前作『イコライザー』(2014)から4年ぶりの続編。
昼はタクシードライバー、夜には19秒で悪を倒す元CIAエージェント“仕事請負人=イコライザー”。そんな2面性を持つ魅力的なキャラクターが繰り広げる勧善懲悪物語。
海外のみならず日本でも話題の主人公ロバート・マッコール、ここに帰還…!
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CONTENTS
映画『イコライザー2』作品情報
© 2018 SONY PICTURES ENTERTAINMENT (JAPAN) INC. ALL RIGHTS RESERVED.
【公開】
2018年(アメリカ映画)
監督
アントワーン・フークア
脚本
リチャード・ウェンク
キャスト
デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカル、アシュトン・サンダース、ビル・プルマン、メリッサ・レオ
【作品概要】
ハリウッド版必殺仕事人ともいうべき特殊エージェントのロバート・マッコールをデンゼル・ワシントンが演じ、共演は『ムーンライト』のアシュトン・サンダースが務め、敵役には『キングスマン:ゴールデン・サークル』のペドロ・パスカルが好演。
演出は『エンド・オブ・ホワイトハウス』のアントワーン・フークア監督が前作から引き続き務め、無双の戦闘スキルで仕事を完遂してきたマッコールを描いています。
映画『イコライザー2』のあらすじとネタバレ
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国外に向かう夜行列車で書物を読む牧師。彼こそがロバート・マッコール。
マッコールは斜め前の席に座る男に観察していました。その男の隣には声も出せずに怯えてる少女の姿。
男は立ち上がり席を離れると、マッコールは手にしていた書物を閉じ、その後を追っていきます。
尾行する男が向かった先はBARのある車両で、先に集合していた仲間たちと男は談笑していました。
マッコールはカウンターに座り、バーテンダーに飲み物を注文しますが、英語しか話せないマッコールの注文は店員に伝わりません。
すると見かねた男がマッコールに代わり、注文を通しました。
マッコールが追っていた男は、カウンターにつくとマッコールに話しかけてきます。
しかし、マッコールと会話をしていた男の顔が次第に曇っていきます。実はこの男、別れた妻との間に産まれた娘をさらっていき、挙げ句の果てに国外へと逃亡しようとしていたのです。
マッコールが自分を追ってきたと察知した男は、始末するよう仲間に指示。
4対1の圧倒的な劣勢にいきなり立たされたマッコールですが、彼が時計の針を気にしていると、男の仲間たちは次々に襲いかかってきます。
しかしマッコールは、数の不利など気にもせずに、一人、また一人と倒して行きます。
あっという間に気がつけば男は一人、目の前にはマッコールという絶望的状況になり、喧嘩を売る相手を間違えた男はマッコールに倒されます。
夜が明けたボストン。慌てて娘を迎えに来る母親にマッコールは名も告げず、娘を送り届けます。
ボストンに帰ってきたマッコールは普段の仕事に戻ります。彼は昼はタクシードライバーの仕事をしながら、夜は世にはびこる悪を退治していました。
仕事を終えたマッコールが家に着くと人が入った形跡があり、警戒するマッコール。しかし、次の瞬間、安心したように侵入した相手に話しかけます。
彼の家に侵入したのは、マッコールの元職場CIAの同僚で友人のスーザンでした。
マッコールが何の危険もなく悪に制裁を加えられるのも、彼にCIA特殊隊員の経験があったからです。
スーザンは戻って来る気はないかとマッコールを誘い尋ねますが、彼はこれをやんわりと断ると彼女と別れます。
同じ頃、CIAの協力者が何者かの手によって殺されるという、おぞましい事件が起きました。
スーザンや彼女の同僚デイブを含めた局員は、事件の捜査に乗り出します。しかしスーザンはホテルの部屋に一人で戻ったところを、強盗に襲われてしまい、命を落としてしまいます。
一方のマッコール。住んでいるアパートにイタズラ書きが残され、大家さんが大事にしていた家庭菜園が荒らされるという事件が起こります。
マッコールは誰に頼まれたわけでもなく、壁を塗り直していきます。
そこに通りがかった美術学校の学生マイルズは、マッコールの行動に興味を持ち話しかけると、マイルズは自分の境遇や家族ことなどをマッコールに話し始めました。
どうやらマイルズは学校に通わなくなっていて、悪い奴らとつるんでいました。
そんなマイルズにマッコールは諭すように、学校に行くことの大切さや、アパートのペンキ塗りをお金を貰わずともやることの意味を語ります。
マイルズは初めこそマッコールに反論していましたが、次第に態度を改め、真剣に会話をするようになります。
その後、話の流れからマイルズは、ペンキの塗り直しをマッコールに代わり引き受けます。
マイルズは順調に作業を進めていきますが、ところがある時から塗り直しの作業は止まってしまいました。
マッコールがマイルズのことを気にかけていたある日、マイルズがチンピラに連れられて行くところを目撃します。
マッコールはマイルズの後を追っていきます。
マイルズがいる建物に着いたマッコールは、見張り役のチンピラを倒していき、建物からマイルズを連れ出します。
「放っておいてくれ」とマイルズはマッコールに歯向かい、さらには「絵だけじゃ、稼げない。だから悪いことをしてお金を稼ぐんだ」とまで言い出します。
それを聞いたマッコールは、「まだ何にでもなれる。人を殺してしまってはもう戻れなくなる」と強く説得します。
マッコールの心底からの思いを理解し始めたマイルズは改心し、またペンキ塗り作業を始めます。
そんな中、マッコールにスーザンの夫から電話がかかってきます。
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映画『イコライザー2』感想と評価
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俳優デンゼル・ワシントンがカッコイイ!
