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Entry 2021/01/18
Update

Netflix映画『デンジャーゾーン』ネタバレ感想評価と結末までのあらすじ解説。アンソニーマッキーが魅せる SF近未来アクションのハイテクなメカ格闘戦|Netflix映画おすすめ14

  • Writer :
  • 山田あゆみ

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第14回

映画『デンジャー・ゾーン』はNetflixで1月15日に配信開始された近未来アクション映画です。

主演は『アベンジャーズ』シリーズのファルコン役でお馴染みのアンソニー・マッキーと、ドラマシリーズ「スノーフォール」(2017~2018)や映画『ブラックミラー』にも出演しているダムソン・イドリス。

監督はシルヴェスター・スタローン×アーノルド・シュワルツェネッガーのアクションサスペンス映画『大脱走』のミカエル・ハフストロームが務めています。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら

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映画『デンジャー・ゾーン』の作品情報

Netflix映画 デンジャー・ゾーン
【公開】
2021年

【公開】
Outside The Wire

【監督】
ミカエル・ハフストローム

【キャスト】
アンソニー・マッキー、ダムソン・イドリス、エミリー・ビーチャム、マイケル・ケリー、ピル―・アスベック

【作品概要】
監督のミカエル・ハフストロームはスウェーデン出身の映画監督です。

過去にジョン・キューザックとサミュエル・L・ジャクソン出演の『1408号室』(2007)や、ジョン・キューザック、ベネディクト・ウォン、菊地凛子や渡辺謙らが出演したサスペンス映画『シャンハイ』(2010)などサスペンス映画を中心に様々な映画を監督しています。

メインキャストで唯一の女性キャラを務めたエミリー・ビーチャムは、映画『28週後…』(2007)に出演。最近ではサイコスリラー映画『リトルジョー』でベン・ウィショーと共演し、カンヌ国際映画祭主演女優賞に輝いています。

また、ドラマシリーズ「ハウスオブカード」や映画『グランドイリュージョン』などでその安定感ある演技で定評のマイケル・ケリーが印象的な役を演じています。

映画『デンジャー・ゾーン』のあらすじとネタバレ

Netflix映画・デンジャーゾーン

2036年東欧紛争が勃発。米軍は無法地帯と化した前線に駐留し平和維持活動を行っていました。

ヴィクトル・コバルが暗躍し姿を見せず勢力を強めていることに対抗して、米軍はロボット兵士団通称ガンプ隊を創設し、戦地に派遣していました。

ハープ中尉(ダムソン・イドリス)はドローン操縦士として軍飛行機ローリングサンダーの操縦席から第9地区の戦況を見守っていました。

くまのグミをかみながら上官と通信を取り、攻撃許可を得ようとするその表情からは緊張感が見られません。ハープはミサイル発射装置と思われる車両に対して攻撃要請を出します。

しかし、2名の兵士が危険な位置にいる為、許可されませんでした。それでもハープは無視して砲撃します。その結果2名の兵士が死んでしまいました。

命令に背いた罰則として小隊であるナサニエル駐屯地へ異動になったハープ。エックハート大佐(マイケル・ケリー)に促され、リオ大尉(アンソニー・マッキー)の元へと向かいます。

ガンプ隊が数10台完備される施設内にレコードを聴きながら待つリオ大尉が居ました。

ドローン操縦士としての成績は優秀ながら横柄な態度のパールの分析をしながら、コレラが蔓延する地区にワクチン供給という建前で兵器排除の任務に帯同するよう命じます。

ヴィクトル・コバルが率いるクラズニーという組織はロシアのウクライナ併合をもくろむ武装組織です。クラズニーがロシアの支援で勢力を増す中、独立を守りたい市民軍も存在しています。

ヴィクトル・コバルはソ連が有する核兵器を狙っているのでした。

一連の説明を受けたハープはコバルに関する情報を握る人物に会いに行くという任務のために出発することになりました。

出発前にリオは第4世代バイオテクで作られた体をハープに見せ、人間ではない自分を信じるか問います。意を決して信じることにしたハープは共に基地から車で出発します。

軍機数台と道を走っていると市民軍に道を阻まれてしまいました。武器を捨て丸腰で市民たちと取引をしたリオ。撤退しようとしているところをクラズニーに攻撃されてしまいます。市民軍の数名は射殺され、ガンプ隊を含む兵士たちも犠牲になってしまいました。

初めての戦場に怯えるハープを連れて、リオはその場を走り去ります。

市民たちのいる療養施設に到着したふたりは、ワクチンを届けますがクラズニーの狙撃者に狙われ施設にいた数名が犠牲となってしまいました。

狙撃者を捕獲した後、ふたりは情報提供者の元へ向かいます。

車中で、リオは自分は兵器だが自らの意思で規則を破ることがあると説明しました。ハープは徐々にリオのことを知っていきます。

到着したのは戦地で親を亡くした子どもたちが暮らす孤児院。職員の女性ソフィヤ(エミリー・ビーチャム)から情報を聞き出します。

核ミサイル発動の為のコードを隠した金庫があり、そのことについて武器商人のオシュラックが知っているという情報でした。

オシュラックと格闘し、装置とロシアのメカ兵をドニプロ銀行に届けたと聞きだします。

ドニプロ銀行に向かう車中、核兵器に関する捜査は中止になっているが、コバルの策略を阻止するために独断で行っているのだとリオはハープに説明します。

違犯行為の任務を行っても故障だとみなされて強制終了されないために、ハープを帯同させた事を話すリオ。軍から追跡されないためにリオの背中に入っている追跡装置を取り出させたリオとハープは銀行に潜入します。

