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Netflixアニメ『フェイフェイと月の冒険』ネタバレ感想と評価。楽曲も声優キャストも魅力的なグレンキーン監督作品

  • Writer :
  • からさわゆみこ

大切なのは、自分や側にいる人達を “信じること”
心に痛みがある今こそ観たい、ファンタジーアドベンチャー

どんな試練が訪れても、信じる気持ちで心を開き、前に進む大切さを描いた作品、Netflixアニメ『フェイフェイと月の冒険』をご紹介します。

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで、40年近くアニメーターとして活躍し、アニメ界の巨匠と称されたグレン・キーン監督が、中国神話を基にしたファンタジーアドベンチャーアニメを制作しました。

日本でのキャッチコピーは“大切なのは、信じること”。日本語版のエンディングソングは、幾田りらが歌う「ロケット・トゥ・ザ・ムーン ~信じた世界へ~」。信じることの大切さが伝わってきます。

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映画『フェイフェイと月の冒険』の作品情報

Netflixオリジナル映画『フェイフェイと月の冒険』

【日本配信】
2020年(アメリカ映画)

【原題】
Over the Moon

【監督】
グレン・キーン

【脚本】
オードリー・ウェルズ

【声の出演】
キャシー・アン、フィリッパ・スー、ロバート・G・チウ、ケン・チョン、ジョン・チョー、ルーシー・アン・マイルズ、マーガレット・チョー、キミコ・グレン、アート・バトラー、アイリーン・ツー、クレム・チャン、コンラッド・リカモラ、サンドラ・オー

【日本語吹き替え】
大平あひる、髙橋玲生、佐久間友理、水島裕、益山武明

【作品概要】
本作はアメリカのドリームワークス・アニメーションと中国企業の合併会社“パール・スタジオ”と、Netflixとで共同制作されました。

この中国神話を基にしたファンタジーアドベンチャーアニメを手掛けるのは、アニメ界の巨匠と称されたグレン・キーン監督です。共同監督として、第85回アカデミー賞で短編アニメーション賞を受賞した『紙ひこうき』(2012)のジョン・カーズ監督も参加。

2020年10月17日のモントクレア映画祭にて初上映されたのち、10月23日より一部の劇場で一般公開され、Netflixにて配信が開始しました。

同監督が総指揮を務めた『塔の上のラプンツェル』(2010)で表現された、髪の毛1本1本の美しく滑らかな流れは、本作のCGアニメーションでも表現されています。

映画『フェイフェイと月の冒険』のあらすじとネタバレ


(c) 2020 Netflix, Inc.

フェイフェイたち3人家族はときどき、近くの水路で水入らずの時間を過ごし、幸せにくらしています。彼女の母はよく伝説のお話しをしてくれました。

特にフェイフェイが大好きだったのは、“チャンウー”という月の女神と、“ホウィー”というハンサムの恋物語です。

フェイフェイの家は、“月餅”を手作りして売っているお店です。特製の月餅は人気で、フェイフェイも幼いころから店を手伝っています。

ところがフェイフェイが少し成長したころ、母は体を壊し杖で歩くようになり、とうとう車椅子を使うようになってしまいました。

ある日いつもの水路で、親子水入らずの時間をすごした日、フェイフェイに母は、白い子ウサギ(バンジー)をプレゼントします。そして、しばらくして母は病でこの世を去ってしまいました。

4年後、学校に通うようになったフェイフェイは、学年でトップの秀才に成長します。月餅売りの手伝いも続けています。

“中秋節”の晩に欠かせない月餅なので、店は大忙しです。フェイフェイの父は、フェイフェイが月餅売りに出かける時、「来客があるから遅れないように」と見送ります。

特に科学に興味のあるフェイフェイは、磁力の反発を利用し、世界最速で走る鉄道、“マグレブ”に興味津々です。

フェイフェイが月餅を売り終えて、店に戻ると作業台に“ナツメの実”があり、彼女は「ママのレシピでナツメは使わない」と言いますが、父は新商品に使いたいと話します。

そして、“ゾン”という、知らない女性を紹介しました。ナツメを誤って落として拾い集めるゾンと父は、とても親し気で店を案内すると、中へ行ってしまいます。

残ったナツメを拾っていると、次は見知らぬ少年が、フェイフェイの背中を馬飛びします。彼は卓球のラケットとカエルを持った、フェイフェイより小さな少年です。彼は「ママに会っただろう?“チン”だよ。」と、自己紹介します。

チンはうんざり顔のフェイフェイにおかまいなしでしゃべり、「ところで僕には超能力があるんだ。なんだかわかる?」と聞きます。フェイフェイは「超ウザイってこと?」と返します。

