Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アクション映画

【ネタバレ】ソー:ラブ&サンダー|あらすじ感想と結末の解説評価。ヴィラン《ゴア》の魅力と“ガンズ・アンド・ローゼズ”の名曲が印象的!

  • Writer :
  • 糸魚川悟

目的を失った雷神による新たな戦いの物語

今やハリウッドを代表する映画となった「アベンジャーズ」シリーズの初期メンバーである、クリス・ヘムズワース演じる雷神ソー。

自信過剰で負けず嫌いなソーは独特な軽いノリとは裏腹に、動乱の中で両親を失っただけでなく和解した弟を目の前で殺害されるなど、シリーズの中でも『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)の「ワンダ」と競うほどに悲劇的な運命を辿っています。

今回はそんな守るべき者も復讐する相手も失い、目的を見失ったソーが新たな戦いに身を投じていく映画『ソー:ラブ&サンダー』(2022)を、ネタバレあらすじを含めご紹介させていただきます。

スポンサーリンク

映画『ソー:ラブ&サンダー』の作品情報


(C)Marvel Studios 2022

【原題】
Thor: Love and Thunder

【日本公開】
2022年(アメリカ映画)

【監督】
タイカ・ワイティティ

【脚本】
タイカ・ワイティティ、ジェニファー・ケイティン・ロビンソン

【キャスト】
クリス・ヘムズワース、クリスチャン・ベール、テッサ・トンプソン、クリス・プラット、デイヴ・バウティスタ、ヴィン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパー、ポム・クレメンティエフ、カレン・ギラン、ラッセル・クロウ、ナタリー・ポートマン

【作品概要】
マーベルコミックスを実写映像化した「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」29作目にして、雷神ソーを主人公とした「マイティ・ソー」シリーズ4作目となる作品。

大ヒットを記録した『マイティ・ソー:バトルロイヤル』(2017)のタイカ・ワイティティが再び監督を務め、本作にはクリス・プラットを始めとした「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のメインキャスト陣が出演していることでも話題となりました。

映画『ソー:ラブ&サンダー』のあらすじとネタバレ


(C)Marvel Studios 2022

神「ラプー」を信仰する国で人一倍敬虔な信徒であるゴア。

しかし、干ばつが襲ったことで国民は飢えによって死亡し、ゴアの娘のラブも彼の目の前で力尽き死亡してしまいます。

悲しみに暮れるゴアは足を進めると、水や食料に満ちたジャングルの中で宴を開くラプーがいました。

ゴアは信仰するラプーに会えたことに感動しますが、ラプーが自分たちのことを救わなかっただけでなく人間に興味すら持っていないことに徐々に怒りを覚え始めます。

その怒りに呼応し、神を殺す力を持った「ネクロソード」がゴアの手に現れ、ゴアはラプーの首を切り落とし殺害すると自分たちを見捨てたすべての神を殺害することに決めました。

両親と弟を失い、大切なものを失うことに怯える雷神ソーは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の面々と銀河を放浪しながら人助けを繰り返していました。

活躍の報酬として現地民が扱いに困っていた2頭のヤギを無理矢理押し付けられたソーはクイルの船の中で多くの惑星から同時に救難信号が出ていることに気づきます。

「ゴッド・ブッチャー」と名乗る者が各地の神を殺害して回っていることを知ったソーは、友人のコーグと共に「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」との別行動を決意し、クイルに別れを告げました。

その頃、地球にいる天体物理学者のジェーンは華やかな功績とは裏腹に、ステージ4の癌に身体を蝕まれ余命いくばくもない状態でした。

ジェーンは治療が意味をなしていない現状を打開するために、神話のエピソードからソーのハンマーである「ムジョルニア」に身体を癒す効果があると知り、地球にある「新アスガルド」へと向かいました。

