Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

SF映画

Entry 2017/09/22
Update

映画『亜人』綾野剛(佐藤役)の演技評価 とキャスト感想!

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

桜井画門の大ヒットコミック『亜人』を映画『新宿スワン』シリーズや『そこのみにて光輝く』の綾野剛が好敵手である“亜人の佐藤”を演じています。

演出は『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督が務めた実写映画化。亜人と人類の壮絶な戦いを描いた日本発の新感覚アクション・エンターテー・ムービー!

今回は映画『亜人』と俳優・綾野剛の魅力についてご紹介します。

1.映画『亜人』の作品情報


(C)2017映画「亜人」製作委員会(C)桜井画門/講談社作委員会【公開】
2017年(日本映画)

【監督】
本広克行

【キャスト】
佐藤健、玉山鉄二、城田優、千葉雄大、川栄李奈、山田裕貴、浜辺美波、品川祐、吉行和子、綾野剛、鈴村健一、宮野真守I

【作品概要】
桜井画門のアニメ化にもなった大ヒットコミック『亜人』を主人公の永井圭役に『るろうに剣心』シリーズの佐藤健をむかえ、不死身のテロリスト佐藤役を綾野剛、厚生労働省の亜人担当職員・戸崎役を玉山鉄二が務め共演。

演出は『踊る大捜査線』シリーズや『曇天に笑う』の本広克行監督。

2.綾野剛(佐藤役)のプロフィール


(C)2017映画「亜人」製作委員会(C)桜井画門/講談社作委員会

綾野剛(あやのごう)は、1982年1月26日に岐阜県に生まれた俳優。事務所はトライストーン・エンタテイメント所属。

2014年の映画『そこのみにて光輝く』にて、第88回キネマ旬報ベスト・テン 主演男優賞や、第69回毎日映画コンクール 主演男優賞など、数多くの映画賞を受賞。

参考映像:『そこのみにて光輝く』予告編

2015年に『新宿スワン』にて第7回TAMA映画賞最優秀男優賞をなどの作品で受賞します。

2016年に『リップヴァンウィンクルの花嫁』にて第41回報知映画賞助演男優賞などを受賞。同年に第40回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を『日本で一番悪い奴ら』で受賞します。

2017年には『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』などにも出演を果たします。

綾野剛は今作『亜人』に関して、非常に詳細なコメントを原作『亜人』ファンや、実写化を楽しみにしているファン述べています。

本広監督と佐藤健君、アクション監督の大内さん、他の共演者や各部署の方々の力を借りて、佐藤という魅力的なキャラクターをキャラクターで終わらせるのではなくて、きちんと人物にすることができましたし、それが実写の意味だと思います。

原作とは年齢的な部分でも、ある種枯渇している部分でも、僕とは差がありますが、この映画の中で生きている佐藤はきちんと原作からいただいたニュアンスを非常に大切にしました。

ハンチング等のアイテムもそうですが、進化した佐藤を実写の中で表現するべく、肉体作りもコミュニケーションやあらゆることを惜しまず、本当に魅力的な、ただ怖いだけではなく、妙にチャーミングさと軽快さもある新しい佐藤の造形を「亜人」という原作に敬意を払いながら作ることができました。

肉体的にも非常に追い込めて、ものすごく僕自身も良い状態で佐藤を生きることが出来た自負があるので、撮影もちゃんと毎日毎日一つずつきちんとやりきっているという実感があります。

原作のイメージや印象はできればまんま一緒にしたいくらい大切にしたいと考えています。そこに向かって全力で努力することは当然だと思っているので、それは原作者に対して・原作ファンの皆様に対しての敬意でもあります。

亜人は、ただ死なないという人間であって、決して超人ではないですし、いわゆるスーパーヒーローでもなく、空を飛べるわけでもない。肉体的には体力も含めて、人間と変わらない。ただ佐藤が過去に行っていたことは、原作に基づいて、軍隊上がりの彼が身に着けた筋肉というのはきちんと表現しなきゃいけないので、裸になるのが1シーンでも、この作品に入る4ヵ月半前から体作りを始めました。スタッフからは「CGみたいだね」と言われましたが、本広監督が僕の上半身裸の写真を携帯の待ち受けにしてくれていて(笑)それだけ頑張ったことを応援してくれているかのようで、嬉しかったです。ああいうことを素でやってしまう監督に、改めて魅力を感じました。

