Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

連載コラム

『デイ・シフト』ネタバレあらすじ結末とラストの感想解説。ジェイミー・フォックスが陽気に演じるバンパイアハンタームービー|Netflix映画おすすめ106

  • Writer :
  • 糸魚川悟

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第106回

19世紀の小説家、ブラム・ストーカーによる小説『ドラキュラ』によって世界的知名度を得ることになった伝説上の存在「吸血鬼(バンパイア)」。

『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)以降、ゾンビ映画よりも長く映画界で題材とされて来た「吸血鬼」は、シリアス色の強いものからティーン向けの恋愛作品までさまざまな味付けがされてきました。

今回は2022年8月12日(金)に「Netflix」で配信された、残虐かつ陽気なバンパイアハンター映画『デイ・シフト』(2022)をネタバレあらすじを含め、その特異な味付けを解説させていただきます。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら

スポンサーリンク

映画『デイ・シフト』の作品情報


(C)2022Netflix

【配信】
2022年(アメリカ映画)

【原題】
Day Shift

【監督】
J・J・ペリー

【脚本】
タイラー・タイス、シェイ・ハッテン

【キャスト】
ジェイミー・フォックス、デイブ・フランコ、スヌープ・ドッグ、ナターシャ・リュー・ボルディッゾ、ミーガン・グッド、カーラ・ソウザ、スティーブ・ハウィー、スコット・アドキンス

【作品概要】
スター・トレック イントゥ・ダークネス』(2013)や『エンダーのゲーム』(2014)など多くの作品でスタントを務め、『バレット』(2013)ではスタントコーディネートも担当したJ・J・ペリーの初の映画監督作品。

『Ray/レイ』(2005)でアカデミー主演男優賞を受賞したジェイミー・フォックスが主演を務めました。

映画『デイ・シフト』のあらすじとネタバレ


(C)2022Netflix

カリフォルニア州ロサンゼルス郡、サンフェルナンドバレー。

バドは豪邸のプール清掃を行う傍ら、裏でバンパイアハンターとしてバンパイアの牙を売ることで生活していました。

仕事として老婆のバンパイアを殺害したバドは、娘のペイジを迎え別居した妻ジョスのもとへと送り届けます。

ジョスは金欠に悩んでおり、次の月曜日に学費と歯の矯正費あわせて1万ドルが支払えない場合はフロリダの親元へと引っ越すと言いますが、裏の仕事を隠し別居中とは言え、2人を愛するバドは5日以内に1万ドルを集めることを約束。

バンパイアハンターの組合に属していないバドは、殺害したバンパイアの牙をモグリの質屋のトロイへと売ることを考えますが、想定していた金額よりずっと安い見積を提示されてしまいます。

バレーで不動産を営むオードリーは実はバンパイアであり、バレーの裏社会を制していたバンパイアのサーシャを埋め、バンパイアの身でありながら表社会と裏社会の二面からの支配を目論んでいました。

しかし、オードリーと縁の深い老婆のバンパイアが何者かに殺害されたことを受け、オードリーは老婆を殺害したハンターへの復讐を誓います。

その頃、バドは手早く金を稼ぐために組合への復帰を考え、ベテランハンターであり元相棒のビッグ・Jを通して組合の幹部であるラルフと接見。

ラルフはバドの過去の問題行動の数々を問題視し復帰を渋りますが、伝説とも呼ばれるビッグ・Jの口添えによって、監視役をつけた試用期間としての復帰を認めます。

バドは稼ぎの多い夜勤を希望しますが、ラルフは認めず日勤(デイ・シフト)へと配属。

ラルフはバドの規定違反を見つけクビにするために、規定に詳しいが現場経験のないセスを監視役につけます。

現場未経験のセスと規定を守る気のないバドは度々ぶつかりますが、金を稼ぎ終え次第組合辞める意志を伝え、セスに月曜日までの協力を求めました。

セスと共同の初仕事を終えた日の夜、バドは隣の部屋に越してきた看護師のヘザーと知り合います。

翌日、2人はトロイの質屋を訪ねますがトロイはすでにオードリーによって殺害され、バドと言う名前がバンパイアの一味に渡ってしまったことが分かります。

バレーのバンパイアに詳しいビッグ・Jからバンパイアのアジトの情報を得たバドとセスは、凄腕のナザリアン兄弟と共にバンパイアのアジトに突入。

バドとナザリアン兄弟は数十人を越えるバンパイアを始末しますが、セスは殺害したバンパイアたちが普段は共存すること良しとしない種族の集まりであることに疑問を覚えます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『デイ・シフト』のネタバレ・結末の記載がございます。『デイ・シフト』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク


