ピーターは悪党うさぎ!? 誰も僕を認めてくれない。
世界中で愛され続けるビアトリクス・ポターの名作絵本『ピーターラビット』が、2018年にハリウッドで実写映画化されてから3年、待望の続編が公開となりました。
ピーターの大好きなビアが、宿敵のマグレガーと結婚。マグレガーは、ピーターにだけ「いい子にしろよ」と注意ばかりしてきます。誰も本当の自分をわかってくれない。
そんな時、ピーターは都会で亡き父の親友だったというバーナバスと出会います。バーナバスを慕うようになったピーターは、次第に悪事を重ねていくことに。
ピーターは、本当に悪党うさぎになってしまうのか。いたずら好きで怖いもの知らずのピーターが、都会で大暴れ! 映画『ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』をご紹介します。
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映画『ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』の作品情報
(C)2021-ソニーピクチャーズ
【日本公開】
2021年(アメリカ映画)
【原作】
ビアトリクス・ポター
【監督】
ウィル・グラック
【キャスト】
ローズ・バーン、ドーナル・グリーソン、デビッド・オイェロウォ、マーゴット・ロビー、エリザベス・デビッキ
【作品概要】
1902年に出版され、今もなお世界中で愛され続けるビアトリクス・ポターの絵本『ピーターラビット』の実写映画化第2弾。
前作に引き続き、主人公ピーターの声を務めるのは『はじまりのうた』のジェームズ・コーデン。日本語吹替版では、こちらも前作同様、千葉雄大が務めます。
ビア役には『ANNIEアニー』のローズ・バーン。マグレガー役には『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のドーナル・グリーソンが、前作に引き続き登場。
声優陣、俳優陣に加え、監督も前作同様ウィル・グラック監督。最先端のCGを駆使し、ピーターラビットを原作の水彩画の世界から飛び出させました。
映画『ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』のあらすじとネタバレ
(C)2021-ソニーピクチャーズ
ここはピーターたちが暮らす自然豊かな湖水地方。今日はピーターの大好きなビアと宿敵マグレガーの結婚式が行われています。
3年前に隣に引っ越してきた動物嫌いのマグレガーは、ピーターのお父さんをパイにして食べた因縁の一族のひとり。さらには、ビアをめぐって奮奪戦も勃発していました。
ピーターは、マグレガーの顔面に飛び蹴りを食らわせたい気持ちをどうにか抑え、幸せそうなビアのため2人を祝福しました。
ある日、ビアとマグレガーのもとに大手出版社から連絡が入ります。ビアがうさぎたちをモデルに書いた絵本『ピーターラビット』を売り出したいというお誘いでした。
喜ぶビアとマグレガーはさっそく、出版社の社長ナイジェルを訪ねようと町へと向かいます。うさぎたちも一緒です。
ナイジェルは、絵本をヒットさせるには少し方向性を変え、うさぎたちのキャラをもっと過激にしようと提案します。ビアは、うさぎたちの素朴な暮らしを描きたいだけと悩みます。
しかし、ナイジェルの説得力ある話し方や、町に設置された絵本の大きな看板を見せられ、だんだんとその気になっていきます。
看板の絵のピーターは、いかにも悪そうなトラブルメーカーラビットとして描かれていました。「僕ってそんなに悪い子なの?」。
ピーターは、ここ最近マグレガーに叱られてばかりでした。確かにピーターは好奇心旺盛でいたずら好きな男の子です。でも、ちゃんと約束は守ります。
それなのにマグレガーは、ピーターは悪い子と決めつけ、何もしてないのに「ピーターはおとなしくしていなさい」「やっぱりピーターの仕業だな」とすっかり父親気取りです。
ピーターはひとり、いじけて町の中をぶらついていました。そこで、盗みをはたらくギャングうさぎ・バーナバスと出会います。
騒ぎに巻き込まれ、一緒に人間から逃げることになったピーターとバーナバス。「人間をからかうのって楽しいな!」。ピーターの気分もすっきり晴れたようです。