数ヶ月後、「ゴッド・ブッチャー」ことゴアは「新アスガルド」を襲撃。

ゴアの存在を嗅ぎつけたソーは惑星間の移動を可能にする「ビフレスト」の能力を持つ斧「ストームブレイカー」によって「新アスガルド」に降り立ち、ゴアの放つ「影の化物」と戦います。

「新アスガルド」のリーダーであるエンジェルも参戦し乱戦状態となる中、その場に破壊されたはずの「ムジョルニア」を操る新しい「ソー」が登場。

ソーは「ムジョルニア」を扱える存在に驚きながらもゴアに向かいますが、ゴアは影の中に身を隠し、「影の化物」を使って「新アスガルド」中の子供を攫い逃走してしまいました。

新しいソーが元彼女のジェーンであることを知ったソーは、恋人として付き合っていた期間に「ムジョルニア」に彼女を守るように指示していたことを思い出します。

翌日、ヘイムダルの息子アクセルとの交信によって、攫われた子供がゴアの住む「影の国」に居ることを知ったソーは、コーグとエンジェルとジェーンを連れ、他の神々の支援を得るため全宇宙の神が集まる「全能の街」へと向かいました。

神々を指揮するゼウスの開く集会でゼウスにゴアの危険性を説いて共闘を直談判するソーでしたが、ゼウスは戦う意思を見せず、逆にソーたちを拘束しようとします。

ゼウスによってコーグがバラバラにされたことに憤慨したソーはゼウスの武器「サンダーボルト」による攻撃を受け止め投げ返し、ゼウスの身体を貫きました。

「サンダーボルト」を奪い「全能の街」脱したソーたちはコーグが顔さえ無事であれば死亡しないことに安心し、ソーとエンジェル、そしてジェーンの3人で「影の国」へと向かいます。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『ソー:ラブ&サンダー』のネタバレ・結末の記載がございます。『ソー:ラブ&サンダー』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

スポンサーリンク

(C)Marvel Studios 2022

「影の国」にたどり着いた3人はゴアのアジトを探ります。

ゴアの目的が誰も到達したことのない「永久」と呼ばれる地点への到達であり、「永久の門」を開くために「ビフレスト」の力を持った「ストームブレイカー」をソーから奪うためにこの場に3人をおびき寄せたことを知ったジェーン。

「永久」は最初に到達した者の願いを叶える力を持っており、ゴアはその力を持って「全神の抹殺」を目論んでいたのでした。

その場に現れたゴアとソーたちは交戦しますが、エンジェルが「ネクロソード」で刺され、ジェーンが戦闘中に苦しみだし、「ビフレスト」での撤退中にソーは「ストームブレイカー」を奪われてしまいます。

「新アスガルド」への撤退は成功しますが、エンジェルは内蔵を損傷し戦える身体ではなくなり、ジェーンは「ムジョルニア」を持つことで癌が進行してしまっていることが分かります。

ソーはジェーンに二度と「ムジョルニア」を持たないことを懇願すると、ひとり「サンダーボルト」の力を使い「永久の門」へと向かいました。

ゴアは「ストームブレイカー」で「永久の門」を開き始めており、その場に現れたソーが子供たちを解放すると、子供たちに雷神の力を分け与えゴアの放つ「影の化物」に対抗させます。