(佐藤)健君とは、久々の共演ということもあって僕自身非常に嬉しかったですし、さらにいいものを一緒に作ろうよという思いも強かったので、本当に良いタッグを組めて、本広監督に向かっていくことができたのかなと、健君には非常に感謝しています。

綾野剛はスタッフやキャストに気配りのできる俳優と知られていますが、このコメントからもその様子は分かりますね。

また、原作『亜人』の持つキャラクター佐藤に対しても敬意を持ち、原作のファンからも期待を裏切らないよう一層の努力をしたことも伝わってきます。

数々の映画賞を受賞した綾野剛が確かな演技力と、自ら考え抜いたキャラクター設計の“チャーミング”な佐藤に期待したいところです。

きっと、映画ファンのみならず、原作ファンも認めてしまう佐藤を演じ切ったのではないでしょうか。楽しみですね。

亜人グループの佐藤とは

亜人テロリストグループの佐藤を名乗る男は、本名はサミュエル・T・オーウェン。

イギリス人の父親と中国人の母親を持つカルフォルニア州生まれアメリカ人。

英語、中国語、日本語、ベトナム語などを単横に話す人物で、ハンチング帽を被り、戸崎や研究機関からは“帽子”と呼ばれていています。

麻酔弾が腕に命中すると直ぐに腕を躊躇わずに切り落とすなど、亜人の“命の蘇生を繰り返す新人類”という特性を最大限に生かした戦闘術で、非常に高い戦闘能力を発揮させます。

また、永井圭の言動や戦闘作戦などを気に入っており、執着的に彼との戦いに楽しんでいます。

3.映画『亜人』のあらすじ


(C)2017映画「亜人」製作委員会(C)桜井画門/講談社作委員会

病気である妹の命を救いたいと研修医となった永井圭だが、ある日、交通事故に巻き込まれてしまいます。

しかし、命を失った永井でしたが、その直後に蘇生を行い蘇ります。

永井は日本で3番目の亜人として厚生労働省に保護されるが、彼は秘密機関に収監され、組織を指揮をするのは厚生労働省の戸崎優の下で非人道的な人体実験をされてしまいます。

ある時、そんな圭の収容される組織に佐藤と名乗る男が襲撃してきました。佐藤は日本人最初の亜人であり、かつて長きにわたり亜人としてモルモットのような人体実験を受けていた人物でした。

佐藤の傍らには同じく、以前に彼に救われて人間へ激しい憎悪を持つ田中功次いました。

佐藤は圭に対して共闘する勧誘をかけますが、圭には誘いを断ると1人で秘密機関から逃亡します。

圭を誘い込むことに失敗したが、佐藤は人間に宣戦布告を開始。佐藤の周りには組織に確認されていない亜人が何人もいました。

亜人対策の中心的な厚生労働省に大掛かり爆破テロを仕掛け、人間を圧倒する佐藤に対して戸崎たちは後手の対応に回ってしまいます。

一方で全国に指名手配を掛けられた圭は逃亡を続けています。その頃、戸崎の部下である下村は永井圭の妹の慧理子を保護監察の対象にしていました。

そこの場に田中が襲撃をかけると、慧理子の目には映らない亜人の操る人型の特殊な分身IBM(インビジブル・ブラック・マター)が迫ります。

もはやなす術はないかと思われたが下村だったがIBMを発動させると、下村もまた亜人だったのです。

佐藤の度重なる非情なテロ行為を目にした圭は、なんと戸崎の方に共闘を申し入れます。

かつて自分の受けた酷い人体実験のことを忘れた訳ではなく、敵の敵は味方だとして佐藤との戦いを決意したのです。

佐藤の次なる攻撃標的は自身への人体実験をもとに生物兵器を作り出したグラント製薬でした。

圭と戸崎は襲撃が予想される佐藤と田中たちからの攻撃に備えてグラント製薬本社で待ち構えます…。

役者・綾野剛の魅力とは

『亜人』の劇中で魅力的な亜人佐藤役を演じ、また過去にも多彩な演技力で多くの演技賞を受賞した綾野剛。

彼は本広克行監督と仕事ができたことに喜びと敬意をコメントでも言い表していました。

それは『亜人』の演出を務めた本広克行監督は『踊る大捜査線』などの実写映画のみならず、プロダクションIGに移籍した経歴の中で、アニメ『PSYCHO-PASSサイコパス』の総監督を務めた経験に原点はあるのではないでしょうか。