(C)2022Netflix

ペイジの友人によるパーティの日、バドのもとにオードリーからの脅迫電話がかかります。

オードリーはバドから大事な物を全て奪うと言い、大量の手下を使いバドとペイジを襲撃。

2人は追跡を振り切り自宅へと戻りますが、そこにはオードリーたちが待ち構えており、助けに来たセスをバンパイア化させていました。

オードリーはジョスとペイジを攫うと彼女たちもバンパイア化させると宣言し、バドを昏倒させます。

目を覚ましたバドはバンパイアと化し襲って来たセスの首を切り落としますが、正気を取り戻したセスは胴体と頭部が離れた状態でバドについていきます。

ヘザーがオードリーの手先であることを確信しているバドはヘザーの家に押し入り、オードリーの情報を手にしようとします。

バンパイアのヘザーは、バドが殺害した老婆こそがオードリーの娘であり全ての元凶がバドにあるとしながらも、オードリーの支配からの脱却を求めてバドへの協力を約束。

輸血用の血を飲み胴体と頭部を繋げたセスもオードリーへの復讐を誓います。

オードリーは娘のためにバンパイアが大手を振って歩ける世界の設立を考え、バンパイアをバレーに量産していました。

オードリーのアジトに突撃した3人は大量のバンパイアによる反撃を受けますが、その場にセスの救援要請に応じたビッグ・Jが現れバンパイアたちを殲滅。

しかし、アジト奥地への道中でバンパイアにビッグ・Jが噛まれてしまい、道を開くために爆弾の犠牲となります。

ヘザーとセスはオードリーの配下を食い止めるために残り、バドは1人でオードリーと対峙。

オードリーの脅威的な身体能力にバドは圧倒されますが、バドは窮地に立たされたふりをしてピアノ線を使った罠にオードリーを誘い込み首を切り落としました。

全てが終わった後にラルフが駆けつけ規定違反によるバドのクビを言い渡しますが、規定の特例を熟知するセスによって庇われ組合員としての続行が決まります。

ヘザーとセスと別れ、ジョスとペイジと共に歩くバドはバンパイアハンターであることを黙っていたことを謝罪。

ジョスは嘘をついていたことを批難しますがペイジと共にバドを受け入れました。

バドたちが乗る車が過ぎ去った後、マンホールからビッグ・Jが現れます。

ビッグ・Jは「ロサンゼルスは最高だな、バンパイアだらけだ」と楽しそうに呟きました。

スポンサーリンク

映画『デイ・シフト』の感想と評価


(C)2022Netflix

バイオレンスだが陽気な新感覚吸血鬼映画

時に人の血を吸い、時に人の肉をも喰らうバンパイアは恐怖の対象として描かれることが多く、吸血鬼映画といえば「ホラー」と言うイメージがあります。

しかし、コミックを題材とした『ブレイド』(1999)ではスタイリッシュなアクションとの融合、『トワイライト〜初恋〜』(2009)から始まる「トワイライト・サーガ」では恋愛と青春を軸とした物語が描かれるなど、時代と共にホラーなイメージを脱却する作品が増え始めました。

2022年に「Netflix」から配信された『デイ・シフト』では、驚異的な身体能力を持ち人の血を吸うバンパイアを恐ろしく描きながらも、全体的に陽気なテイストで描く味付けがされていました。

人も吸血鬼も残虐に死亡し退場していく本作ですが、主人公のバドは長年のバンパイアハンター生活から何が起きても動揺することはなく、頭の中は常に家族とお金のことしかありません。