ゴアに挑むソーが苦戦すると、その場に「ムジョルニア」を持ったジェーンが駆けつけます。

「ネクロソード」を持つことで力を得ているゴアでしたが同時に身体を蝕まれており、「ネクロソード」破壊のためジェーンは果敢にゴアに挑み「ネクロソード」を破壊。

力を失ったゴアでしたがジェーンも力尽きてしまい、彼女に駆け寄るソーの隙をつきゴアは開いた「永久の門」へと向かって行きました。

ソーはゴアに対し、本当に求めていたものは「復讐」ではなく「愛」のはずだと投げかけ、後は好きなようにしろとゴアを止めはしませんでした。

ゴアは命尽きようとしているジェーンを抱きしめるソーを見つめると、かつて自分の娘を失った時のことを思い出し、「永久」に全神の抹殺ではなく娘の蘇生を願います。

ゴアの娘は「永久」の力で蘇りますが、「ネクロソード」で身体を蝕まれていたゴアはソーに娘を託すと、彼女の膝下で死亡。

命を落としたジェーンも光の粒となって消え、ソーは攫われた子供達とゴアの娘と共に「新アスガルド」へと戻りました。

時が経ち、ジェーンは「新アスガルド」を守った英雄として讃えられ、復活したコーグは自らの人生を歩み始め、戦う力を失ったエンジェルは子供たちに自衛のための指導をしていました。

ソーと「永久」によって神の力を与えられたゴアの娘「ラブ」は各地を放浪し危機に陥った原住民を救っており、「ラブ&サンダー」と呼ばれ伝説となっていました。

その頃、ソーによって身体を貫かれたゼウスは人々が信仰を失っていることを嘆くと、神の恐ろしさを再び思い知らせると宣言。

息子のヘラクレスにソーの殺害を命令すると、ヘラクレスはその命令を了承しました。

一方、ジェーンは気が付くと見知らぬ場所のゲートに居ました。

ゲートから現れたジェーンにサノスによって殺されたはずのヘイムダルが「君も死んでしまったか」と話しかけると、「ようこそヴァルハラへ」と彼女を歓迎しました。

スポンサーリンク

映画『ソー:ラブ&サンダー』の感想と評価


(C)Marvel Studios 2022

シリーズ最高潮のノリで描かれる新たな神伝説

2作目『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2014)以降、大切な存在を失い続けて来た雷神ソー。

しかし、タイカ・ワイティティが監督を務めた『マイティ・ソー:バトルロイヤル』では悲壮感を感じさせないほどのハイテンションなノリと怒涛の展開で物語を押し切り、シリーズの中でも高い評価を受けることとなりました。

そんな前作と同様に本作もタイカ・ワイティティが監督を務めており、会話をベースとしたコメディ要素が前面に押し出され、「ソー」と言う人物のキャラクター性が作品のテイストにも現れているような作品となっていました。

単に物語をコメディ調に一貫させているわけではなく、シリアスなシーンをギャグで被せることによって展開の高低を付けることにも成功しており、シリアスな作品の多い「MCU」の中でも異才を放っていました。

名優によって演じられた最凶ヴィラン「ゴア」


(C)Marvel Studios 2022

「ダークナイト」シリーズでバットマンを演じて以来、10年ぶりのアメコミ映画への出演となるクリスチャン・ベールが演じた本作のヴィラン「ゴア」。

神に見捨てられ全てを失ったゴアは全神々の抹殺を使命とする「ゴッド・ブッチャー」へと変貌し、さまざまな手段を用いて「神」と名乗る存在を殺害。

全てに絶望しきっているゴアは精神に異常をきたしており、不気味かつ陽気に絶望をばら撒いていきます。

ハリウッドの中でも特に過激すぎる役作りが話題となるクリスチャン・ベールは、『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)やイギリスのミュージシャン・エイフェックス・ツインの楽曲「Come to Duddy」のミュージックビデオを参考にゴアの役作りを行ったとインタビューで語っています。

不気味で残虐な行為を繰り返しながらも、人であるゆえの「絶望」がその根底にあるゴアは、「人」としての魅力が詰まったヴィランとなっていました。

まとめ


(C)Marvel Studios 2022

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズを彷彿とさせるノリの軽さを見せる本作は音楽もロック調で統一されています。