現在のアニメやゲームといった業界は、今後も益々発展途上のジャンルといえます。そこに実は映画としての知識や経験豊富な人物を必要としている分野でもあります。

そこで逆に実写の映画人として本広克行監督は、アニメ制作で得た経験をコミックの実写化である『亜人』に大きく活かした映画がこの作品です。

映画人としての活路があるようにも思わせます。本広克行監督は過去に監督業を引退することを考えたり、自らが映画化を望む作品はヒットしないというような発言をどこかで耳にしたことはあります。

しかし、逆を言えばコミックの映画化やゲーム業界にむしろ向いたお宝な逸材なのではないでしょうか。

監督の出身校である横浜放送映画専門学院(現:日本映画大学)には、三池崇史監督がおられますが、本広克行監督にとって、今作『亜人』は一斉を風靡した『踊る大捜査線』のあの頃の匂いを感じさせます。

それは本広克行監督の魅力の原点の一つがシネフィルでオタクだからにほかならないと思います。

また、ことと可能にさせたのは、かつて本広克行監督を『踊る大捜査線』のチーフ監督に引っ張り混んだ俳優・織田裕二のように、今作『亜人』の現場では綾野剛役割が大きくあったのではないでしょうか。

肉体改造した綾野剛の写メを本広克行監督は待ち受け画面にしたことがコメントにありましたね。

俳優によって突き動かされた本広克行監督のお守りであるに違いありません。

綾野剛は俳優として、いくつもの人物の生き死にを役柄と演技力によって、観客に映画やドラマで見せてきました。

そのような魅力はもちろんのこと、綾野剛は相手の心にすっと触れて心を再生させる人柄をいつも感じさせてくれます

まとめ

映画『亜人』は2017年9月30日より全国一斉ロードショー。

綾野剛と佐藤健の壮絶なバトル、そしてアニメ制作で鍛えた本広克行監督の演出に注目です!

ぜひ、お見逃しなく!

関連記事

SF映画

【ネタバレ感想】ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 4DX映画吹替え版の評価とあらすじ。体感型鑑賞のススメ紹介も

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は 2019年5月31日(金)から全国ロードショー公開中! レジェンダリー・ピクチャーズが日本の映画製作及び配給を担う映画会社東宝と手を組み製作したモンスターバー …

SF映画

映画『亜人』あらすじとキャスト一覧。感想レビュー【佐藤健主演】

原作は桜井画門の大ヒットコミック『亜人』を映画『るろうに剣心』シリーズの佐藤健と、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督よる初タッグで贈る実写映画化。 亜人と人類の壮絶な戦いを描いた日本発の新感覚アク …

SF映画

映画『DUNEデューン砂の惑星』ネタバレあらすじ結末と感想考察。続編へのプロローグとなるポールの真の力からクイサッツ・ハデラッハの覚醒まで

続編への壮大なプロローグ。 SF映画に新たな大作誕生の予感です。 SF小説の古典とも呼ばれるフランク・ハーバートの小説『デューン/砂の惑星』を、『ブロードランナー2049』のドゥニ・ビルヌーブ監督が映 …

SF映画

映画『A.I.ライジング』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。SFアンドロイドへの禁断の欲望が恋に変化する宇宙探査飛行を描く

宇宙飛行士とアンドロイドの恋を描いたSFドラマ ラザール・ボドローザが監督を務めた、2018年製作のセルビアのSFドラマ映画『A.I.ライジング』。 地球から国家が消滅した近未来の2148年。ベテラン …

SF映画

【テネット内容解説】007スパイ映画と IMAXから考察。音楽の可能性も含めてノーラン様式美を深掘り!

映画『TENET テネット』は2020年9月18日(金)より全国ロードショー! 映画がデジタル化し、CGの使用が進む中、IMAX65㎜フィルムカメラでの、実物を使用した撮影にこだわりを見せる、クリスト …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学