すっかり意気投合したピーターとバーナバスでしたが、なんとバーナバスはピーターのお父さんの友達だったことが分かります。
ピーターは、バーナバスに父親の面影をかさね、慕うようになっていきます。湖水地方に戻ってからもこっそりと町へと通い、バーナバスから盗みの極意を教わっていくのでした。
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映画『ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』の感想と評価
(C)2021-ソニーピクチャーズ
出版から100年以上たった今でも世界中で愛されている『ピーターラビット』。2018年に実写映画化され、今回第2弾が公開となりました。
映画版ピーターラビットは、原作のほんわり温かい水彩画の雰囲気とはまた一味違う、かなりやんちゃなピーターが、スクリーンを所狭しと暴れまくります。
原作のおはなしでも、ピーターのお父さんは事故でマグレガーおばさんにパイにされてしまったという、なかなかシビアな展開もありますが、映画ではバイオレンスやブラックユーモアも盛り込まれ、大人も楽しめる世界に変身しています。
「あのかわいいキャラクターのピーターが⁉」と驚いてしまう子供もいるのではないでしょうか。
しかし、大人向けといっても物語に込められたメッセージは、やはり絵本の世界と同じです。家族や友達の大切さ。悪い事はしちゃダメ。ピーターの経験を通して多くのことを学ぶことができます。
好奇心旺盛でやんちゃなピーターは、悪い事とは知らず度を越してやったり、時には失敗もします。今作では、「誰も自分のことを分かってくれない」とグレてしまいます。
マグレガーがピーターのことを頭から悪い子と決めつけ注意ばかりし、何もしてないのに誤解され、トラブルメーカーとイメージを付けられたり。
実生活でもピーターのような思いをしている子供たちが多いのではないでしょうか。だからこそ、バーナバスのようにピーターの良い所を認め、対等に扱ってくれる大人に憧れを抱くピーターの気持ちが良く分かります。
最後にピーターは、実は家族や仲間は自分のことを分かってくれていたと気付きます。ピーターは自分の殻に閉じこもり、どうせ分かってくれないと決めつけていました。自分から心を開けば、誤解もほどけ、苦手な人とも分かり合えることが出来ました。
失敗を乗り越え成長するピーターの姿は、私たちに勇気と希望を与え、本当に大切なものを気付かせてくれます。
また、映画『ピーターラビット』の世界では、ピーターたち動物とビアやマグレガーの人間との関係性も素敵です。
ビアはピーターの飼い主でもありますが、常にピーターたちうさぎのことを家族と呼びます。さながら、ピーターのお母さん的存在です。
マグレガーは、にっくき宿敵からビアの夫へと昇格したものの、ピーターとは馬が合いません。それでも、ピーターのことをペットとして扱うことはありません。父親だと認めさせようと頑張ります。
動物も人間も関係なく家族のように大事に思い合う関係性に、温かい気持ちでエンディングを迎えられることでしょう。そして、ピーターたち動物のもふもふとした愛くるしい姿と表情、仕草に癒されて下さい。
ちなみに、日本語吹替版では前作同様、千葉雄大がピーターラビットの声を務めています。好奇心旺盛でやんちゃなピーターの性格に、千葉雄大の声がドハマりです。
吹替版での注目は、なんといってもバーナバスを担当した哀川翔。誰もが「兄貴」と言ってしまうほどの個性を醸し出しています。ぜひ、日本語吹替版もお楽しみ下さい。
まとめ
(C)2021-ソニーピクチャーズ
ビアトリクス・ポターの名作絵本『ピーターラビット』の実写映画化第2弾『ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』をご紹介しました。
2022年は『ピーターラビットのおはなし』出版から120周年を迎える記念の年。日本では「ピーターラビット イングリッシュガーデン」が富士本栖湖に誕生する予定だそうです。
これからも「世界一愛されるうさぎ」ピーターラビットの人気は、衰えることはないでしょう。映画のさらなる続編にも期待です。
原作とはまた一味違う映画版『ピーターラビット』の世界を、あなたもぜひご体験ください。