「宇宙がぼくの名を呼んでる気がする」など、不思議なことを言ったりするチンに、フェイフェイは関わらないよう、そっとその場を離れました。

フェイフェイは中秋節の飾りつけを手伝いながら、父にチンのことを話します。父はチンのことも知っているようです。

「8歳の男の子は元気だ。今回は見逃せ」と言います。そして、「チンのママに話してみろ。いい人だから・・・おまえは時々、寂しくならないのか?」と聞きます。

フェイフェイは「全然! なぜ?」と、返します。父は「大事な話があるんだ。ママが死んで」こう言いかけた時、親類のおばさんや祖父母がやってきました。

中秋節の宴の準備でにぎやかになり、食卓には豪華な料理が揃いました。ところがフェイフェイが座る父親のとなりに、父はゾンを座らせたのです。

祖父は「毛ガニは地元の海に入り込み、そこに住む人間や魚に害を与える」と、フェイフェイに耳打ちしながら、肩を叩くのでした。

祖母が「大きくてまあるい月。中秋節には最高の月ね」と言ったので、フェイフェイが「きっとママも喜んだはず!」と、言います。

するとゾンが「チャンウーが好きなのよね」と聞き、フェイフェイは不機嫌に父をにらみます。

おばさんたちがチャンウーの物語を語り始め、叔母さんは「月で独りきりでくらす、可哀そうなチャンウー」と言い、伯母さんは「月で独り気ままに、楽しんでるわよ」「チャンウーはホウイーの分の薬を飲んで、不死を得たのよ」と言います。

次に、ゾンが「母が教えてくれたの。私はホウイーの子孫だって」と言いかけます。

この話はスルーされ、フェイフェイは「ホウイーは鬼と戦っていて、ドロボーに・・・」と、言いかけると伯母さんは「だから2つとも口に隠して? 信じられない」「チャンウーはそのまま愛する人を残して月へ・・・そして、彼は地球で息絶えた。」と、2人の伯母は話します。

フェイフェイはムキになって怒り、食卓の料理をひっくり返すと、「たった一人の愛する人を待っている! そうでしょ? パパ」と、父を見ますが気まずい顔をするだけでした。

フェイフェイが自分の部屋にいこうとした時、ゾンが来てフェイフェイに、自分の作った月餅をデザートにと渡します。

彼女はもらった月餅を机の引き出しにしまい、ベッドに寝ころび母を思います。そして、父も母のことを思い出せば、再婚などしないと思うのです。

チャンウーの絵が描かれた、母の形見のスカーフを顔にかけると、月明りでチャンウーの顔が浮かび上がります。

窓の外を見ると大きな満月の光が差し込み、バンジーがジッと月を眺めていたかと思うと、光のあたる場所を追いかけて、飛び出します。

バンジーのあとを追いかけると、バンジーは水路の場所で、そこにいたシラサギと何かコンタクトをとっていました。シラサギはフェイフェイの姿を見ると飛び去ります。

チャンウーとホウイーの物語を信じているフェイフェイは、永遠の愛の物語が真実だとわかれば、父も母への“永遠の愛”を思い出すと考えます。

そして、月へ行って確かめようと考えますが、どうやって行けばいいのか? そう考えていた時、シラサギが月に向かって飛んでいくのを見て、ロケットを作ろうと思いつきました。

以下、『フェイフェイと月の冒険』ネタバレ・結末の記載がございます。『フェイフェイと月の冒険』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

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(c) 2020 Netflix, Inc.

フェイフェイは、ロケットの制作に没頭します。試作しては失敗を繰り返します。

授業中に描いたロケットの図案は、先生にみつかり掲示板に貼られます。ところがその画が横に傾き、その形がちょうどマグレブに似ていて、“磁気浮上”で助走し加速させ、飛び立とうと考えました。

完成したロケットは見事、空へと飛び立ちますが、あと少しで成層圏を突破するところで、ロケットは失速し墜落し始めます。なんとロケットにチンとペットのカエルが同乗していて、重量オーバーしていたのでした。