本作が公開されると聞いてから、事前に2014年公開の前作『イコライザー』を再視聴しましたが、やっぱりこちらも面白い作品でした。ぜひ、本作を見る前に、前作『イコライザー』を観ておくと本作品『イコライザー2』はさらに楽しむこと間違いありません。
しかし、もちろん前作を鑑賞していなくても充分楽しめるのが、『イコライザー2』の最大の魅力です。
“ロバート・マッコールは怒らせちゃいけない”。やはり、イコライザーであるマッコールを演じたデンゼル・ワシントンが何よりもカッコイイ!
デンゼル・ワシントン初めての続編
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本作『イコライザー2』は、彼のキャリアの中で初めての続編。それだけ望まれて制作された本作だけに見どころも豊富に盛り込まれています。
それを可能にしたのが、前作のみならず、さまざまな作品でデンゼル・ワシントンとタッグを組んだアントワーン・フークア監督との信頼関係があるからです。
参考映像:『トレーニングデイ』(2001)
2001年の作品『トレーニングデイ』では、デンゼル・ワシントンがアロンゾ・ハリス刑事役を好演して、アカデミー主演男優賞を受賞。
この作品では、ベテラン刑事と新人刑事のバディムービーの設定を仲良くなるストーリーにすることなく、決定的な決裂で終わらせ、デンゼルには悪役を演じさせたことでも大きな話題となり、高い評価を得ました。
そのほかにも、2016年の作品『マグニフィセント・セブン』は、1954年の黒澤明監督の『七人の侍』を基にした1960年のジョン・スタージェス監督の西部劇映画『荒野の七人』のリメイクした作品もあります。
参考映像:『マグニフィセント・セブン』(2016)
この作品でデンゼル・ワシントンとアントワーン・フークア監督は、かつての名作映画のリメイクをしただけではなく、現代でも西部劇が充分に世界の映画ファンを楽しませることを知らしめました。
『マグニフィセント・セブン』は、ワールド・プレミア上映を2016年9月に第41回トロント国際映画祭で行い、また同年の第73回ヴェネツィア国際映画祭でクロージング・ナイト作品を務めたことからもわかります。
デンゼル・ワシントンは、タッグを組んだアントワーン・フークア監督だからこそ、初めての続編の出演を承諾したのです。
アクションだけが見どころではない
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これまで様々なアクション映画を観てきましたが、本作ほど主人公がピンチなのにピンチと思わない作品は初めてだといえるでしょう。まるでルーティンワークのように戦う前に腕時計を見直す仕草からの大暴れは負ける気がしません!
また敵役となるかつての戦友デイブを演じたペドロ・パスカルも実に魅力に溢れています。
ペドロ・パスカルが出演した映画前作品の『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)の際には、キャラクターの立ったウイスキー役を好演。そのダンディなヒゲがあった印象とは、今回は異なる容姿や演技力の幅で、初め登場した際はまったく気がつかないほどです。
ペドロ・パスカルがイコライザーとしての殺し屋ではなく、父親の顔を覗かせる場面があるのですが、彼は新たな一面としての魅力とともに稼業のゆえの悲しさも見せていますので注目。
参考作品:『ムーンライト』(2016)
また、第89回アカデミー作品賞を受賞した『ムーンライト』(2016)で、主人公のティーン時代のシャロンを演じたアシュトン・サンダース。彼は本作でマイルズ役を好演しています。
初めのうちのマイルズは、悪い輩とつるんだことからマッコールに諭されたります。その後もマイルズは元の弱い自分に戻ってしまいますが、マッコールに救い出され、やがて成長していきます。
そんなマイルズが自らの人生から逃げずに立ち向かって行く様子は、きっと誰もの胸を打つものがあるでしょう。
デンゼル・ワシントンの熱演したマッコールとの共演で、マイルズを演じた若手俳優アシュトン・サンダースは演技を引き上げられ、今後の活躍も一段と楽しみになりました。
まとめ
世の中の悪を19秒で倒して行くマッコール。そのカブキかたは現代では珍しくなったアクション映画のジャンルじゃないでしょうか。
世も知らず、人からも知られずに闇に隠れて短時間で悪を倒す姿は、ツウなアクション映画ファンなら感動を覚えることでしょう。ヒーローとしての美学や矜持がすべて描かれているといえる映画です。
また、痛快な迫力のあるアクションを久しぶりに観たいという映画ファンにもぴったりの作品。映画『イコライザー2』は劇場によっては4D上映やIMAX上映もしていますので、ぜひ体感するのもオススメです。
前作『イコライザー』からの要点をしっかりと押さえ、続編としての作品性は継続を守りつつも、それを超えた魅力あふれた作品です。ぜひ、お見逃しなく!