クラズニーの兵士やメカ兵との銃撃戦をくりひろげるリオ。ハープは現状を軍に無線で報告して応援要請しました。

人質を外へ逃がしたハープでしたが、残された市民を人質にとったクラズニーらとの銃撃戦になってしまいました。

メカ兵の無差別な発砲により多くの市民が死んでいくなかでハープは必死に市民を避難させます。

エックハート大佐はコバルを排除するためにミサイルをドニプロ銀行に発射しました。コードを手に入れたリオとハープは車に乗り込みます。

以下、『デンジャー・ゾーン』ネタバレ・結末の記載がございます。『デンジャー・ゾーン』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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リオは基地には戻らず核兵器を利用することを説明します。ハープに背中から外させたのは追跡装置ではなくフェイルセーフ装置(誤作動防止装置)で、ハープも規約違反を犯しているせいで軍に戻っても信用されないというのです。

騙されたと怒るハープの気を失わせて置き去りにしたリオ。

目を覚ましたハープは目隠しをされ市民軍の基地に連れていかれました。そこにいたのは孤児院で会ったソフィヤ。ソフィヤは市民軍の首領でした。

ハープはソフィヤからリオの企みについて聞かされます。ロシアを弱体化させるために紛争をしているアメリカに向けて核兵器を使おうとしていたのです。

一方、リオはヴィクトル・コバルへ会いに行きました。格闘の末コバルを倒したリオは核兵器の場所を特定し、向かいます。

市民軍から解放されたハ―プは軍へ戻り大佐と曹長に事情を説明します。

彼らを説得して、リオを止めるために元同僚のベイルにリオが乗っているであろう車両を見つけさせ、場所を特定したハープ。

国境近くの紛争地にいるリオの元へ、焼夷弾を持ちハープ一人で向かうことになりました。ロシア内にあるダストリズ・コンビナートに侵入したハープはリオの元へ辿り着きます。

核使用をやめるよう説得するも聞かないリオに対してハープは銃弾を撃ち込みます。

ハープを気絶させたリオは核兵器を作動させます。意識を取り戻したハープはリオに焼夷弾を撃ち込みます。

生き絶え絶えな中、リオは「世界初の自立サイボーグ採用は裏目にでる」と語ります。メカ兵のプログラムを終わらせるためにすべて仕組んだのだと言うのです。

リオは自分が破壊されることで戦争を終わらせたいと語ります。アメリカの象徴である自分を失くそうとしていたのです。

ハープは「人間が向上できることこそ大義だ」と言って、大佐に爆撃指示をした後その場を立ち去ります。

爆撃を受けて核兵器の発射がまぬがれました。ハープは大佐に称賛され、恋人の写真を見つめながら基地へと帰っていきました。

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映画『デンジャー・ゾーン』感想と評価

アクションシーンが楽しめると同時に、現代社会への警告のメッセージを感じられる映画でした。観終わった後にスカッとするというよりは考えさせられる内容です。

アクションシーンのリアリティと見応え

まず、メカ兵と人間の兵士が共に格闘するシーンが目新しく、戦闘員として戦地に立つ軍用ロボットのリアリティある戦闘シーンの数々に迫力を感じます。

ロボットが人々の戦いに参入したときに、有益な戦力になる場合と誤作動による間違いが命取りになる場合のどちらも考えられます。銃で撃たれても死なないからこそ、敵に回したときの危険性は計り知れません。

その未知の恐怖を見事に利用し、自在に形を変える強靭なメカ兵の戦闘シーンを迫力満点に描いていました。

そして、一番の良さはアンソニー・マッキー演じるアンドロイド兵の戦いっぷりでしょう。素早い手さばきや、車のガラスを貫通する身のこなしはまさに無敵の戦闘兵器そのものです。

最強すぎて、最たる敵であったはずのヴィクトル・コバルがまったく手も足も出なかったシーンにはちょっと拍子抜けしましたが、その分大尉の強さが際立っていました。

機械化社会への警告

本作のラストシーンでは、意思を持ったアンドロイド兵の軍事利用を止めるために大尉自らその身を犠牲にしました。

アンドロイドが思考力を持ったことで人間に反撃するという筋書きは『ターミネーター』シリーズや『アイロボット』などでお馴染みですが、自らの危険性を示すために自爆するという展開には新しさを感じました。

それは戦いを好まず、平和のために動くことが出来るアンドロイドです。

自国の利益のために戦争を辞めない国家に比べて、利益ではなく人類が望むべき未来とは世界平和だということに気付けているAI知能はいわば人類より優れているのではないでしょうか。

パール中尉の成長物語として観ると、そのたくましい成長ぶりに感心するストーリーですが、リオ大尉が成し遂げたかった大義とその未来について考えるとなんだか悲しさが残ります。

リオ大尉がいなくなったところで紛争は無くならないし、またアンドロイドの兵器化の研究はリオの一件だけでは無くなるものではないと予想されるからです。バイオテクノロジーの進化については、想像の域なのでなんとも言い切れませんが。

まとめ

本作はアクション映画の爽快感を求めて観るよりは、メカ格闘ものとして観るほうが楽しめるかもしれません。

近未来アクション映画のバリエーションのひとつとして、サスペンス映画を得意とするミカエル・ハフストローム監督ならではの切り口を生かした作品でした。

爽快なアクション映画が観たいなら、同じくMCUメインキャストであるクリス・ヘムズワース主演の『タイラー・レイク―命の奪還―』がNetflixで観れるのでおススメです。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら


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