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Entry 2022/06/27
Update

ザ・ロストシティ|ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。サンドラブロックら豪華キャストで贈るノンストップ冒険ロマンス!

  • Writer :
  • 松平光冬

豪華キャスト勢ぞろいのノンストップアドベンチャー!

サンドラ・ブロックが主演とプロデュースを手がけた映画『ザ・ロストシティ』

共演にチャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ、ブラッド・ピットら豪華キャストで贈るノンストップアドベンチャー。

サンドラ・ブロック演じる恋愛小説家のロレッタは、新作として執筆したロマンティックな冒険小説の宣伝ツアーに駆り出されます。

チャニング・テイタムが演じたのは、作品のセクシーなモデルのアラン。彼の軽薄な態度にいら立ちを募らせるロレッタの前に、謎の大富豪フェアファックスが出現すると…。

大自然の過酷な環境のなかで巻きおきる、思わぬトラブルの連続!豪華キャスト陣で贈る冒険談の行方をネタバレあらすじ込みで解説致します。

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映画『ザ・ロストシティ』の作品情報


(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.

【公開】
2022年(アメリカ映画)

【原題】
The Lost City

【監督・共同脚本】
アダム・ニー、アーロン・ニー

【製作】
ライザ・チェイシン、サンドラ・ブロック、セス・ゴードン

【製作総指揮】
J・J・フック、デイナ・フォックス、ジュリア・ガン、マーガレット・チャーニン

【脚本】
オーレン・ウジエル、デイナ・フォックス

【編集】
ジョナサン・セラ

【キャスト】
サンドラ・ブロック、チャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ、ダバイン・ジョイ・ランドルフ、オスカーオスカー・ヌニェス、パティ・ハリソン、ボーウェン・ヤン、ブラッド・ピット

【作品概要】
サンドラ・ブロックが主演と製作を手がけ、チャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ、ブラッド・ピットといった豪華キャストが集結したアドベンチャー。サンドラ演じる小説家とチャニング演じる軽薄なモデルが巻き込まれる騒動を、コメディタッチで描きます。

原案を、『モンスター上司』(2011)の監督やドキュメンタリー『ZAPPA』(2022)で製作総指揮を務めたセス・ゴードン。

『トム・ソーヤーの盗賊団』(2015)の アーロンとアダムのニー兄弟が、監督を務めました。

映画『ザ・ロストシティ』のあらすじとネタバレ

(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.

考古学者ラブモアと冒険家ダッシュのロマンスを描く冒険小説シリーズを手がけ、ベストセラー作家となったロレッタ。ですが5年前に執筆に協力してくれていた考古学者の夫を亡くして以降、新作が書けない状態が続いていました。

それでも、担当編集者にして親友のベスからの催促交じりの支えを受け、なんとか新作『ザ・ロストシティ・オブD』を完成。

全米の書店を巡る大々的なブックツアーを開こうと意気上がるベスは、手始めにロレッタと、小説の表紙でダッシュ役を務めるモデルのアランとのトークイベントを開くことに。

外見はイケメンでも軽薄な性格のアランが気に入らないながらも、ロレッタは派手なスパンコールのジャンプスーツ姿で参加。ところが、自分を差し置いて小説の感想を喋りまくるアランにイラついてしまい、その結果イベントを台無しにしてしまいます。

アランとの口論の末、先に会場を出ようとしたロレッタは、大財閥のアビゲイル・フェアファックスの部下に拉致されてしまいます。

財閥の後継者の座を弟に奪われてしまったアビゲイルは、周囲を見返そうと、伝説とされている古代都市“ロストシティ”があったと思われる島の半分を買い取り、そこにあるという王の墓に埋蔵された炎の冠を探していました。

冠の手がかりが記された羊皮紙の解読を頼まれたロレッタは拒否するも、クロロホルムで眠らされ、無理やり島へと連れ去られます。

一方、ロレッタの誘拐を目撃したアランはベスに相談。しかし、犯人から脅迫もなく目撃者もいないため、捜査機関への協力を仰げません。

そこでアランは、遠い知人で元シールズ特殊部隊にしてCIA工作員の男ジャック・トレーナーにロレッタ救出を依頼。

ジャックの助言でGPSでロレッタの居場所を突き止めたアランは、自分も救出の手助けをするとして、ジャックと共に島へと向かいます。

捕らわれている小屋を襲撃し、あっという間に自分を救ってくれたジャックに、自分が生んだキャラクターのダッシュを重ねてときめくロレッタ。ところがすぐさま、アビゲイルの部下にジャックが頭を撃ちぬかれてしまいます。

アビゲイルは、ロレッタと共に逃げたのはダッシュのような危険を顧みない凄腕の男だと勘違いし、部下たちに用心する忠告しました。

(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.