パニックになった機内! 落ちて行くだけなのかと思った時、月から不思議な光の帯がさしこみ、ロケットを空に吸い上げて行ったのです。

成層圏を突破し宇宙に出ても、光の帯は月に延びています。フェイフェイが態勢を整えようとすると、フロントガラスから、2つの真っ赤な物体がのぞき込んでいます。

フェイフェイたちが驚くと、2匹の翼の生えた獅子が、ロケットをおもちゃのように、蹴飛ばしあって遊びます。

そして、ロケットは蹴飛ばされ、月に墜落。フェイフェイたちは気を失いますが、獅子が息を吹きかけ、フェイフェイたちをくわえて、月の裏側へ向かい飛んでいきます。

しばらくすると地平線が色とりどりに輝き、中央に黄金に輝く美しい宮殿が見えてきました。獅子がフェイフェイたちを降ろすと、中から3色のカラフル月餅が歓迎にでてきます。

3つの月餅に導かれ宮殿の中へ進んでいくと、女性のシルエットと美しい歌声が現れます。「絶世のきらめき!」“チャンウー”と掛け声がかかると、スクリーンが落ちチャンウーが登場します。

チャンウーは、ウサギのジェイドが奏でるDJで、キレッキレのダンスと歌をうたい、ワンマンショーのように盛り上がります。バンジーはジェイドに一目ぼれしました。

フェイフェイたちの来たところは“ルナリア”と呼ばれる街で、チャンウーが月の砂漠にたどり着いた時、彼女の涙と吐息をウサギのジェイドが集めて、闇を輝く街に変えたものだと歌います。

フェイフェイは、チャンウーに月で会えた興奮で、抱きついてしまいます。チャンウーはフェイフェイに、“土産の宝物なら受け取る”というと、フェイフェイは持ってきていないと答えます。

ところがチャンウーは、フェイフェイが宝物を持っているから、獅子を使いに出したと言います。そしてその、“宝物”さえあれば、ホウイーをよみがえらせることができると話します。

フェイフェイはチャンウーが、ホウイーを諦めずにいたと確信します。そして、チャンウーと一緒に写真を撮ってほしいと願い出ます。

チャンウーは一緒に、インスタント写真に写ってくれましたが、写真は宝物と引き換えだと言います。フェイフェイには何が宝物かわからず、持っている物なら、“何でも”あげると言います。

しかし、チャンウーがほしいものはあくまで、“宝物”です。それがないとルナリアの輝きを支える、“月の砂”が尽きて、ホウイーを取り戻すことができないと言うのです。

チャンウーは月のどこかにその宝物を落としたと感じ、ルナリアの生き物たちにその宝物をみつけたら、どんな願い事もかなえると宣言します。

フェイフェイはロケットが墜落した場所にあると考え、もう一度そこへ戻ろうとします。チンも一緒に手伝うと言いますが、フェイフェイは「邪魔をしないで」と拒否します。

チンは弟にそこまで言うか?と、食い下がりますが、フェイフェイはチンを「弟じゃない。絶対になれない!」と、強く否定してしまいます。

チンは落ち込んで宮殿へと戻っていきます。それを見たバンジーはチンを心配し追いかけました。

フェイフェイは移動手段がなく困り果てますが、チキンの姿をした生き物3匹みつけ、宝の場所はわかっているから、バイクに乗せてほしいと言います。チキンたちはフェイフェイを乗せて、ロケットの墜落場所まで向かいました。

一方、チンは衛兵がフェイフェイとチャンウーの写真を持っているのをみかけ、バンジーと協力して奪い取ろうとしますが、すぐに警備に見つかってしまいます。

チンは写真と引き換えに、チャンウーと卓球の試合をすることになりました。最初は劣勢でしたが、チャンウーに“ウザイ小僧に負けるわけにはいかぬ!”と言われて奮起。「お姉ちゃんにもウザイと言われた。でも、それもきっとスーパーパワーなのさ」と、はね返していきました。

最後は「おまえは3000歳のおばあさんで、薬を2つも飲んだせいで、永遠に独りぼっちで生き続けるんだ!」そう叫ぶと、チャンウーに勝利します。

ところがチャンウーは約束を破って、チンをその場に閉じ込めてしまいます。そして、ホウイーに2度と会えないと絶望し、悲しみと怒りのあまりに流星群を引き起こします。

フェイフェイはチキンのバイクを巧みに操り、落ちてくる流星群をかわしていき、ようやくロケットの墜落地点に到着したのです。

フェイフェイがロケットに近づくと、フェイフェイのヘルメットをかぶり、布をまとった黄緑色に光る何かが出てきます。

その何かはフェイスシールドを開けると「ぼくはゴビ!君は?」と自己紹介します。フェイフェイが「あなたは一体何者なの?」と聞くと、ゴビは「チャンウーの相談役だった」と教えました。