「ガンズ・アンド・ローゼズ」の曲が印象的に使用され、物語として大きな変化を迎える作品でありながらも、鑑賞後の爽快感はシリーズの中でも最高潮な本作。

クリス・ヘムズワースは今後もソーを演じ続けることを明言しており、今後の更なる活躍と他ヒーローとのクロスオーバーが期待されます。

そんなソーが画面内で暴れまわる最高にロックでシリーズ最高潮のノリで描かれる『ソー:ラブ&サンダー』は、大画面で楽しんでいただきたい作品でした。

関連記事

アクション映画

映画トゥームレイダー2018ファーストミッションの新作あらすじとキャスト紹介

アンジェリーナ・ジョリーが強烈な印象を残したアクション映画『トゥームレイダー』から17年後、遂にリブート版『トゥームレイダー ファースト・ミッション』は、3月21日(水)に全国ロードショー! 監督はハ …

アクション映画

映画『ジェミニマン』あらすじネタバレと感想。SFアクションを最新技術を駆使した圧巻の映像美で魅せる

4K3Dハイフレームレートの最新技術によって撮影されたウィル・スミスvsウィル・スミスを描く アン・リー監督の『ジェミニマン』は、2019年10月25日全国公開! 2005年公開の『ブロークバック・マ …

アクション映画

映画『モータルコンバット』ラストのネタバレ考察。続編期待の天才 ジェームズ・ワンが手掛ける新たなヒーロー譚!

モータルコンバットが幕を開ける。戦士の本能を呼び覚ませ! 人気シリーズ『ソウ』や『死霊館』といったサイコーホラー映画、『ワイルド・スピードSKY MISSION』、『狼の死刑宣告』などのアクション映画 …

アクション映画

『ダイハード3』ネタバレあらすじ結末と感想の評価解説。アスピリンがブルース・ウィリス演じるマクレーン刑事を手助けする

ブルース・ウィリスが災難に巻き込まれる刑事ジョン・マクレーンを演じた人気シリーズ第3弾。 ジョン・マクティアナンが監督を務めた、1995年製作のアメリカの大ヒットノンストップ・アクション映画『ダイ・ハ …

アクション映画

『アンタッチャブル』ネタバレ結末あらすじと感想解説。名作映画でケヴィンコスナー演じる犯罪捜査官VSデニーロ演じる最強カポネ

最凶のギャングのボスvs財務省特別捜査官の戦いを描いたアカデミー賞受賞作! ブライアン・デ・パルマが監督を務めた、1987年製作のアメリカの犯罪アクション映画『アンタッチャブル』。 禁酒法時代のアメリ …

U-NEXT
タキザワレオの映画ぶった切り評伝『2000年の狂人』
山田あゆみの『あしたも映画日和』
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
【連載コラム】光の国からシンは来る?
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【KREVAインタビュー】映画『461個のおべんとう』井ノ原快彦の“自然体”の意味と歌詞を紡ぎ続ける“漁師”の話
【玉城ティナ インタビュー】ドラマ『そして、ユリコは一人になった』女優として“自己の表現”への正解を探し続ける
【ビー・ガン監督インタビュー】映画『ロングデイズ・ジャーニー』芸術が追い求める“永遠なるもの”を表現するために
オリヴィエ・アサイヤス監督インタビュー|映画『冬時間のパリ』『HHH候孝賢』“立ち位置”を問われる現代だからこそ“映画”を撮り続ける
【べーナズ・ジャファリ インタビュー】映画『ある女優の不在』イランにおける女性の現実の中でも“希望”を絶やさない
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
アーロン・クォックインタビュー|映画最新作『プロジェクト・グーテンベルク』『ファストフード店の住人たち』では“見たことのないアーロン”を演じる
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
【平田満インタビュー】映画『五億円のじんせい』名バイプレイヤーが語る「嘘と役者」についての事柄
【白石和彌監督インタビュー】香取慎吾だからこそ『凪待ち』という被災者へのレクイエムを託せた
【Cinemarche独占・多部未華子インタビュー】映画『多十郎殉愛記』のヒロイン役や舞台俳優としても活躍する女優の素顔に迫る
日本映画大学