一方、なんとか逃げのびた2人ですが、アランは水中を進んだ際に体に付着したヒルに怯え、ロレッタに取ってもらうなど、まるでいいとこ無し。

ベスの手配による救助隊が来るまで身を潜めようと考えるアランでしたが、ロレッタはたどり着いた滝の岸壁に、アビゲイルから奪った羊皮紙に記された文字が掘られているを発見。古代都市の存在が事実だと確信します。

一夜明け、密かに羊皮紙を調べていたロレッタの姿を見たアランは、アビゲイルが追いかけてくるのはその羊皮紙を持っているからだと責めます。

またもや口論となる中、思わず自小説を「駄作」と蔑んだロレッタに、自分がダッシュのモデルを務めてきたことが、いかに小説のファンを喜ばせてきたかという体験談を語るアラン。

「小説を書きたくないなら書くな。でも自分の小説を駄作と呼ぶのはファンをバカにしている」と言われ反省したロレッタは、アランへの見方を変えていくのでした。

一方、ロレッタたちを捕まえられないことに苛立つアビゲイルは、武装したバイク隊を投入。事態がどんどん悪化していく状況に、島の伝統を重んじる部下で側近のラフィは制止を促すも、アビゲイルは聞き入れません。

そのバイク隊に追われたロレッタたちですが、彼女の着ていたスパンコールの服を活かし、振り切ります。

ようやく島内で人間が暮らす町に着いた2人は警察に報告。ロレッタはベスにも連絡するもつながらず、事の詳細を留守電メッセージに吹き込みます。

そのベスは、捜査機関が当てにならないとして単独で島に向かっており、口説いてきた貨物飛行機のパイロットを捕まえてロレッタを探していました。

町でアランとつかの間の安らぎを得ていたロレッタは、町の女性が歌っていた島唄の歌詞から炎の冠の在処を突き止めます。

明け方にでも2人で改めて探しに行くことを決断するも、警察とつながっていたアビゲイルが現れ、再度ロレッタはさらわれてしまうのでした。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ザ・ロストシティ』のネタバレ・結末の記載がございます。本作をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.

ロレッタを乗せて装甲車で古代都市があった場所へと向かうアビゲイル。そこへ、マフラーが壊れたスクーターに乗ったアランが追いかけます。

救出しようと奮闘するアランでしたが結局捕まってしまい、ロレッタと共にボートで古代都市に通じる洞窟へと連れていかれます。

アビゲイルに銃を突き付けられ先に進めさせられる2人は、ついに王の墓を発見。しかし棺の中には、添い寝するように横たわっていた王と王妃の骨のみ。

炎の冠とは、王と王妃の強い愛を比喩した表現だったのです。

冠=財宝と信じ込んでいたアビゲイルは激怒し、ロレッタとアランに棺の中に入るよう脅し、蓋をしてしまいます。

万事休すと思いきや、ロレッタは棺内のバールを発見。常軌を逸したアビゲイルに嫌気が差した部下のラフィが、密かに忍ばせておいたのです。

そのラフィにボートを奪われ、1人残されてしまったアビゲイルでしたが、ロレッタを探す海上保安局船に乗ったベスに救助を求めます。

バールで蓋をこじ開けた直後、ロレッタはそれまで着けていた結婚指輪を外し、棺に収めます。洞窟が塞がってしまった2人は、海中に潜って脱出に成功したところをベスに救助。

先に助けられていたアビゲイルはロレッタに正体をバラされ逃げようとしますが、船に同乗していた貨物飛行機パイロットに取り押さえられます。

すべては終わり、ロレッタは今回の騒動を元にした新作小説を発表し、ベストセラーに。リゾート地でロレッタとアランは、熱い口づけを交わすのでした。

エンドクレジット中のエピローグ

瞑想教室に参加していたロレッタとアランは、後方から声をかけられます。振り返ると死んだと思われていたジャック・トレーナーの姿がありました――。

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映画『ザ・ロストシティ』の感想と評価

(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.

謎の古代都市や財宝を求めて繰り広げられるロマンス・アドベンチャーは、ポップコーン・ムービーの定番ジャンル。

「ロマンシング・ストーン」シリーズ(1984~85)や「キング・ソロモンの秘宝」シリーズ(1985~86)などはその代表的作品ですが、本作『ザ・ロストシティ』もその系譜です。

小説家ロレッタとモデルのアランが、幻の古代都市探しに巻き込まれながらも距離を縮めていく。それと同時にロレッタは辛い過去と決別し、アランは人間として成長していきます。

サンドラ・ブロック、チャニング・テイタム、ダニエル・ラドクリフ、ブラッド・ピットと、主要キャストがとにかく豪華なのも注目ですが、興味深いのは役どころ。

長期スランプの小説家(ブロック)、中身軽薄のムキムキイケメン(テイタム)、金持ちの悪人(ラドクリフ)、素性不明な謎の男(ピット)と、各キャスト各が過去に演じてきたような役をそのままトレース

ピット扮するジャックの電話での喋り口調は『ファイト・クラブ』(1999)を、クライマックスでブロック扮するロレッタが荘厳な劇伴とともに海中から浮かび上がるシーンは『ゼロ・グラビティ』(2013)をそれぞれ連想できたりと、細かいシーンでもセルフパロディの要素が感じられます。

2022年に入り、ブロックは俳優業の休止を発表しましたが、休業前の主演作として本作を選んだのも、もしかしたら最後は明るく楽しいポップコーン・ムービーで締めたかったという思惑があったのかもしれません。

まとめ

(C)2022 Paramount Pictures. All rights reserved.

本作はロマンス・アドベンチャーの雛形に沿った内容のため、良くも悪くも予想の範疇を超えない出来になっています。

期待しすぎて損したという感想もあるようですが、こうしたジャンルの作品は、堅苦しく考えずにサラリと観るのがベターというもの。本国アメリカで大ヒットしたのも、分かりやすい内容が受けたからでしょう。

製作のパラマウント・ピクチャーズは続編に意欲を示しているとの報もありましたが、ブロックの休業も踏まえつつ、新たなロマンス・アドベンチャーシリーズの誕生となるのか?今後に注目です。




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