そこにチキンたちがやってきて、ゴビのことを「宮殿から追放されたやつだ」と言います。

フェイフェイは3匹に構わず、置き忘れたリュックを背負い、宝物を探します。そして船室の中に飾っておいた、チャンウーの人形をみつけます。

そして「間違いない! ママからもらったこの人形が宝物よ」と、叫ぶとチキンのボスがその人形を取り上げ、フェイフェイを置いて逃げ帰ってしまいました。

フェイフェイは仕方なく歩いてルナリアに戻ろうとします。そして、ゴビも手伝うから連れて行ってほしいと、ついていくのでした。

一方、ルナリアに残ったバンジーは、ジェイドを見つけます。ジェイドは薬を作る道具を持って、隠し部屋に入って行き、バンジーも追いかけていきました。

ジェイドはホウイーを蘇らせる薬を開発していますが、なかなかうまくいかず、実験をしていると失敗し暴発してしまいます。

それを見ていたバンジーは笑ってしまい、びっくりしたジェイドは、薬の入った器を落としそうになり、それをバンジーが支えた拍子に、他の薬の粉をかぶってクシャミをします。

バンジーがその薬を吸い込むと、不思議なパワーが耳に宿りました。

バンジーが自分の鼻をジェイドの鼻に合わせると、そのパワーが耳から放出し薬の器に注入され、チャンウーが求めていた薬が見事に完成したのです。

フェイフェイと歩くゴビは自分を“口下手”と言いますが、ずっとおしゃべりをして、舌が絡まるほど長く伸びてしまいます。

自分の舌に絡まって大きな穴に転がり落ちます。そしてその時、地面がゆれて地下からたくさんの、触角のある巨大なカエルがはい出てきます。

フェイフェイはカエル飛びするカエルを見て、ゴビの舌を長く伸ばして、カエルの触覚にひっかけて、背中に飛び乗ったのです。

フェイフェイはゴビに「どうして1人で暮らしているの?」と聞きます。ゴビはチャンウー女神のために歌を唄ったら追放されたと話しました。

フェイフェイが母親から聞いていたチャンウーは、“親切でやさしくて、湖に舞い降りた白鳥のように優雅”というもの。ゴビもホウイーが死ぬまではそうだったと言います。

彼が死んでしまってから変わったのです。「最愛の人を亡くすと、人は・・・」とフェイフェイが言うと、「変わるんだよ」とゴビが言います。

城ではジェイドが完成した薬をチャンウーに見せていました。あとは宝物が来るのを待つだけです。

フェイフェイたちがルナリアに到着すると、チキンたちに追いつきました。人形を奪い返そうと争奪戦が始まります。

しかし、激しい激突の中で人形は跡形もなく壊れてしまい、フェイフェイたちは宝物を失ってしまいました。

フェイフェイは母が亡くなっていないこと、父は再婚して、ウザイ男の子と姉弟になることを嫌がり、父に母への永遠の愛を、思い出させたかったと話します。

そして、チンのことを馬飛びばかりして、コウモリみたいにぶら下がったり、壁を通り抜けようとしたりすると、言います。

ゴビはカエルに飛び乗ったり、屋根の裏にコウモリみたいに張り付いたアイデアは、チンからのものでしょ?と聞き、ゆっくり考えればいいと言います。

ゴビはおなかが減ったと、月の地図を食べます。フェイフェイがゾンからもらった、月餅を何気なく食べると、その中から固い何かが出てきます。それを見たゴビは、どこかで見覚えがあると言いますが、思い出せません。

しかし、ルナリアのいたるところにある、シンボルマークの片割れに似ていると気がつき、チャンウーが首から下げているお守りの半分だと思い出すのです。

そのころチンもバンジーの能力と力を合わせて、閉じ込められた部屋から脱出していました。フェイフェイはチンと合流して、持ち帰った“宝物”をチャンウーに手渡すのです。

チャンウーはお守りを合体させ、薬をふりかけます。すると辺り一面がチャンウーとホウイーが、出会ったころの森の中になり、チャンウーも昔の姿に戻ります。チャンウーが永遠の愛を唄うと、森の奥からホウイーが現れます。

