が掛かったと監督は告白。誰も観に行かないと言われたそうです。

宣伝も殆どされず限定公開だった本作は、批評家や映画ツウが絶賛しただけではなく、口コミで瞬く間に広がり全国規模へ拡大。更に、欧州やオーストラリア、アジアでも公開が決定しました。

声を出して笑い且つ心が温かくなる映画は本当に少ない昨今、続編が製作されることを大いに期待したい作品です。

まとめ

22才のザックは老人ホームで暮らす青年。ダウン症を持つザックを心配する介護士のエレノアですが、ザックはプロレスラーになる夢を追う為に脱走し、タイラーと遭遇。

2人が様々な人と出会いながら旅を続ける中、タイラーはいつしかザックの夢を叶える為に心を尽くすようになります。

『ピーナッツ・バター・ファルコン』は、ザックの障害とは関係なく、彼の人となりをそのまま受け入れる人達との交流を描いた最高に楽しい映画。必見です。

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