最終決戦に至るまで気楽な発言が多く、ホラーでもシリアスでもなく肩の力を抜いて楽しめるエンターテインメントとしての面白味の詰まった吸血鬼映画となっていました。

アクションのプロ達の描くハイクオリティアクション

数多くの映画にスタントやスタントコーディネーターとして携わってきたJ・J・ペリーが初監督を務めた本作は、アクションに対する強いこだわりを感じさせる作品となっています。

物語の冒頭、バドと老婆のバンパイアによる戦闘シーンでは、バドの手馴れた戦術とバンパイアの持つ異常な身体能力を僅か数分の攻防で演出。

さらに中盤でのバンパイアのアジトへの突入シークエンスでは、アクション俳優として『エクスペンダブルズ2』(2012)や『イップ・マン 完結』(2020)に出演しながらも、スタントマンとしても活躍するスコット・アドキンスがベテランハンターとして参戦。

人間では太刀打ちできないパワーとスピードを持つバンパイアを人間が一方的に蹂躙する、爽快感に満ちたアクションシーンが展開されました。

アクションシーンを知り尽くした監督と俳優が放つ、ハイスピードかつバイオレンスな殺陣の数々はアクション映画ファンには必見です。

まとめ


(C)2022Netflix

熟練すぎてバンパイアの退治が片手間となっているバドと、規定に縛られ実戦経験皆無なセスの凸凹バディムービーとしての魅力もある映画『デイ・シフト』。

過激な人体切断描写も多く、グロテスクな表現に耐性の無い人には注意が必要な作品ではありますが、バンパイアハンター映画に陽気さを求める人には特にオススメしたい本作。

名優ジェイミー・フォックスと歌手であり俳優であるスヌープ・ドッグとの共演、そして『グランド・イリュージョン』(2013)のデイブ・フランコの真面目とコミカルさが両立したセスの演技にも注目して欲しい作品です。

【連載コラム】「Netflix映画おすすめ」記事一覧はこちら



関連記事

連載コラム

映画『阿吽(あうん)』感想と考察。楫野裕(カジノユウ)が描く“怖さ”というモノクローム映像|SF恐怖映画という名の観覧車42

連載コラム「SF恐怖映画という名の観覧車」profile042 映画で感じる「恐怖」のタイプには複数の種類があります。 「呪怨」シリーズのような得体のしれない「何か」に襲われる「恐怖」が、ホラーと言う …

連載コラム

映画『シングル・オール・ザ・ウェイ』ネタバレあらすじ感想と結末評価。LGBTQをラブコメディとしてマイケル・メイヤー監督が描く|Netflix映画おすすめ75

連載コラム「シネマダイバー推薦のNetflix映画おすすめ」第75回 2021年12月2日(木)にNetflixで配信され、マイケル・メイヤーが監督を務めた、2021年製作のアメリカのLGBTQを題材 …

連載コラム

映画『氷上の王、ジョン・カリー』感想と評価解説。英国人スケーターの栄光と苦悩|だからドキュメンタリー映画は面白い18

連載コラム『だからドキュメンタリー映画は面白い』第18回 世界を魅了した名フィギュアスケーターの、栄光と孤独とは。 今回取り上げるのは、2019年5月31日から新宿ピカデリー、東劇、アップリンク渋谷、 …

連載コラム

韓国映画『ジョゼと虎と魚たち』あらすじ感想と考察解説。実写リメイクで女優ハン・ジミンが韓国の”今“を纏う|コリアンムービーおすすめ指南26

韓国映画『ジョゼと虎と魚たち』は2021年10月29日(金)よりキノシネマ他にて全国順次公開! 田辺聖子の同名短編小説を犬童一心監督が妻夫木聡と池脇千鶴を主演に迎えて実写映画化した『ジョゼと虎と魚たち …

連載コラム

水川あさみ×濱田岳が『喜劇 愛妻物語』にて、東京国際映画祭のレッドカーペットに登場|TIFF2019リポート4

第32回東京国際映画祭は2019年10月28日(月)から11月5日(火)にかけて10日間開催! 2019年にて32回目を迎える東京国際映画祭。令和初となる本映画祭がついに2019年10月28日(月)に …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学