しかし、2人の再会はあまりにも一瞬でした。ホウイーはチャンウーの頬をなでますが、すぐに姿が薄れていきます。

「僕はいられない・・・君も前に進むんだ。僕たちの愛は永遠だ・・・」こう言って、森の彼方(かなた)へ消えていきます。

月の砂が消えてなくなると、チャンウーは絶望してしゃがみ込み、膝を抱えて丸まり、ルナリアの光りは失われ、辺りは闇で包まれていきました。

チャンウーは女神しか入れないという、“すさまじい闇の間”にとじこもってしまいました。ところがフェイフェイだけは、透明な壁をすり抜けることができます。

フェイフェイはチャンウーを連れ戻すため中に入りますが、白い光がやってきて、フェイフェイに母との別れの記憶をみせました。

すると、フェイフェイまでも闇の中で丸くなり、とじこもってしまったのです。それを見たチャンウーはフェイフェイの側に行って言います。

「こんなところに残ってはダメ。わらわのように一人ぼっちになる。前を向いて進まねば」チャンウーはフェイフェイの目を見て、同じ悲しみを感じ歌います。

心の傷みは捨てて、側で待つ新しい人生に目を向け、愛を注げば家族になれる。愛は与えていれば失わない。大きく育つ。

探していたものはおまえの中に、母が恋しくても、魂はそばにいる。

チンが「お姉ちゃんを連れ戻す! バリア解除だ!」と、突進すると壁を貫くことができ、フェイフェイもチンを弟として抱きしめるます。

次はチャンウーの番です。フェイフェイは、宝物がなくても、一人じゃない・・・あなたを愛するみんながいる。ホウイーが恋しくても、魂はそばにいる・・・心は光ってる。と歌いました。

最初にゴビがチャンウーにかけより、獅子や月餅、ジェイド、ルナリアの仲間が彼女を囲むと、闇の間は光りに満ち、ルナリアに再びまばゆい明かりが戻ってきたのです。

ジェイドとバンジーは恋に落ちたので、ルナリアに残りました。フェイフェイとチンは獅子に連れられ地球に帰ります。

そして、父とゾンは結婚して、フェイフェイとチンは姉弟となり、新しい形の家族として仲良く月餅の店を盛り立てました。

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映画『フェイフェイと月の冒険』の感想と考察

“月にはウサギがいて、餅をついてる”という伝説は日本でも知られていて、かぐや姫のお話も、月へ姫が帰っていく物語なので、『フェイフェイと月の冒険』は、とてもなじみやすい作品でした。

そして、グレン・キーン監督が、メディアのインタビューでも語っているように、登場するキャラクターがとても魅力的です。

特にとても丁寧に描かれているアジア人特有の長くて美しい黒髪と濃い眉や、アジア人ならではの繊細な感情表情が、見事に表現さていたことに、監督をはじめアニメーターたちの強いこだわりが感じられます。

中国神話の「嫦娥(じょうが)」

チャンウーとは中国神話に出てくる、嫦娥(じょうが)という仙女のこと。もともとは不死でしたが、地上に降りて后羿(こうげい)の妻となったため、不死でなくなります。

后羿が西の山に住む仙女から、不死の薬を2つもらって帰りますが、嫦娥は裏切って2つとも飲んでしまい、月に逃げてヒキガエルになったという伝説の主人公です。

この神話には諸説あるようですが、フェイフェイのおばさんが言っていたのはこの話のことです。ルナリアに戻る時に出てきたカエルは、この話のヒキガエルを基に登場させたのでしょう。

チャンウーは1人だけ不死になったことで、永遠の愛の意味を忘れて後悔し、ホウイーが恋しくなったのに違いありません。

脚本家の「オードリー・ウェルズ」

エンドロールに入ると「オードリー・ウェルズの美しき思い出に・・・」と、出てきます。

この物語を書いた脚本家のオードリー・ウェルズは、2018年にガンで亡くなっており、本作が彼女の遺作となりました。

ウェルズはこの作品を自分の娘と夫へあてた“ラブレター”として、「誰かを失ったとしても、その人と共有した愛は永遠に続く」という、メッセージを込めていたと語られています。

2020年は新型コロナウィルスで、突然家族を失うばかりでなく、最期にさえも立ち会えない・・・そんな、つらく悲しいお別れを味わった人が多くいると思います。

心の整理がつかず、悲しみに心が支配されてしまった人も多いでしょう。それでも前を向いて生きていくことで、大切な人は心の中に永遠に生きると、この映画では伝えています。

悲しみを抱えた方々の側に寄り添った、作品のひとつになれば幸いです。

まとめ

(c) 2020 Netflix, Inc.

愛する者を失うことは、耐えがたい痛みが伴います。それでも、側に自分を愛し大切に思ってくれる人がいれば、立ち上がることができます。

それを受け入れられるのか、自分の殻にとじこもって拒絶し続けてしまうか、勇気を持つことも必要になるでしょう。

作中でゴビが“ゆっくり考えればいいんだよ。”と言った通り、癒す時間も必要なのです。

過去を捨てる勇気と、近くで自分を思ってくれる人を信じ、大切にしてほしいと、この映画は教えてくれました

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